国会議員の給料は高すぎる!そんな声をニュース等で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、実際に正確な金額をご存知の方は少ないと思います。
今回は、国会議員の年収・手取り額や世界各国の国会議員の年収ランキングをまとめました。日本の政治家は、世界の政治家と比べてどれくらいの給与を受け取っているのでしょうか?
また、国会議員以外にも、国会の議長・副議長や内閣総理大臣、国務大臣、都道府県知事の給料もあわせてご紹介します。私たちの税金がどれくらい使われているのか、気になりますね。早速見ていきましょう!
国会議員の給料(年収)はいくら?高すぎる、減らせなどの批判の声も
給料(歳費)は年間約2200万円!
国会議員は月給制であり、129.4万円を歳費月額として受けています。(歳費とは、日本の国会議員に対して支払われる給費のこと。)
また、国会議員には一般の公務員などと同じように期末手当(ボーナス)が支払われ、その金額は年間で約635万円となっています。
上記より計算すると、ボーナスを含めた国会議員の給料(年収)は129.4×12+635=約2187.8万円 となります。
これは1年間の任期を満了した場合の年収です。実際には衆議院では解散の可能性がありますが、日本人の平均所得が400万円台考えると高い給与と言えるでしょう。
議員が貰える給料以外のお金は?
上記の収入以外にも国会議員には様々な手当てが支給されます。
文書通信交通滞在費
これは電話代、郵便代、交通費、東京での滞在費などの名目で支給される費用であり、第二の給与と批判もされています。
月額100万円が非課税で支給され、かつ、報告や公開の義務がありません。
これを含めると国会議員の実質年収は、2188+100×12=約3388万円となります。
JR特殊乗車券、国内定期航空券
これは国会議員の特権として、新幹線のグリーン車を含めたJR全線が乗り放題、また、航空機は月に4往復分が無料になるものです。
文書通信交通滞在費が交通費の名目で支給されていることとJR特殊乗車券、国内定期航空券があることは矛盾しているという批判の声も見られます。
立法事務費
立法に必要な経費としての各会派の所属議員数に応じて交付される費用です。
議会雑費
国会が開かれている間に、常任・特別委員長、正副議長等の特別役職についている日人に1日6,000円の雑費が支給されます。出席している・してないに関わらず、国会開会日数分の金額が支払われます。
手取りの総額はいくら?
もちろん国会議員も国民なので、歳費と期末手当(ボーナス)には税金がかかります。
国会議員は控除などの仕組みが複雑なので具体的な計算式は割愛しますが、一般的な国会議員の月の手取りは70~80万円です。
非課税の文書通信交通滞在費100万円は、事務所経費に当てる政治資金としての用途と言われていますが、実態は使用先を調査することはなく、「第2の給与」とも揶揄されています。
給料が2割上がったという情報はデマ!
インターネット上では2018年の9月に国会議員の給料が2割値上げされたという情報がありますが、それは全くのデマです。
まず、2012年5月1日から2014年4月30日まで東日本大震災による財政状況の悪化から、国会議員の歳費が2割削減(手当等はそのまま)されていました。
2014年の5月に削減がされなくなり元の額に戻ったのに対して、ある悪意のあるツイッターアカウントがデマのツイートを流し続け、デマ情報が拡散されたことがこの原因だと考えられます。
国会議員の給料はどうやって決まる?どこから払われる?
歳費は法律で決められている
国会議員の月の歳費は129.4万円だと上述しましたが、これは国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律第1条に記載されている内容です。
国会議員の給料は法律で決められているのです。
同じように、上述したJR特殊乗車券、国内定期航空券、文書通信交通滞在費、期末手当についての内容もこの法律で定められているのです。
給料は税金から出ている!
憲法49条は「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。」と定めています。
したがって、参議院・衆議院両国会議員の歳費は税金から支払われていることがわかります。
公設秘書の給与も国費(税金)から出ている
また、国会議員は国費(税金)により政策担当秘書、公設第一秘書、公設第二秘書の3人を雇用することができます。
公設秘書の給与は「国会議員の秘書の給与等に関する法律」などで決まっており、おおよそ600万円から1000万円程度となっています。
これが3人なので、約1,800万円〜3,000万円が国から支給される形になっています。
世界の国会議員の年収ランキング!日本は何位!?
下の表は主要5か国の国会議員の歳費と、一人当たりGDP、ペイレシオ(議員報酬が一人当たりGDPの何倍に当たるかを表したもの)を示しています。
つまり、ペイレシオの数値が高いほど、自国民の平均給与から大きく乖離していることを意味します。
順位 | 国 | 報酬(単位 USドル) | 一人当たりGDP | ペイレシオ |
1 | 日本 | 201,800 | 38,440 | 5.25 |
2 | アメリカ | 174,000 | 59,501 | 2.92 |
3 | 韓国 | 105,000 | 29,891 | 3.51 |
4 | ドイツ | 102,600 | 44,550 | 2.30 |
5 | イギリス | 91.200 | 39,735 | 2.30 |
(引用:マイベストプロJAPANより)
日本は、報酬金額、ペイレシオ共に世界で第一という結果になりました。世界からみても日本の国会議員は恵まれた待遇を受けていることがわかりますね。
アメリカは、報酬金額では第2位につけていますが、ペイレシオは、日本・韓国よりも低いことがわかります。
国会議員の議長・副議長、首相、大臣、都道府県知事の給料は?
ここでは、国会議員については歳費と期末手当以外は給料に入れていません。
内閣総理大臣(首相)
内閣総理大臣の期末手当を含めた年間給与額は約4015万円となっています。(2018年時点)
下記では内閣総理大臣の年収についてさらに詳しく説明しているのでよろしければご覧ください。
大臣(国務大臣)
国務大臣の期末手当を含めた年間給与額は約2929万円となっています。(2018年時点)
議長・副議長(衆参両議院)
衆参両議院の議長の給料は3239万円、副議長の給料は2531万円となっています。
都道府県知事
都道府県知事の給料は一律ではなく、各都道府県によって変わりますが、平均は2222万円となっています。
都道府県知事に関しては国会議員ではないので別ですが、やはり役職がついている国会議員は、平の国会議員よりも給料が高くなっています。
都道府県別の知事の年収ランキングは以下でまとめています。
その他の公務員の給与はどれくらい?
その他の国家公務員・地方公務員の給与を知りたい方はこちらからどうぞ。
日本の国会議員の給料推移を紹介!
年 | 歳費 | 現在の物価に直すと・・・ |
1960年 | 13万円 | 73万円 |
1965 | 24万円 | 100万円 |
1970 | 40万円 | 127万円 |
1975 | 68万円 | 126万円 |
1980 | 88万円 | 118万円 |
1985 | 102万円 | 120万円 |
1990 | 118万円 | 129万円 |
1995 | 134万円 | 137万円 |
2000 | 137万円 | 138万円 |
2005 | 132万円 | 136万円 |
2015 | 129万円 | 129万円 |
引用:物価の文化史事典(展望社)
上の表は国会の議員報酬(月額)の長期推移を表しています。
物価によって歳費は変わるので現在の物価に直した右側の列に注目すると、1970年から2015年までは130万円前後で推移しており、そこまで大きな変動はないことがわかります。
以上です。
この記事を読んで日本の国会議員の給料についての知識は深まったでしょうか?
政治家の給料が高いと感じた方もいるかもしれませんが、政治家が満足に給料をもらえないと裏金や汚職などの政治とカネ問題にも発展しかねません。国会議員には、ぜひ国民が満足する活躍をしてもらいたいですね。
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