40名規模の税理士法人を承継!代表が目指すこれからの税理士のあり方

ペンデル税理士法人 戸島 潤吏

税理士インタビューシリーズ。今回は、ペンデル税理士法人の代表・戸島先生にお話を伺いました。

税務、コンサル、社労士、医療経営支援、各分野のエキスパートが連携し、幅広いサービスを提供しているペンデル税理士法人。

2017年に代表に就任した戸島先生へ、税理士になった経緯や事務所の強みなど伺ってみました。

ペンデル税理士法人 代表 戸島 潤吏 先生 (写真右)

大原簿記学校を卒業後、24歳の時に税理士資格取得。

2001年にペンデル税理士法人入所。2017年、元代表・下吹越(写真左)より事業承継を行い、代表社員及び所長に就任。

入所16年目、40名規模の税理士事務所の後継者に任命される

インタビュアー:まずは戸島先生が税理士を目指したキッカケを教えてください。

戸島先生:元々は一般企業の経理で働いていたのですが、そこで税理士の先生と触れ合う機会があって、よく食事にも連れていって頂きました。

当時は、私が22歳で先生が30歳前後だったのですが、税理士の仕事の面白さといいますか、この年代で色々な社長と話せる仕事なんでそうないよ、というような税理士の魅力を色々と聞いていたんです。

私は元々商業高校出身で1年くらい大原簿記学校に通っていた時期もあります。そうした経緯もあり、改めて税理士という仕事を目指したいと感じるようになりました。

22歳と遅いスタートになってしまったため、以前お世話になった大原簿記学校の先生に「税理士試験合格に必要な5科目を1年で取得したいです」と相談したところ、「お前が本気ならいいよ」と受け入れて頂くことができました。

最終的には2年かかってしまいましたが、24歳の時に税理士に合格することができました。

インタビュアー:その後、ペンデル税理士法人に入所し、代表に就任するまでの経緯を教えてください。

戸島先生:ペンデル税理士法人に入所したのは2001年なので、もう19年前になりますね。

元々、現グループ会長の下吹越が創業したのですが、会長のご子息ご息女が医者と看護師で別の畑の仕事をしていたので、ペンデルを継続していくために私を後継者として選んでくださいました。入所16年目くらいの話です。

インタビュアー:後継者に任命された時はどういったお気持ちでしたか?

戸島先生:やっぱり重さと言ったら変なんですが、指名された時は「自分にできるかな」と言う思いがありました。

ただ、当時下吹越によく言われていたことがあって。日本人は100メートル走では、桐生さんのように9秒台を出す人もいますが、多くの人が10秒台ですよね。でも、100m×4のリレーになると、37秒台のタイムを出せるんです。

リレーのバトン受け渡しのゾーンは30mあって、100mの内3割くらいは前の走者と次の走者が並走する場所なんですね。

経営の交代というのもリレーと一緒ですぐに交代ではない。自分は25年やってきたからその3割くらいは並走する期間があっても良いのだから、君は君なりやってもらって大丈夫、と言ってくれました。

約40人のグループの代表というプレッシャーはありましたが、そう後押ししてくれたので、会社をもっとよくして、継続していくために頑張ろうと思えました。

RPAの提案まで行う!?ペンデル税理士法人の強みとは?

インタビュアー:ペンデル税理士法人の強みや特徴を教えてください。

戸島先生:一言でいうと、「幅広い業務とお客様に寄り添ったサービス」です。

本業の税務会計では、開業したてのお客様から上場を目指すお客様、上場企業の子会社から個人まで幅広いお客様がいらっしゃいます。

また、弊社グループでは、本業の税務会計に加えて、医業経営支援部というお医者様向けの部署や社労士法人などがあります。

グループ体制を活かして、お医者様の開業支援や医療法人設立、税務申告や補助金や助成金の提案なども手がけています。

最近では、新しい取り組みとしてグループ会社でRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の部署を立ち上げ、内部で上手くいった業務自動化の方法をお客様に提案したりもしています。

中小企業のお客様はまだエクセル管理などアナログな会社もあるので、それを効率化するような提案ですね。

このように税務会計はもちろんのこと、お客様のニーズに合わせて幅広い提案をできるのが事務所の特徴かなと思います。

インタビュアー:RPAの提案なども手がけていらっしゃるのは珍しいですね。

戸島先生:会計事務所でもRPAは浸透しつつありますが、自社の内部作業を自動化する取り組みがメインなので、お客様に提案している事務所は少ないかもしれません。

当事務所では、業務効率化の事例を増やしていけるようにシステムエンジニアを採用してRPAに取り組む体制を整えています。

インタビュアー:新型コロナ前後でお客様からの相談内容に変化はありましたか?

戸島先生:今回のコロナで様々な補助金や助成金が発表されて、内容も都度変わるような状況だったのでどのお客様も初めてでわからないことが多いような状況でした。

印象的なのは、顧問になっていないお客様から「今の顧問税理士が〇〇に対応していないのでやってくれないか」というご相談が増えたことです。

これも幅広く業務を手がけているからこそのご相談なのかなと思いました。

インタビュアー:各専門分野のエキスパートが集まっているからこその強みですね。

戸島先生:あとは、同じ士業同士で様々な情報交換しています。

弊社会長の下吹越が代表をしている株式会社JPコンサルタンツ・グループという会社なのですが、そこでは、税理士事務所・会計事務所・司法書士事務所など色々な士業が集まって、毎月1回色々な経営情報を共有しています。

最近だと、コロナ対応で各事務所がどういったことをしているかというテーマで情報交換を行いました。

各事務所の成功事例を横展開して業界を盛り上げていこうという流れですね。税務会計の最新情報もそうした場からいち早く入手できるという強みもあります。

会社をよくしたいという想いから、クライアントの社長と喧嘩に発展!?

