医療保険に必要性はあるのか?20代~60代まで世代別に紹介!

自分や身の回りの人が病気やけがになった時の強い味方である医療保険ですが、毎月高い保険料を払ってまで加入する必要性はない、という意見を時々耳にします。

医学の進歩によって平均寿命は延び続けています。同時に、病気やけがの治療にかかる費用もまた増えています。

そういったことも踏まえると、入れるのなら医療保険に入ったほうがいいのは当たり前です。

しかし、最初にも言った通り保険料の負担が重いと考える人は多いでしょう。ただ、医療保険に加入しておけばよかった、と後から後悔することもありますよね。

ということで、今回は医療保険の必要性について検証していきます各年代ごとに必要性や医療保険の選ぶ際の注意点を検証したので、是非、医療保険の加入するかどうかの判断に役立ててください!

医療保険が必要ないといわれるワケは?公的医療制度があるから?

医療保険に入る必要がないという意見の根拠は、公的医療制度の存在です。医療費は最高でも自己負担は3割、加えて高額療養費制度や傷病手当金といったものがあります。

高額療養費制度や傷病手当金の存在が大きい

保険適用の医療費の自己負担額が自己負担上限金額を超えると、その超えた分が払い戻される高額療養費制度は、高額な医療費がかかった場合に、とても頼りになる制度です。

1か月の自己負担上限金額はその人の年収によって変わりますが、70歳未満で年収370万円~770万円の方の額は9万円です。

つまり、1か月の医療費の自己負担額が9万円を超えると、その超えた分が払い戻しされます。

また、会社員や公務員は、病気やケガで仕事を休むと、給料の3分の2の給料が支給される傷病手当制度もあります。

このように、公的医療制度が整っているため、医療保険に加入する必要はないという意見があります。

医療保険金の支払い条件は厳しく定められている

当然のことですが、医療保険金が支払われる条件は定められていますよね。

そのため、条件に当てはまらないことがあった場合、医療保険金は1円も支払われません。

また、入院給付金も支払限度日数が定められています。

支払限度日数が30日だとして、60日入院したら、その差の30日分は自腹となります。

何が起こるかわからない以上、柔軟性の低い医療保険に入る意味はあるのかという意見もありますね。

それでも医療保険は加入するべき!必要性を解説

しかし、それでも医療保険に入るべきという意見のほうが強いです。

現に生命保険文化センターの調査によると、平成28年の医療保険への加入率は72.1%です。これだけ多くの人が加入しているわけですから、医療保険の必要性は高いと言っていいのではないでしょうか?

公的医療制度の対象外となる費用は意外と多くある

公的医療制度の対象外となる費用は意外と多く、それをカバーするために医療保険に入るという考えもあります。

対象外となる費用は以下の3つです。

  • 先進医療費

先端技術を用いた病気やけがの治療費(技術料)はすべて自己負担となります。

先進医療とは、その名の通り先端技術を用いた医療で、現在は約100種類が登録されています。

その額はとても高く、場合によっては一件で500万円を超えることもあります。

医療保険を契約する際に、先進医療に関する特約を付帯しておけば、限度額の範囲内で実費を請求することができます。

  • 差額ベッド代

入院した時に、個室、または少人数の部屋を希望する際に必要になるのが差額ベッド代です。

差額ベッド代は全額自己負担で、場合によっては一日で1万円以上かかることもあります。

ですが、7割の患者が差額ベッド代を払ってでも、個室や少人数部屋を希望しているというデータもあります。

もちろん、差額ベッド代が必要のない病室なら構いませんが、その部屋が埋まっている場合は、差額ベッド代を支払わないとその病院には入院できませんので、大きな負担となりますね。

  • 食事代・交通費・日用品費など

入院している時に病院から出される食事や、お見舞いのための交通費、普段から使用する日用品は、公的医療制度の対象外です。

ちなみに、食事代は以下のように一定額で定められています。

区分
1食当たりの料金
一般の患者
460円
住民税非課税世帯の患者のうち…所得が一定以上の患者210円
所得が一定以下の患者100円

長期入院による収入減をカバーするため

病気やけがをして長期的に入院することになったら、その間は当然働けませんので、収入が減少します。

会社員と公務員は傷病手当金制度がありますが、それによって賄われるのは全体の6割~7割ですから、お金が不足するということも考えられます。

病気やケガによっては、入院がさらに長期化することもあります。主な病気ごとの平均在院日数は以下の通りです。

病名平均在院日数
悪性新生物19.9日
心疾患20.3日
脳血管疾患89.5日
糖尿病35.5日
骨折37.9日
肺炎29.7日
アルツハイマー病266.3日
統合失調症546.1日

厚生労働者「平成26年患者調査」より抜粋

悪性新生物(がん)は意外と短く19.9日ですね。

アルツハイマー病や統合失調症などは長期的な治療・サポートが必要になることが多く、1年近く、またはそれ以上の入院期間を要することも少なくないようです。

この期間の収入源に対応するためにも医療保険はおすすめできますよ!

