年収1500万円の会社員・サラリーマンの手取り額や生活水準をご紹介します。
年収1500万円というと、労働人口の上位1.19%に分類されます。(2017年 国税庁「民間給与実態統計調査」から計算)
「年収1500万円だと、どんな暮らしが出来るんだろう?」「年収1500万円だと手元に残る金額は具体的にいくらなの?」と気になっている方は、ぜひ本記事をご参考にしてください。
手取り金額は、具体的な所得税・住民税の計算方法と共にご説明します。
また、年収1500万円の生活水準は、独身の場合、夫婦二人暮らしの場合、夫婦と子供一人の三人家族の場合で、世帯状況別にシミュレーションしてみました。
シチュエーション別の最適な家賃の金額もまとめましたので、具体的な年収1500万円の暮らしのイメージを膨らましながら読んでみてください。
年収1500万円の手取り金額はいくら?
結論からお話すると、年収1500万円の手取り金額は、「約996万円」です。月の手取りに置き換えると、「約83万円」となります。
それでは、具体的な計算方法をみていきましょう。
所得税はいくらかかる?
所得税は以下の式で計算されます。
《所得税の計算式》
所得税=課税所得×所得税率-所得税控除額
まず、課税所得を求めます。
年収から控除される所得控除額は、
基礎控除38万円+給与所得控除220万円+社会保険料控除216万円=474万円
(基礎控除は38万円で一定、給与所得控除は年収1000万円以上の場合は220万円、社会保険料控除については後述)
所得控除額が474万円なので年収1500万円の場合の課税所得は、1500万円-474万円=1026万円となります。
社会保険料控除について(補足)
社会保険料の種類 | 本人負担の保険料率 |
厚生年金 | 9.15% |
健康保険 | 4.95% |
雇用保険 | 0.30% |
合計 | 14.40 |
社会保険料は、自分で支払った金額分がそのまま税額控除の対象になります。
社会保険料の料率や金額はお勤め先の会社、地域によっても変わりますが、14.40%が目安となっているので、年収が1500万円の場合には、控除額も1500万円×0.144=216万円が目安となります。
所得控除・税額控除の金額を出したので、次に所得税の金額を算出してみます。
下の表のように所得税は超過累進課税方式ですので、課税所得金額によって税率と控除額も異なります。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
年収が1500万円の場合の課税所得は1026万円で、上の表より税率は33%で控除額は153.6万円になります。
一番上の式にあてはめて所得税を計算してみると次のようになります。
《年収1500万円の場合にかかる所得税》
所得税: 課税所得1026万円×0.33-控除額153.6万円=184.98万円
住民税はいくら?
住民税は、所得割と均等割の2つの部分に分かれています。
基本的に、所得割は課税所得に対して10%、均等割は5000円前後になっています。地域によって税率、税額は少しづつ異なるので、詳しい税額が知りたい方は地元自治体のホームページで確認してください。
ここで住民税に関する内部リンクを貼る
年収1500万円の課税所得は1026万円であるので、住民税は以下のようになります。
《年収1500万円の住民税の金額》
住民税:課税所得1026万円×0.1(所得割)+5000円(均等割)=103.1万円
年収1500万円の手取りを計算!
上記から、年収1500万円の方の所得税・住民税の合計は184.98万円+103.1万円=288.08万円となっています。
ここでは手取り(実際に給与口座に振り込まれる金額)の計算をしてみます。
手取り金額は額面の給料から所得税・住民税と上述した社会保険料などを引いて求められます。
《年収1500万円の手取り額の計算式》
年収1500万円の手取り:1500万円-所得税・住民税288.08万円-社会保険料216万円=995.92万円
年収を1500万円稼いだら自由に使えるお金は、996万円ほどになるのですね。
計算してみると、これは年収の約3分の2に当たります。
年収1500万円の人の生活水準は?最適家賃はいくら?
