「額面では月収は十分あるはずなのに、実際に手元に残るお金は少ない」なんて感じたことはありませんか?
日本では、サラリーマンの場合は額面通りの金額の75%~80%ほどの金額が実際にサラリーマンの手元に入るお金となるのが一般的です。
その背景には、税金や社会保険料などが会社からの給与からあらかじめ引くことで徴収されているからなのです。
そのため月収30万の仕事をしていても、毎月家計に入ってくる金額は当然30万円よりは少なくなってしまうのです。
今回は、月収30万円のサラリーマンが税金や社会保険料を差し引いた結果、どのくらいお金を受け取ることができるのかを解説していきます!
額面30万円の手取りはいくら?税金・社会保険料の計算方法
①まずは年収を計算する
今回は計算をしやすくするため、賞与やボーナスはなく月収は月給と同額の30万円であると仮定しておきます。
すると、年収は
月給30万円×12ヶ月=年収360万円
となります。
税金関係は年単位での計算となるので、月額の手取りを知る上でも年間にいくら給与が支払われているかを知る必要があるのです。
②控除額を算出する
年収がわかったら、それを元に給与所得控除額を調べていきます。
収入金額 | 控除額 |
〜180万円 | 収入×40% |
180万円〜360万円 | 収入の30%+18万円 |
360万円〜660万円 | 収入の20%+54万円 |
660万円〜1000万円 | 収入の10%+120万円 |
1000万円〜 | 220万円 |
つまり、年収360万円の場合には控除額は、
360万円×30%+18万円=126万円
となるのです。
③社会保険料(厚生年金・健康保険料)を計算する
社会保険料はおおよそ収入の14%ほどなので、年間だとだいたい360万円×14%=54万円を納めることとなります。
具体的には国民年金保険料、厚生年金保険料、健康保険、雇用保険などがあります。
社会保険料の料率や金額は勤めている会社や地域によっても違うので目安として考えてください。
ただ大半の人の社会保険料負担はこの水準とそう変わらないと思います。
④基礎控除を確認する
基礎控除は会社員だけでなく所得がある人すべてが受けられる控除です。
基礎控除の額は収入に関わらず一定となります。
所得税の基礎控除:38万円
住民税の基礎控除:33万円
⑤課税所得を計算する
ここまで、給与所得控除・社会保険料・基礎控除を確認してきました。
次に課税対象となる所得をそれぞれ計算していきます。
所得税の場合には、
課税所得=360万円−(基礎控除38万円+給与所得控除126万円+社会保険料54万円)=142万円
住民税の場合は、
課税所得=360万円−(基礎控除33万円+給与所得控除126万円+社会保険料54万円)=147万円
が課税所得となります。
⑥所得税と住民税(都道府県民税+市町村民税)をそれぞれ計算する
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
〜195万円 | 5% | 0円 |
195万円〜330万円 | 10% | 9万7500円 |
330万円〜695万円 | 20% | 42万7500円 |
695万円〜900万円 | 23% | 63万6000円 |
900万円〜1800万円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円〜4000万円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円〜 | 45% | 479万6000円 |
年収360万円の場合は、税率が5%になるので、
課税所得142万円×5%=7.1万円
が所得税となります。
一方、住民税は所得税とは違い累進税率ではなく所得割と均等割の2つの部分に分かれていまず。
所得割の部分は基本的に全国一律で10%です。
均等割も基本的に5000円前後です。
これは自治体によって税率や金額が少しに違うので詳しい数字を知りたい場合は地元自治体のホームページで確認してください。
よって、
住民税額=147万円×10%+5000円=15万2000円
となります。
よって所得税額と住民税額を合わせると、7.1万円+15.2万円=22.3万円が徴収されます。
⑦いよいよ30万円の手取り額を計算!
準備が整ったので、本題の手取りで月額いくらもらえるのかを計算してみます。
360万円−(社会保険料54万円+所得税・住民税22.3万円)÷12ヶ月≒23万円
となります。
もちろん家族構成などで受けられる控除が増えたり減ったりもしますが、概ね額面の8割ほどというのが改めて確認できると思います。
年収360万円・毎月手取り23万円の生活レベル(最適家賃・支出内訳)は?
月々の手取りが23万円くらいとわかったところで、生活水準がどのくらいかを考えていきます。
最適家賃は手取りの3分の1くらいが目安とされているので、およそ7~8万円が適切な水準かと思われます。
一人暮らしと仮定して、食費が3万円、電気・ガス・水道などのライフラインが1万円、通信費が1万円、保険料5000円とすると、10万円くらいは自由に使えるのではないかと思います。
一人暮らしの場合は手取り23万円でもかなりゆとりのある生活をできますが、夫婦二人暮らしなどの場合は共働きをする必要がある場合も多そうです。
まとめ
今回は月収30万円が手取りだといくらになるのかを検証してみました!
もちろん家族構成やボーナスなどの有無によって細かな計算は変わってきますが、概ね額面の8割と考えておくと良いでしょう。
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