「資金調達を成功させるためには、信頼の積み上げが重要です。」
そう語るのは、創業支援・財務コンサルティングを得意とし、数多くの資金調達支援の実績を持つ大阪の会計事務所サンタックスオフィスの代表税理士・河合先生。
今回は、融資の成功確率を少しでも上げるために経営者が知っておくべきことや、新型コロナ禍で資金繰りに苦しむ経営者へのアドバイスなど、企業の資金調達にまつわるお話を伺ってみました。
会計事務所サンタックスオフィス 代表者 河合 晃男(税理士)
昭和55年3月生まれ。
大学卒業後、社会人対象の専門学校において税理士試験の勉強に専念。
大阪市の監査法人併設税理士事務所に約3年間勤務し、勤務中の25歳の時に、税理士試験5科目に合格。
平成19年4月に独立開業。
資金調達のポイントは一言、「信頼の積み上げ」
インタビュアー:御事務所の得意領域や強みについて教えてください。
河合先生:企業の財務コンサルティング、資金調達支援を得意としています。
目の前の資金繰りだけではなく、経営者の方から来年や再来年の事業目標を伺った上で、長期的にどういうフォーメーションで金融機関と連携して、どういう資金繰りをしていくかというコンサルティングを手がけています。
イメージとしては、社外財務部のような感じですね。
創業期の会社なのか、上場を目指している会社なのか、企業のステージに応じて、資金調達の体系の構築方法は異なるので、会社ごとに資金調達の計画を組んで、それを実現する実行フェーズまでを一貫してサポートをしています。
インタビュアー:経営者が資金調達を成功させるために日頃から意識しておいた方が良いことは何ですか?
河合先生:一言でいうと、信頼の積み上げ。つまり、金融機関とのコミュニケーションをとっておくことが重要です。
例えば、年1回、お金を借りたいって時だけ顔を見せに来る会社と、毎月1回顔を見せて事業状況を話している会社、どっちがお金を借りやすいと思いますか?
同じような業績の会社であっても信頼の積み上げがあるかないかで結果が変わることもあるので、すぐすぐの資金調達ニーズの有る無しに関わらず、金融機関と密にコミュニケーションをとっておくと、いざという時に助かるはずです。
また、業界や業態の考え方、慣習などにも注意が必要です。
異業界の人たちが会話をするとお互いの当たり前を前提に話してしまうので、なんとなく話しが食い違うってことがありますよね。例えば、広告業界と銀行業界の人の商習慣や普段使っている言葉は全然違うはずです。
業界間のギャップを無視して会話をしてしまうと、伝えたいことが正確に伝わらないということになりかねません。
本来は融資を受けられたのに、こうしたギャップが理由で否決されてしまうのは勿体無いですよね。
といっても、このようなギャップを自力で埋めるのは大変な場合もあるので、そうした時に税理士のような専門家を頼るのはおすすめです。
私達は、日頃から色々な業種のお客様と会話しますし、金融機関の担当者とも何度も会っているので、双方のことを理解しています。なので、ギャップを埋めやすい。
知識としてのギャップ、そしてコミュニケーションのギャップを埋めて、スムーズな資金調達を実現するために専門家を活用すると良いと思いますね。
インタビュアー:過去に印象に残っているお客様とのエピソードはありますか?
河合先生:数年前に取り扱ったシンジケートローンの案件はかなり印象に残っていますね。
シンジケートローンとは、複数の金融機関が協調して融資を行う資金調達の一種で、とある会社の資金調達をお手伝いする際にこのスキームを活用しました。
一時は、目標額に到達する前に金融機関からNGをもらってしまったんですが、社長より会社のことに詳しくなっているんじゃないかというレベルで事業計画を練り直して、再申請をしたところ、無事に目標金額を調達することができました。
この件は新聞にも載りましたし、当時、作成した事業計画書は、金融機関の研修の資料にもなったそうです。
また、伸び盛りの会社だけではなく、破産間近の会社をサポートするケースもあります。
業績が右肩下がりだと追加融資を受けるのは厳しいので、既に借り入れている分の返済を待ってもらったり、通常とは違う支払い方法をとったり、そうしたやりくりをするんです。
業績が下り坂の局面で、なんとか生き抜かないといけない。そうした中で様々な手段を講じた結果、無事に窮地を切り抜けて復活する会社もあって、そういった例も印象的ですね。
借りられる時に出来る限り借りておくことをおすすめします
インタビュアー:先生が税理士として大切にしていることは何ですか?
河合先生:よく税理士はサービス業、お客様は神様って言われますよね。
ただ、私はちょっと違うと思ってて、税理士は先生業であるべきだと思ってるんです。
私が独立したのが27歳の頃なんですけど、当時ただ若いからっていう理由でお客さんがまともに話を聞いてくれないケースがあって。
「税法上よくないからやめてください」って伝えても中々理解してもらえなかったことがあったんです。
だから、日頃からスタッフには税理士は斜め上の存在であるべきだ、と伝えていますね。
先生すぎると上からになっちゃってそれはそれでよくない。逆に台頭な立場すぎると話を聞いてもらえないケースがある、だから斜め上くらいの関係性がちょうどいいのかなと思っています。
インタビュアー:税理士に資金調達支援をお願いするメリットを教えてください。
河合先生:本業に専念できることですね。平時であれば、仕事的なストレスって営業8割、経理2割くらいの割合だと思うんですよね。
でも、業績が傾いてお金がなくなってくると、経理のストレスが8割になってくる。
事業を立て直さなきゃいけない、でも資金繰りもしなきゃいけない、となった時に税理士事務所がそのストレスを引き受けてくれるのであれば、経営者にとっては大きなメリットになるんじゃないかと思います。
自分がデキすぎるあまりに何でも自分でやってしまう社長もいますが、中々会社が伸びていかないケースも多くて、逆に伸びて行く会社は財務、経理担当の役員がついて役割分担しているケースが多いですね。
後は、先程伝えた金融機関とのコミュニケーションギャップのところですかね。
やはり資金が必要になったタイミングでは、普段から金融機関と信頼関係を構築している税理士事務所などを介した方が希望が通りやすい傾向があると思いますので。
インタビュアー:最後に経営者の方へ一言アドバイスをお願いします。
河合先生:新型コロナウイルスの影響でダメージを受けた会社も多いと思います。
これは私のお客様にも必ず伝えていることなのですが、借りられる時に出来る限り借りてください。
借りずに破産して後から後悔するよりも、借りれる時に借りて事業を継続していくことが大切だと思いますし、今、目の前で必要な資金が足りていたとしても、コロナの第二波がいつ来るかはわかりません。
そのようなタイミングでも資金的に余裕をもっておけば、精神的な安心材料にもなると思います。
会計事務所サンタックスオフィス
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