インタビュアー:印象に残ってるお客様とのエピソードがあれば、教えてください。

戸島先生:かれこれ、15年くらい担当させて頂いているお客様の話です。

業績も従業員もどんどん伸びている会社の社長だったのですが、最初はどちらかというと要望が多く、結構対応が大変だったんです。

ただ、色々とやりとりしていく内に業務以外でプライベートでも仲良くなっていって、ある日「格闘技見にいくけど、一緒に行かない?」と誘って頂きました。

完全プライベートなお誘いでしたが、それでもやはり仕事の話が少なからず出てきて、帰りの車でも1時間くらい会社の悩みを聞いていたんです。

その時、社長から戸島さんと話していると、意見交換ができて、悩んでいることに対して自分の思考が整理できるから有難いんだよね」と言って頂き、それが大変嬉しかったのを覚えています。

お客様と一緒に成長し、双方が幸せになるという弊社の理念が実践できていると感じた瞬間でもありました。

後、これは別の話ですが、とある社長さんと喧嘩をしたこともあります。

ちょっとした食い違いからだったのですが、私も本当にその会社を良くしたいという想いもあり「社長こうした方がいいですよ」と主張し、対して社長は「うちは昔からこうなんだ!」と喧嘩になってしまったんです。

当時代表の下吹越に「私を担当から外してください」と懇願するくらいバチバチでした。笑

ただ、そこから社長さんも冷静になり色々考えてくれて、私も言いすぎたなと思う部分もあり和解をして、今となっては一緒に食事やゴルフに行くくらい仲が良いお客様になっています。

本気で言い合ったことで、雨降って地固まるではないですが、ちゃんと会社のことを考えているという気持ちが伝わった気がしました。

インタビュアー:お客様である社長と喧嘩できるって中々できることじゃないですよね。

戸島先生:これは、会長の下吹越の教えでもあるんです。

人間なのでミスしたりすることもある。そこはきちんと謝ろう。でも、会社のことを想っていうことは、喧嘩になっても良いから言いなさいと

お互いを想って喧嘩になるんだったら、それは喧嘩してこいっていう。

なので、当然会社として仕事をしてるので報酬は頂くけれど、「お客様のことを考えて動く」「きちんと伝える」ということは常日頃から忘れないようにしています。

孟子の言葉で、先に義があって後に利益がある「先義後利」っていう言葉があるのですが、まさにその辺は大事にしていますね。

目指すは「よろず相談所」のようにゼロ回答をしない事務所

インタビュアー:様々な事務所がある中で自分に合った税理士を見つけるコツはありますか?

戸島先生:弊社に税理士変更されたお客様からは「最初は値段が安いから選んだんだけど、結局、会計処理して税務申告以上のサービスがなくて・・」というお話よく伺います。

もちろん、なるべく安く、必要最低限のサービスだけを目的とするなら料金で選んでも良いと思います。

ただ、税理士も色々な使い方があると思うので、自分がどんなことを望んでいるかを伝えて、それができるかどうかで判断してもらうのも大切です。

税理士が何をやってくれるのか、初めてでは知らない方も多いと思いますので、税理士にこんなこと聞いちゃいけないかな?こんなことは関係ないだろうな、と絞らずに「こんなことってできるんですかね?」と聞くと良いと思います。

あとは、どうしても人と人なのでフィーリングもありますよね。

モノ・商品であれば価格ドットコムで調べて一番安いところって言うのはアリだと思うのですが、あくまでも人と人とのサービスなので、料金以外の面も比較しながら選んでもらえると良い人に出会えると思います。

インタビュアー:御社の今後の展望を教えてください。

戸島先生:私が業界に入った当初というのは、いわゆる「よろず相談所」のように、税理士になんでも相談する傾向が強かったように思います。

それが、ここ数十年で分業制や効率化、専門特化が進んでいったことで、税理士に対して何でも相談というイメージは薄れてきたのではないかなと思います。

当事務所では、20周年の時にメンバー全員で考えた目標があります。

デパートや百貨店には色々な商品が揃っているので、行けば何でもあるし、気分も上がるような場所だと思うんです。

なので、当事務所はデパートや百貨店のような税理士事務所にしていきたいと考えています。

もちろん、弊社内でできることもあれば、提携先を紹介することもあると思いますが、何はともあれ、弊社を相談窓口にしていただければゼロ回答はしない、ということを将来的に目指しています。

インタビュアー:ありがとうございます。最後に経営者の方へ一言アドバイスをお願いします。

戸島先生:現在は新型コロナの影響で様々な制度がニュース等で発表されていますが、国だけではなく、区役所がやっている制度などをみると意外に隠れた制度というのも存在しています。

例えば、コロナ対策でモノを買ったら出る補助金や販路拡大のために展示会出展したら出る補助金など、様々です。

商売で100万円を稼ぐのは難しいことですが、条件にあった補助金・助成金を上手く活用すれば難しいことではありません。利益で100万円なので、利益率10%と仮定すると売上でいえば、1000万円稼ぐのと一緒です。

経営にも大きな効果があると思いますので、ぜひそうした制度に意識してアンテナを張っておいて頂けると良いかと思います。

弊社では、そうした最新情報をお客様にメルマガやチラシで告知したりもしています。

もし何かしら経営に関する悩みがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談にきてください。

ペンデル税理士法人

所在地:東京都新宿区西新宿6-6-3 新宿国際ビルディング新館6階

電話番号:03-5990-5910

HP:https://www.pendel.jp/

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