新型コロナウイルス禍でフィッシング詐欺が増加しています。
フィッシングメールやフィッシングサイトなど、本物と見分けがつかない形で私たちの個人情報を抜き取るフィッシング詐欺。
万が一、こうした詐欺被害にあった場合に、銀行やクレジットカード会社は被害額を補償してくれるのでしょうか。
今回は、フィッシング詐欺に関する現状や補償の有無、詐欺メールの見分け方など、日頃の生活で覚えておきたいポイントをまとめました。
ネット通販利用者を狙ったフィッシング詐欺被害が横行!?
フィッシング詐欺に関する相談などを受けるフィッシング対策 協議会によると、2020年1月〜6月のフィッシング詐欺の報告件数は、66,655件で2019年の5万5,787件をわずか半年で上回る結果になりました。
さらに、6月の件数は、1ヶ月の報告件数で過去最大を記録。
新型コロナウイルスによって、ネット通販利用者が増えた状況を狙っていることが背景に挙げられています。
また、クレジットカードの不正利用も高止まりが続いています。
2019年の不正利用による被害額は222億円で過去最多に、2020年1〜3月の被害額は約49億円と前年比で1割減であるもの、高い数字が依然継続されています。
フィッシング詐欺で不正利用が発覚!騙されたお金は戻ってくる?
フィッシングをはじめとするネット詐欺でとられたお金は手元に戻ってくるのでしょうか。
銀行口座からお金を引き出された場合
銀行口座やネットバンキングの口座番号・暗証番号などを入力してしまったことで、お金を引き出されてしまった場合は、「預貯金者保護法」及び全国銀行協会の「預金等の不正な払戻しへの対応について」という申し合わせに基づき、原則補償が受けられます。
ただし、補償を受けるためにはいくつかの条件があります。
- 被害にあった日から30日後までに金融機関に通知を行わなければいけない
- 自身に重大な過失が遭った場合
まず、被害から30日以内の申し出が必要です。
中には、毎月引き出されていたことに気付かなかったという方もいますので、日頃から残高照会などをしておくことをおすすめします。
次に重大な過失が遭った場合というのは、明確な基準はありません。
全国銀行協会HPによると、インターネットバンキング被害の過失を定型化することが難しいため、被害者の個別事情に応じて判断をするとしています。
なお、通帳が盗難されたことにより詐欺被害のケースの場合、通帳を第三者に安易に奪われる状態に置いていたり、印章と通帳をともに他していたケースでは、75%補償。他人に通帳を渡したなどの場合には補償はしないと定められています。
クレジットカードを不正利用された場合
原則、お使いのクレジットカードのセキュリティや付帯保険によりますが、フィッシング詐欺などのネット不正利用を対象としたオンライン不正保険や、紛失・盗難保険(オンラインが対象になるかは各サイトによって異なりますので確認してください。)によって損失は補償されるケースが多いです。
ただし、大半のクレジットカード会社では、被害が発生してから60日以内にクレジットカード会社へ通知をしないと補償対象となりません。
最近のネット詐欺では、カードの不正利用が利用者にバレないように月額500円などの少額利用をしている事例も数多くあります。
常日頃から、利用明細書をチェックするなどして不正利用に敏感になっておく必要がありそうですね。
また、クレジットカードの裏面に署名がない、暗証番号を初期設定のままにしている、などの場合は、顧客の過失により補償対象外となることもありますので、注意してください。
フィッシング詐欺に引っかからないためのチェックポイント
金融機関やクレジットカード会社をはじめ、Amazon、Apple、その他EC事業者等に紛して様々な手口で個人情報を入手しようとするフィッシング詐欺。
とくに多いのが、著名ブランドを偽ったメールから偽サイトに誘導し、情報を抜き取るというもの。
ここでは、フィッシングメールに引っかからないためのポイントを解説します。
①:緊急、重要、セキュリティなどを強調し、個人情報入力を求めてこないか
基本的にメールの差出人は詐称することができるため、差出人だけをみて真偽を判断することはできません。
フィッシングメールの特徴としては、「緊急」「重要」「セキュリティ」「安全性」といったワードを強調し、情報更新や入力を求めるリンクへ誘導をする点です。
例えば、以下はauじぶん銀行と称したフィッシングメールの一例です。
(フィッシング対策協議会より引用)
原則、金融機関等をはじめ、顧客のクレジットカード番号や口座番号、暗証番号などをメールで確認することはありません。
個人情報の入力を要求する文があれば、フィッシングメールと疑ってください。
②:日本語におかしいところはないか
フィッシングメールの中には、海外の詐欺業者が発信しているものも少なくありません。
最近では、昔に比べて明らかに変だと感じる文章は少なくなってきたものの、翻訳ツールなどを使っている影響か、よく文章を読むと、文章の接続がおかしいことがあります。
③:怪しい時は、メール件名や本文をコピペ検索
近年のフィッシングメールやフィッシングサイトはほとんど本物と見分けがつかないようなものが多々あります。
そのような時は、メールの件名や本文をコピペしてネット検索をしてください。
公式サイトなどで公表されているか確認するのはもちろん、もし詐欺メールだった場合には他の被害者が注意喚起しているケースもあるので参考になると思います。
フィッシング詐欺に関する相談窓口
フィッシング詐欺にあったかも?と思ったら、各金融機関、クレジットカード会社に連絡するとともに、以下の相談窓口にも連絡をとり、どのような対応をするべきか相談してみてください。
サイバー犯罪相談窓口では、フィッシングに関する相談に対応しています。
フィッシングしているサイトを見つけた、フィッシングと思われるメールがきた、フィッシングの被害を受けたかも、という場合に活用できます。
なお、具体的に被害がある場合は最寄りの警察署に問い合わせしてみてください。
フィッシング詐欺対策、2段階認証は必ず設定するようにしよう
どれだけ注意をしていてもフィッシング詐欺に騙されてしまうケースはあるかもしれません。
そのような時に備えて、銀行やクレジットカードのマイページには必ず2段階認証を設定するようにしてください。
口座番号やID、パスワードを不正入手した詐欺師は、あなたの情報を使ってネットバンキング等のマイページにログインしようとします。
ログインの記憶がないのに2段階認証のメールが送られてきたら、ログインを拒否してパスワード変更等の手続きを行なってください。
ネット通販やオンラインバンキングが当たり前昨今、こうした詐欺被害に注意して楽しいネット生活を送りたいものですね。
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