日本では所得税に超過累進課税方式を取っているので、同じ年収1500万円でも共働きで年収900万円と600万円ずつの方が、一人で年収1500万円の場合よりも手取りの額は大きくなります。
また、同じ年収1500万円以上といっても世帯状況によって生活水準は大きく変わるので、ここでは、年収1500万円で一人暮らし、夫婦二人暮らし、夫婦と子供1人の場合でシミュレーションしてみます。
シミュレーションでは、支出が手取りの996万円を12で割った金額である83万円になるように生活費を割り振りました。
独身の場合
食費 | 8.0万円 |
住居費 | 23.2万円 |
水道光熱費 | 1.4万円 |
通信費 | 1.4万円 |
保険料 | 1.4万円 |
趣味・娯楽費・交際費 | 12.5万円 |
日用雑費 | 2.2万円 |
貯蓄 | 24.3万円 |
その他 | 8.6万円 |
計 | 83.0万円 |
独身で一人暮らしの場合には、月の収入83万円を全て自分のために使えるため、住居費、趣味・娯楽費・交際費で贅沢ができるほか、贅沢をしてもお金に困ることはまずないでしょう。
住居費で23万円を使えるなら、都内でも1LDKのタワーマンションまたは2LDKのマンションに住めます。
また、毎月24万円の貯蓄をしても、1~2月に1回は海外旅行に行くことができるでしょう。
趣味に関しても毎月12万円以上を使えるので、お金がないからできない趣味はほどんどないでしょう。
夫婦二人暮らしの場合
食費 | 10.8万 |
住居費 | 23.8万 |
水道光熱費 | 1.9万 |
通信費 | 2.0万 |
保険料 | 1.9万 |
趣味・娯楽費・交際費 | 10.4万 |
日用雑費 | 2.9万 |
貯蓄 | 18.9万 |
その他 | 10.4万 |
計 | 83.0万 |
夫婦二人暮らしの場合には、一人暮らしに比べて一人あたりに使える費用は減りますが、年収が1500万円あれば夫婦二人で贅沢な暮らしができます。
住居費に約24万円使えるのならば、都内の通勤圏の2LDKまたは3LDKのマンションに住めます。
また、夫婦で月に一回は国内旅行に行けるでしょう。
夫婦二人と子供一人の場合
食費 | 12.1万 |
住居費 | 24.9万 |
水道光熱費 | 2.3万 |
通信費 | 2.6万 |
保険料 | 2.6万 |
趣味・娯楽費・交際費 | 5.8万 |
養育費・教育費 | 10.8万 |
貯蓄 | 7.8万 |
その他(日用雑費含む) | 14.1万 |
計 | 83.0万 |
配偶者に加えて子供がいる場合には、生活費がそれぞれの要素で少しづつ増えるだけではなく、養育費・教育費にも費用を割く必要が出てきます。
また、子供によって増えた費用は貯蓄と趣味・娯楽・交際費の合計を二人暮らしのときより15万円ほど減らすことによって賄う必要があります。
1500万円は非常に高い年収ですが、都心部で子育てをしながら生活をする場合には、贅沢を控えなければいけない場面も出てくるでしょう。
最適家賃はいくら?
最適家賃は手取りの3割ほどと言われています。
具体的には、年収が1500万円ある場合には表にあるように25万円ぐらいが適正家賃なのではないかと考えます。
しかし、年収が高ければ高いほど、家賃の比率を上げても他の支出を圧迫することが少なくなるので、年収を1500万円稼いでいる人は自分たちの置かれている状況によって臨機応変に考えてもかまわないでしょう。
また、世帯人数が増えるとより広い家が必要になるため、場所は変えずに家賃を増やして他の支出を減らすか、世帯人数が少ないときに比べて郊外に住む必要があるでしょう。
おわりに
今回は年収1500万円の手取りと生活水準について説明しました。
年収1500万円の場合には手取りが約996万円であり、都内在住でも贅沢な暮らしができることが分かりました。
しかし、独身か配偶者がいるか、また子持ちかどうかによって、同じ年収1500万円でも自由に使えるお金は異なります。
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