自民党や共産党の収入源は?最も政治資金を集めている政党はどこ?

政治資金 収入 政党

事務所費、人件費、選挙活動のための広告宣伝代など、、政治には様々な支出がかかります。

そんな中、政治家の活動拠点となる政党は、一体どれくらいのお金をどのように集めているのでしょうか?

今回は、政党本部の収入ランキングや集めたお金の使い道をご紹介していきます!

政党とお金の関係を知ることで、普段の何気ないニュースの見え方が変わってくると思いますよ。

政党本部の収入ランキング!党によって収入源が大きく違う!?

毎年11月末に発表される政治資金収支報告書より、各党本部の総収入とその内訳をみていきます。

※表は横にスクロールできます。(単位:千円)

自民党共産党公明党国民民主党立憲民主党日本維新の会社会民主党
政党交付金17,489,8960712,348981,440844,464374,428379,947
寄付2,797,628600,61383998323,0372,7315,536
事業収入352,50617,329,6778,451,9511,8819,6141,412286,402
党費935,555641,5382,520,15804,013132,648130,193
本部支部交付金01,206,073277,40911,4913,57800
借入金04,90000000
その他4,714,738519,890712,348981,440844,464374,42838,668
合計26,290,32320,302,69112,675,0531,977,2351,729,170885,647840,746

上記を図にしたものが以下になります。

平成30年分政治資金収支報告の概要(総務大臣届出分)

(平成30年分政治資金収支報告の概要(総務大臣届出分)より筆者作成)

政党によって収入源が大きく変わってくることがわかりますね。

政党収入総額の4割を占める政党交付金とは?

自民党や国民民主党、立憲民主党、社会民主党など多くの党で収入の大きな割合を占めているのが、「政党交付金」です。

政党交付金は、政党の総収入のおよそ4割を占め、政党交付金を受け取っていない共産党を除くと、なんと55.7%もの割合を占めています。

政党交付金とは、国から各政党に配布される助成金のことです。

具体的には、人口一人あたり250円をかけて、支給総額が決定します。例えば、1.27億人であれば、250円×1,27億人=317.5億円が政党交付金の総額になります。

これらを政党に所属する国会議員の数、衆議院議員総選挙・参議院議員総選挙の得票数に応じて、各政党に振り分けられます。

つまり、日本の政党の主な活動資金は我々税金で賄われているということですね。

共産党の収入は8割が事業収入!政党交付金が0円なのは何故!?

表をみて疑問に感じた方も多いと思いますが、共産党はこの政党交付金の受け取りを拒否しています!

この理由について、共産党HPでは、以下のような説明をしています。

1、国民には政党を支持する自由も、支持しない自由もあります。政党助成金とは、国民の税金の「山分け」ですから、支持していない政党にも献金することを事実上強制する、「思想及び信条の自由」をふみにじる憲法違反の制度だからです。

2、政党の政治資金は、国民とのむすびつきを通じて、自主的につくるべきものです。税金からの分けどりは、この本来のあり方に根本的に反し、政党の堕落と国民無視の政治を助長する制度だからです。

(日本共産党HP 「日本共産党が政党助成金を受け取らないのはなぜ?」より引用

つまり、政党の支持は個々人の自由に任されているのに、税金で強制的に支持しない政党にお金を渡すのは憲法に違反しているのでは?そもそも政治とお金のあり方に反しているのでは?ということですね。

そんな共産党の主な収入源は事業収入。

事業収入は、政党が開催するパーティーやその他の事業によって得た収益のことです。

例えば、共産党では、「しんぶん赤旗」と呼ばれる新聞の販売などで収益を得ています

政党が集めたお金の使い道は?

このように私たちの税金が政党の大きな収入源になっていることが分かるとどういった使い道をされているのか気になりますよね。

政治資金収支報告書では、各政党の支出内訳も公開されています。

人件費、光熱費、事務所費などの経常経費、及び、組織活動費、選挙関係費、機関紙、宣伝などの事業費用などが掲載されていますが、実際には、政党から政治家の団体にお金が流れたり、政策活動費として党幹部個人にお金を出すこともあります。

その先でどういった使い道をされているかは、収支報告書では分かりません。政治資金の透明化が叫ばれるのはこういった理由からなんですね。

集金力のある党首は誰?政党党首の収入力ランキング!

同じく政治資金収支報告書から、共産党を除く6党党首の政治資金の収入ランキングをみていきます。(本情報は2019年11月発表のものとなります)

順位党首収入額
1自民党・安倍晋三1億4,033万円
2国民民主党・玉木雄一郎5,727万円
3立憲民主党・枝野幸男4,511万円
4公明党・山口那津男1,082万円
5社会民主党・又市征治782万円
6日本維新の会・松井一郎1万円

上記の収入額は、党首が代表を務める政党支部と資金管理団体の合計金額です。

非国会議員である党首(松井一郎・大阪市長)は、資金管理団体のみを対象としています。

このようにみると、安倍晋三氏の収入力が2、3位を大きく引き離し、集金力の差が如実に現れる結果となっています。

安倍氏の資金管理団体「晋和会」では、2018年「安倍晋三後援会朝食会」という政治資金パーティーをANAインターコンチネンタルホテル東京で合計3回開催。

なんと、パーティ3回で合計6,979万円もの資金を集めたといいます。このパーティにかかった費用はおよそ550万円、つまり、6,400万円あまりの政治資金を手にしたということです。

自民党はこうした政治資金パーティの集金に強みを持っており、特定パーティーの収入ランキングでは、1〜5位を自民党派閥が独占する結果になりました。

順位団体・個人名収入
1自民党麻生派(志公会)2億6,144万円
2自民党二階派(志帥会)2億1,745万円
3自民党細田派(清和政策研究会)2億802万円
4自民党岸田派(宏池政策研究会)1億7,322万円
5自民党竹下派(平成研究会)1億4,414万円
6鈴木宗男(21世紀政策研究会)1億2,443万円
7大村秀章(秀成会)1億1,430万円
8遠藤利明(新風会)9,443万円
9宮崎雅夫(宮崎雅夫後援会)9,363万円
10岸田文雄(新政治経済研究会)8,716万円

【補足】幹事長に政調会長、総務会長、一体何が違うの?

政治のニュースをみていると、〜〜幹事長、〜〜政調会長といった役職をよく目にすると思います。

ですが、実はそれぞれの役職の違いや階級を知らない方も多いのではないでしょうか?

幹事長・政調会長・総務会長は、自民党で使われている役職のことで、この3役は特に重要なポストであることから、党三役と呼ばれています。

自民党の総裁は、首相として内閣の仕事に専念するため、その代わりに党のトップとして仕事を任されているのが幹事長です。

政調会長は、多くの党に置かれている政務調査会という部署の会長。政務調査会は、党の政策に関する立案や法案の決定を行う重要な部署です。

政務調査会の下には、外交部会、農林部会、水産部会、環境部会といった様々な部会があり、各部会の政策を取りまとめて、党全体の政策として推し進めていく役割を政調会長が担います。

政務調査会で審議した法案は党の議決機関である総務会で正式に発表します。この総務会の会長が、総務会長となります。

構図としては、総務会長の方が政調会長より偉いと思われがちですが、明確な階級差はありません。総務会は全会一致が慣例のため、党内部の根回しができるベテラン政治家が務めるケースが多いようです。

以上、今回は、政治資金と政党にまつわる内容をご紹介しました。

国民として政治資金の使い道には関心を抱いておきたいところですね。

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