社会保障制度が将来崩壊する恐れも…

スケールの大きな話になってしまいますが、公的医療制度に限らず、社会保障制度が崩壊する可能性はゼロではありません。

少子高齢化や医療技術の高度化によってその財源を圧迫し続けているのが現状です。

今すぐどうこうなる、という話ではないものの、自分で自分を守る術も持っていた方がいいのも確かですよね。

世代ごとに医療保険の必要性、選び方を紹介!

では、世代ごとの医療保険の必要性や、もし必要ならどういうところに注意して保険を選べばいいのかということを解説していきます。

20代 身体は丈夫でも落とし穴はある!?

20代は体がもちろん一番丈夫な時期です。この年代の人は医療保険に限らず保険全般に対して必要性を感じていない人が多く、守るべき家族も少ないことが多いですね。

ただ、災害が多い日本に住んでいる以上、いつ災害に遭遇してけがをするかはわかりませんし、乳がんや子宮頸がん、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)など、若い女性がかかりやすい病気もあります。

また、若いうちに保険に加入することは、保険料を抑えることにもつながります。

給料もまだ低い時期で、何かと出費もあるかと思いますが、可能であれば備えとして入っておくこともお勧めします。

30代 人生の転換期、特に女性は注意!

30代は結婚・出産・マイホーム購入など、人生の転換期となることが多いです。

守るべき家族もできると、必要なお金も増えるため、医療保険の必要性は高まると考えていいでしょう。

さらに妊娠・出産を考えている女性は要注意です。初産年齢は昔に比べてかなり上がり、現在は30歳前後だと言われています。

通常の妊娠分娩の費用の多くは、出産一時金など、公的な給付金でカバーできることが多いです。さらに、帝王切開などの異常分娩は、公的健康保険の対象になります。

ただ、帝王切開による入院で発生した差額ベッド代や食事代は公的医療保険の対象外となりますので、医療保険に入っておいた方が安心でしょう。

医療保険に入るのなら、妊娠する前に加入してしまいましょう。

40代 がんが死因第一位に!家族にいくら必要か考えよう

40代になると、それまで死因の上位だった自殺や不慮の事故に変わり、悪性新生物(がん)が死因の第一位となります。

また、がんに限らず心疾患(心臓病)や脳血管疾患(脳卒中)の危険性も高まってきます。

普段から生活習慣を見直すことも大事ですが、万が一自分がそうなった時のために医療保険に入ることはとても重要です。

さらに40代は子供の学費も上がり始める時期でもあります。

もし自分が病気やケガで働けなくなってしまったときに、学費や家のローンなど、家族にどれだけの額を残せばいいのかということを第一に考えましょう。

50代 ライフスタイルが変化するため、保険を見直すチャンス

50代は子育てが一段落し、ライフスタイルが変化する方が多いです。住宅ローンの完済も近づいているのではないでしょうか。

子供が独立すれば、以前ほど保険金の多い医療保険に入らなくてもいという考えの人もいますし、病気が重症化する確率も上がっているのだからさらに医療保険を充実させるべき、という考え方の人もいます。

どちらにせよ、心や時間に余裕がある時期だからこそ、今一度医療保険・その他の保険について見直す必要性がありますね。

60代~ 老後に直結する時期!生命保険や介護も視野に入れて考えよう!

老後生活に直結する60代は、保険見直しや将来について考える最後の時期なのではないでしょうか。

この時期に医療保険・生命保険に加入するとすると、その保険は基本的に死ぬまで継続するぐらいの考えで加入したほうがいいかもしれません。つまり終身保険ということです。

なぜなら、この年齢で定期タイプに加入すると、満了後の更新の際に、保険料が大幅に上がることがります。そもそも年齢を理由に、今までは加入していた保険を更新できないこともあり得るからです。

また、病気やけがによって要介護状態になる可能性も十分に考えられます。そういったことも考慮し、どうやってセカンドライフを充実させるか考えましょう。

年代ごとに必要な医療保険のタイプは異なりますが、必要性はどの年代でもあると言えるのではないでしょうか。

今は保険の種類もたくさんありますので、自分にあった医療保険やその他の保険を探してみましょう。

実際の保険を比較したり、見直したりしたい場合は是非以下のランキングを参考にしてみてください!

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