政治献金って何?賄賂とは違う?政治とお金の問題点を解説

国会議事堂

政治とお金にまつわるニュースは、昔から事欠きません。

とくに政治と民間企業・団体との癒着問題は以前から問題視されていましたが、そもそも企業から政治家・政党へ渡す政治献金は、賄賂とは何が違うのでしょうか。

今回は、政治献金に関する現行のルールや問題点など、政治問題を理解する上で知っておきたい基礎知識を分かりやすく解説していきます。

そもそも政治献金って何?

政治家・政党が政治活動のための資金を集める主な方法の1つが個人や企業・団体からの「寄付」。いわゆる政治献金です。

まずは知っておきたい献金にまつわる関係者

まず大前提として、献金をする側と献金を受ける側の主なプレイヤーをご説明します。

【献金をする側】

  • 個人
  • 企業・団体

【献金を受ける側】

  • 政党(支部含む)・・・自民党、民主党、公明党etc
  • 政党資金団体・・・政党が指定した政党の資金を管理する団体
  • 政治家個人
  • 資金管理団体・・・政治家個人が指定した政治家の資金を管理する団体

政治献金には、個人が行う個人献金と企業や団体が行う企業献金の2種類があります。

こうした政治献金方法について規制を定めているのが「政治資金規制法」です。

企業・団体から政治家個人への献金は禁止

個人献金については、政党、政党資金団体、政治家個人、資金管理団体全てへの献金が認められています。(ただし、政治家個人への献金は選挙活動に関するものを除き、金銭・有価証券による寄付は禁止。物品等であれば可能)

政党・政治資金団体には年間2,000万円以内、政治家個人、資金管理団体には、1団体につき年間150万円以内、年間総額1,000万円以内という寄付額上限が定められています。

一方、企業・団体献金については、政党本部・支部または政党が指定した政治資金団体への寄付のみ認められており、政治家個人や資金管理団体への寄付は、企業との癒着を防ぐ目的から一切禁止されています。

政党・政治資金団体への寄付上限は年間750万円〜1億円です。

政治団体は毎年収支報告の義務がある

また、政党や政治家、各資金管理団体等の政治団体は、年間の収入、支出、資産状況を記載した収支報告書を毎年提出することが義務付けられています

個人献金・企業献金については、年間5万円を超えるものに関しては、寄付者の氏名等を記載しなければいけません。

さらに、以下に該当する者からの献金等も一切禁じられています。

  • 一定の補助金を受けている会社からの寄付
  • 3年以上に渡り赤字の会社からの寄付
  • 外国人・外国法人からの寄付
  • 他人名義・匿名の寄付

政治献金が問題視される理由とは?

こうしたルールのもと政治活動に活用されている政治献金ですが、実際には抜け穴が存在すると指摘されています。

企業献金では、政治家個人への献金は禁止されていますが、政党・政党支部等への献金は禁止されていません。

政党・政党支部から政治家個人の資金管理団体へ資金を移動することは可能であるため、政党を通じて政治家個人が献金を受け取ることは実質的に可能であるということです。

こうした状態を端から見ると企業から政治家への賄賂とも思えるかもしれませんが、そもそも賄賂とは、公務員の職務行為の見返りとして報酬を受け取ることを指し、政治献金においても、職務の対価としてお金を受け取ったことが認められなければ賄賂とはなりません。

実質的に賄賂と献金の見分けがつかない現状がありながら、それを取り締まる明確なルールが存在しない点が大きな問題点として残っているのです。

政治と企業のお金にまつわる主な事件

政治資金規制法は1948年に制定されて以来、改正を重ねてきました。

ここでは、世論や法律に影響を与えた大きな政治献金にまつわる主な事件をみていきたいと思います。

ロッキード事件(1976年)

アメリカ・ロッキード社の航空機受発注に際して、日本政界におよそ30億円の資金がばら撒かれた汚職事件。

当時の内閣総理大臣であった田中角栄氏をはじめ、元運輸大臣、全日空・若狭社長、ロッキード社の販売代理店であった丸紅役員、政界の黒幕とも呼ばれた児玉氏、など計16名が起訴される事態に。

田中角栄氏は、受託収賄と外国為替・外国貿易管理法違反の疑いで逮捕されました。

リクルート事件(1988年)

リクルートの創業者・江副浩正氏が、自社の政治・財界的な地位を高める目的で、当時上場を控えていた同グループ・リクルートコスモスの未公開株を政治家に譲渡していた事件。

江副氏は、1989年に贈賄罪で逮捕されました。

株を受け取った政治家には、当時の総理大臣である竹下登氏、宮澤副総理などおよそ90人に渡り、売却益は合計6億円になると言われました。

この事件をきっかけに、政治改革が叫ばれることになります。

ゼネコン汚職事件(1993年)

ゼネコン各社から中央・地方政治界に多額の賄賂が送られていた事件。

各自治体が発注する工事絡みの汚職事件が明らかになり、当時の建設大臣をはじめ、茨城県知事、宮城県知事、仙台市長が現職のまま逮捕される事態に発展しました。

日歯連闇献金事件(2004年)

日本医師連盟が自民党国会議員にヤミ献金をしていることが発覚し、日歯連会長らが政治資金規正法違反の罪で逮捕された事件。

当時支援を決めていた国会議員の後援会へ、政治資金規正法で定める寄付額を超える額の資金を提供した、それを隠すために収支報告書に嘘の記載をしたもの。

日本医師連盟は日本歯科医師会を母体する政治団体であり、政界に対して、診療報酬の引き上げ、歯科医の地位向上などの陳情を行なっていました。

政治とお金のルールは改正がされつつも未だに問題は残る

このような一連の汚職事件を受けて、企業・団体から政治家個人への献金が禁止されたり、国から政治団体への助成金を払う「政党助成法」などが成立されるなど、度々ルールの見直しが行われてきました。

しかし、現状も実質的に企業から政治家個人の献金ができる抜け穴があったり、未だに不透明な資金があるのも事実です。

もし各政治団体が集めた資金をどのように使っているか確認したい方は、総務省HPで収支報告書をみれるのでチェックしてみてください。

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