「学歴社会」とも称されることが多い日本では、やはりいい大学に行くことが一つのステータスのようなものになっています。
一方で、大学進学をしようにも奨学金の返済が滞ってしまうというニュースや、私立大学への補助金カットなどで、大学進学は狭き門となりつつあります。
未だ大企業などでは高卒者への門戸が十分に開いていないところも多くあり、将来の可能性を狭めないためといった理由で大学に通っている大学生も多く見受けられます。
今回は、高卒と大卒ではどのくらい給与にばらつきがあるのか、また日本社会ではどうして学歴が重視されるのかをわかりやすく解説していきます。
どうして会社に入るのに学歴が関係あるのか!?
「勉強は社会に出てから役には立たない」「勉強ができるのと仕事ができるのは別物だ」なんて言葉はよく言われています。
確かに学校で習ったことが社会でそもまま活かせることは稀だし、仕事ができる人の中にも大学・高校にもいっていない人はいくらでもいます。
では、こうしたことがわかっていながらどうして入社の際には学歴が響いたり、大卒に広く門戸が広げられているのでしょうか?
一つのものに打ち込めるかどうかの証拠になる!
受験勉強は長く過酷なものです。
そうした受験戦争を乗り越えて難関大学に入ったという事実は、その人自身がしっかりと目標に向かって努力ができるかどうかを測るものさしになるのです。
企業は初めから学生に即戦力として活躍することよりも、何年後何十年後に会社の中心となってくれるように継続的に努力できる人材かどうかを見極めて採用します。
ですから、勉強だけでなくスポーツや芸術でも学生時代に全身全霊をかけて何かに打ち込んだかが重要となると思います。
いい大学を出ている人に優秀な人が統計的に多かったから?
採用活動にいくら時間をかけても、学生全員の特徴や性格、能力を100%把握することはほぼ不可能なことです。
第1次選考の段階から全志望者に対して情報収拾を行うと、企業は採用活動に莫大なコストと手間をかけることとなります。
そのため、便宜上募集の段階から最終学歴に制限をかけるといったことが行われるのです。
実際、高卒と大卒の初任給と生涯賃金はいくら違う!?
文部科学省の調べでは、平成27年3月時の高校卒業者数はおよそ100万人、うち大学進学者数は5万7000人となっており、大学進学率はおよそ55%~58%ほどなのが現状です。
初任給
厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査結果によれば、大卒者の平均初任給額は20.6万円、高卒者の平均初任給は17.9万円となっています。
男女別でも初任給額は発表されているので、下の図を参照してください。
大卒(男女計) | 20.6万円 |
高卒(男女計) | 17.9万円 |
大卒(男性) | 20.7万円 |
高卒(男性) | 18万円 |
大卒(女性) | 20.4万円 |
高卒(女性) | 17.8万円 |
男性の方が女性よりもやや高くなっているのは、男性はほとんどの場合フルタイム勤務の職業が多いのに対し、女性は事務職や一般職といった時間に融通がきく職種を選ぶことが多いからとされています。
平均年収
同様に、厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査結果によれば、大卒の男性の平均賃金は39.8万円、女性は29.1万円、高卒の場合は男性が29万円、女性は21万円となっています。
特に男性では50~54歳の区分で約18万円の賃金格差が生じるなど大卒と高卒では大きな所得格差がありそうです。
大卒 | 男性 | 39.8万円 |
女性 | 29.1万円 | |
高卒 | 男性 | 29万円 |
女性 | 21万円 |
生涯賃金
では生涯賃金に換算するといくら差が出るのでしょうか。
大卒が23歳から60歳までの39年間、高卒が19歳から60歳までの43年間勤務するとすると、生涯賃金は、大卒男性で1億8626万円、高卒男性で1億4964万円、大卒女性で1億3618万円、高卒女性で1億836万円となります。
大卒 | 男性 | 1億8626万円 |
女性 | 1億3618万円 | |
高卒 | 男性 | 1億4964万円 |
女性 | 1億836万円 |
これにボーナスや賞与も入ってきますが、一般的には生涯賃金で見ると、男性は大卒で2億4000万前後、高卒は2億円前後となり、高卒より大卒の方が4000万円ほど多くなると考えてよいでしょう。
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まとめ
今回は高卒と大卒を長期的なお金の面で比較してみました。
もちろんどちらが良くてどちらがダメなんてことはありません。
若いうちからやりたいことが決まっていたり、若いうちから自分のプランを実行に移したいというアクティブな人は必ずしも大学に行かなくとも成功できる場合が多いです。
その一方で、大学に行くことは自分の知識が広がったり、刺激的な仲間に出会える場を得るきっかけにもなります。
将来いくら稼げるかだけではなく、若いうちに何をしたいのかを念頭に置いて、今後の人生選択を行って欲しいと思います。
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