生涯賃金はおよそ3億円というのはよく聞きますよね。
一般的に人が働くのが大卒だと22~65歳の43年間、高卒18~65歳の47年間だと言われています。
生涯賃金は長い期間働いて少しずつ積み上げていくもので、できることならなるべく多くの給与を得たいのはみなさん一緒だと思います。
会社を選ぶ際には短期的に年収だけを見るのではなく、長期的にみて長く働ける会社か、将来にわたってもしっかり給与が受け取れる企業かを見極める必要があります。
今回は、生涯賃金を考える上で隠された数字の罠を解明していきます。
生涯賃金が平均3億円は嘘!?格差バイアスをなくすには中央値を見るべき?
生涯賃金3億円なら平均年収は◯万円!本当に正しいの?
冒頭でも述べたとおり、一般的に大卒の人は43年間、高卒の人は47年間会社に勤めることとなります。
では実際に生涯を通しての平均年収がいくらかと考えてみると、大卒はおよそ700万円、高卒はおよそ630万円となります。
これでは少し高すぎますよね。
となると、やはり生涯賃金が平均で3億円というのが少し怪しくなってきました。
その反面、日本社会でも貧富の差というものは確かにあります。
つまり、生涯賃金10億円の人が1人と生涯年収1億円の人が3名集まって平均をとると、なんと3億2500万円になってしまうのです。
大企業の社長や著名人だと一般の会社員の何倍、何十倍も稼いでいることはよくあるので、こうした人も含めて平均3億円というのは少し強引だったかもしれませんね。
中央値と平均値では何が違うの?
先ほどの平均の計算では、あまりに生涯年収の大きな人と小さな人に引っ張られてしまい、一般の人の生涯年収を推定するには少し不便ということがわかりました。
そこで提案するのは中央値の考え方です。
中央値とは、データの大きな人から小さな人までを順番に並べて、ちょうど真ん中の人の値を取ろう!という考え方です。
生涯賃金の例でいくと、10億円・2億円・0円の3名がいたとすると、生涯賃金の中央値は2億円となります。
これは、10億円の人が1兆円だろうが10兆円だろうが変わらず2億円のままになり、中央から離れた人の数値には影響されない強さがある指標です。
よって自分とはあまりにもかけ離れたデータを加味したくない正味の計算なら、この場合は中央値を考えて見るのがオススメです。
こうして大卒の年収の中央値を均等に配分すると年収が560万円となり、生涯年収としては2億4000万円、高卒では年収が400万円、生涯年収では1億9000万円となります。
こうして見ると、先ほどまでとはだいぶ違って見えてきますよね。
では、これから学歴に関してどのくらいの生涯年収の開きがあるのか見ていきます。
学歴で生涯年収は大きく変わる?大卒・高卒はいくら違う?
大卒と高卒では生涯年収が5000万円も違う!
先ほど、中央値で算出すると大卒では生涯年収が2億4000万円、高卒では1億9000万円となるだろうと解説しました。
つまり、大卒と高卒では一般的には5000万円の生涯年収の開きが出るのです。
もちろん、高卒でも大卒の人よりずっとたくさん稼ぐ人はいますが、。
とはいえ、働いている期間が4年間も長いのに生涯年収で見ると5000万円低くなってしまうという奇妙な逆転が生じているのです。
どうして学歴で生涯年収が変わるの!?学歴社会の理由は?
そもそも大学で培った知識は社会では役に立たないと言われている世の中で、どうして大卒の方が生涯年収が高くなっているのでしょうか。
まず、平均年収の高い企業に入るにはそもそも大卒や大卒見込みでないといけない点があります。
日系企業の多くは、新卒社員にすぐ活躍してもらうよりは将来的に会社の中心になってほしいと考えている場合が多いです。
ですから、しっかり大学受験を突破し、その人が人生で努力を重ねた証として学歴というものを評価しているのではないかと考えられています。
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正規社員と派遣社員でも大きな差が!
正社員だと福利厚生の手当てが出る!月数万円が大きな差に!
今度は正社員と派遣社員ではどういった違いが出るのか算出していきます。
正社員と派遣社員では給与面でも差がありますが、より大きな違いは福利厚生の面です。
正社員には住宅手当や家族手当など平均して月10万円が企業から支給されていると言われています。
一方で、派遣社員の場合はこうした手当てが受けられない、またはわずかである場合が多いので毎月10万円の差が、勤続40年では4800万円もの差に拡大してしまうのです。
給与面での差も合わせると、正社員と派遣社員では5000万円〜1億円ほどの違いが生まれてしまうと言われています。
正社員と派遣社員の差は年々開く!正社員になるための取り組みは早めに始めよう!
正社員と派遣社員の差は若い時にはそれほど感じられません。
ですが年次が上がり出世が絡んでくると、その差はみるみる開いていきます。
後から後悔しないためにも、正社員を目指す方は早めにスキルアップや転職活動に移ることをお勧めします。
まとめ
今回は日本における生涯賃金とは一体どのくらいなのか、学歴や契約形態でどのくらい変わるのかなどを見てきました。
平均寿命が伸びてきて老後の生活の重要性も高まってきているので、働けるうちにしっかり稼いでおくというのは今後ますます重要になってくるはずです。
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