これから就職を考えている人や現在会社勤めの人は何歳まで働くつもりですか?
日本には定年制度があり、現状では多くの人は65歳を目処に会社を退職することが一般的です。
しかし、最近では少子高齢化の進行やそれに伴う人手不足を背景として、高齢者の雇用を継続しようという動きが出てきています。
そんな中で今週には安倍首相から定年を70歳に引き上げる方針も発表されました。
今回は今回の法改正案の概要や定年の引き上げによるメリット・デメリットを解説していきます!
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定年が70歳まで引き上げられる?今回の法改正案の目的とは!?
今回の定年引き上げに関する概要を紹介
安倍首相は10月22日に自らが議長を務めている未来投資会議において、企業の継続雇用年数を現状の65歳から70歳へ引き上げるとの方針を発表しました。
もちろんこの発言で定年年齢の引き上げが確定したわけではありませんが、政府としては2020年の通常国会において関連法案を提出することを検討しているようです。
そもそも定年制度の歴史って!?昔は55歳だった?
今ではかなり当たり前になってきている定年制度ですが、かつてはそもそも制度自体がなかったり、今よりずっと低い年齢に設定されている時期もありました。
日本で初めて定年が定められたのは1887年の海軍火薬製造所で、当時は55歳に設定されていましたが、実際にこの制度が民間へ普及したのは昭和初期の頃でした。
大正バブル期まではあくまで退職補助金という形で労働者に自発的な退職を勧めるに留まっていましたが、1919年には実質的に定年を60歳に定めました。
さらに21世紀に入るとさらなる少子高齢化や団塊世代の存在から、2004年に65歳までの継続雇用の義務化が施行されています。
今回の改正案の背景とは?
これまでも日本における定年の引き上げは何度も行われてきましたが、そもそも定年制度は終身雇用と年功序列という日本企業の体質を維持する上で欠かせないものでした。
つまり、「新卒で一括採用しすることにより、同じ年齢層の社員が固まってしまうので、同時に社員を退職させたい」「年次が高くなるごとに年収が上がるので、高齢層がなかなか自分からは退社しない」という日本企業に伴う問題を解消するのが定年制度でした。
逆に言えば、定年制度が普及したからこそ、多くの企業で終身雇用や年功序列を貫くことができたのですね。
しかし、近年では少子高齢化や労働力不足のため元気な高齢者にはもっと働いてもらいたいという需要が高まっています。
加えて年金制度の行き詰まりから、高齢者の労働継続によって年金受給年齢を引き上げるという意図もあるようです。
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定年延長のメリットとデメリットは!?
ではこうした定年の引き上げにはどういったメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
定年引き上げによるメリットには以下の3つがあるとされています。
- 高齢者の貧困問題が解消できる
- 高齢者に生きがいが生まれる
- 優秀な人材を長く会社に置いておける
まず一つ目の高齢者の貧困問題について。
最近では年金支給額の減少などにより、定年後の高齢者の中には年金だけでは生活がままならないといった家庭も多くあります。
元気であれば再就職し生活を支えたいと考えていても、従来の定年ではなかなか再就職先を見つけることは困難でした。
しかし定年が引き上げられれば、まだまだ働ける高齢者は自分で稼いで、経済的に苦労をすることも少なくなります。
次に高齢者の生きがいについて。
最近の高齢者は一昔前に比べて元気でまだまだ活発な人が多いですよね。
実際に65歳以上の高齢者の中にはまだまだ体力に自信があるから継続して働きたいという人も多いようです。
こうした高齢者にとっての生きがいを与える上でも、定年の引き上げは有効にはたらきます。
一方で、企業側から見ても定年の引き上げにはメリットがあります。
まず、優秀な人材を長く会社に置いておけるということです。
長年にわたる出世競争を勝ち抜いてきたベテランであれば、体力は若手に劣ってはいても、経験では大きなアドバンテージがあります。
こうした人材をより長く雇用していられるのは大きなメリットです。
デメリット
では反対に定年引き上げのデメリットはどういった点なのでしょう?
- 社員全体の高齢化が進む
- 健康面での不安
まずは会社全体の高齢化が進むということです。
もちろん技術や知識を持ったベテランが会社に残ることは会社に大きな利益をもたらす一方で、短期的な目標ばかりを追求してしまうと、若手の人材育成が滞ってしまったり、会社としての柔軟性を失ってしまうという悪影響も考えられます。
また高齢者は当然ですが若手よりも健康面での不安がつきものですので、”大事な時に担当社員が病気でいない”なんてことも起こり得ます。
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おわりに
今回は定年が70歳に引き上げられるのではないかという発言に合わせて、定年引き上げのメリットやデメリットをご紹介してきました。
もちろんいいところばかりの法改正ではありませんが、デメリットの部分を政府がどのように解消するのか、緩和するのかは楽しみみですね。
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