消費税の仕組みを解説・増税で軽減税率が適用される品目は?

専業主婦

スーパーで買い物をするときなど、誰もが日常的に支払っている税金が消費税です。

でも消費税の仕組みを知っているという人は意外と少ないのではないでしょうか?

また、2019年に消費税は10%に増税される予定になっています。

日本では初めての軽減税率も導入されることになっているので、この機会にぜひ消費税について学んでみましょう。

この記事では消費税の仕組みと増税の影響、軽減税率ついてまとめました。

消費税の計算方法とその仕組み

現在の消費税の税率は8%です。

計算方法は以下のようになります。

消費税 = 商品価格(税抜) × 8%

日本に住んでいれば誰でも知っていることだと思います。

消費税はどうやって納められている?

消費税の仕組みには一つ大事な要素があります。

それは消費税を負担するのは商品の最終消費者だということです。

でも私たちは税務署に行って消費税を納めるとういうことはしてないですよね。

消費税は販売者が代わりに徴収して国に納める仕組みになっています。

製品が私たちの手元に届くまで、大抵は生産者→卸売業者(問屋)→小売業→消費者のような流通過程をたどります。

ではその過程で消費税はどのような処理がなされているのでしょうか?

下の表が分かりやすいです。

流通過程での消費税の納付の流れ

消費税

参照:国税庁ホームページ「暮らしの税情報」より

製造業者から卸売業者へと商品が流通していく過程で卸売業者は仮払いの消費税として、前もって消費税に相当する金額を製造業者に支払うことになります。

同様な方法で小売業者に商品が渡り、最終的に小売業者は支払った分の消費税に自分の負担分を上乗せして消費者に請求する形になります。

生産者、卸売業者、小売業者はそれぞれ仕入れ価格に対して上乗せした分の消費税を国に納めているのですね。

売り上げ一千万円以下ならば消費税は払わなくてもいい!

事業を行っている会社や個人事業主の場合、課税売上高が一千万円以下ならば消費税の納付を免除されることを知っていましたか?

それらの事業者は消費者に販売するときに消費税を貰っていても国に納める必要はないんです。

売上高と課税の関係(平成28年基準)

消費税2

参照:国税庁のホームページ「暮らしの税情報」より

こういう仕組みになっているのは売上が小さい事業主や会社はまだ体力がないので、納税の手間や負担を減らす一種の優遇措置になっているのですね。

小さな商売をしようと思っている人は覚えておくとどこかで役に立つかもしれませんね。

2019年に消費税は10%に!軽減税率も始まる

知っていましたか?2019年10月に消費税は10%に上がる予定になっています。

10%に上がると消費税の計算方法は以下のようになります。

消費税 = 商品価格(税抜) × 10% 

消費税が10%に上がるとどんなことが変わるのでしょうか?

消費税の配分が変わる

消費税は国の予算に充てられる部分と都道府県に充てられる部分があります。

消費税が10%に上がると以下のように配分されることになります。

 現在平成31年10月1日~
消費税(国税部分)6.3%7.8%
地方消費税(地方税部分)1.7%2.2%
合計8%10%

消費税の使い道が変わる

消費税が8%に増税したときは、増税分は借金である国債の返済に回されていました。

10%に増税するときもその予定でしたが、幼稚園保育園の無料化や私立を含めた高校教育の無料化に充てられることに変更されることになりました。

ただ正式に決定したわけではないので、今後の動向に注意が必要です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

消費税増税で2019年10%に!衆議院選挙で延期の可能性も?

軽減税率が始まる!

消費税が10%に引き上げられる際、8%のままに据え置かれる品目が存在します。

日本で初めて軽減税率が導入されることになりました。

2品目が軽減税率の対象になる予定です。

どんな品目が軽減税率の対象になっているか見てみましょう。

軽減税率1:飲食料品(酒類・外食を除く)

軽減税率が適用されるものの一つ目は食料品です。

食べ物と飲み物は生きていく上で必要不可欠なものです。

特に低所得者にとっては支出に占める食料品の割合が高いので値上げは大きな負担になります。

国民の負担を増やさないためにもこうしたものは増税されないことになります。

ただ、飲食料品と言っても様々な規定があります。

青色のついた部分が対象の範囲

軽減税率

引用:政府広報オンライン「軽減税率制度特設ページ」

外食は軽減税率の対象ではありません。

一方でテイクアウトなら軽減税率が適用されます。

とても紛らわしいですね。

軽減税率2:新聞(週二回以上発行されるもの)

適用される二つ目の品目は新聞です。

新聞に軽減税率が適用される理由は次のように説明されています。

ニュースや知識を得るための負担を減らすためだ。新聞界は購読料金に対して軽減税率を求めている。読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠だと考えている。(一般社団法人日本新聞協会)

ヨーロッパの多くの国でも新聞には軽減税率が導入されているそうです。

欧米ではどうなっている?

日本で初めて導入される軽減税率ですが、消費税の水準が元々高いヨーロッパの国々ではかなり前から導入されていて、その品目も多岐に渡っています。

 消費税率(付加価値税率)の高いヨーロッパ諸国

欧米比較

引用:国税庁ホームページ「税の学習コーナー」

ヨーロッパの軽減税率

軽減税率2

引用:三菱UFJ信託銀行レポート「日本の消費税増税とグローバル比較」

ドイツやフランスなどヨーロッパの消費税率は軒並み20%前後と日本に比べかなり高くなっています。

その一方で幅広く軽減税率が適用されています。

例えばフランスだと標準税率 20%に対して旅客輸送、肥料、宿泊施設の利用、外 食サービス等が 10%、書籍、食料品等が 5.5%、新聞、雑誌、医薬品等が 2.1%になっています。

イギリスやスウェーデンにはゼロ税率の品目もあります。

そもそも消費税とは何か?

そもそも消費税ってどんなものなのでしょう?

消費税についての基礎的な知識をまとめました。

消費税の特徴

消費税は全てのモノ・サービスを消費するときに課される税金です。

みなさんがコンビニで物を買うとき、ホテルに泊まるとき、ゲーム内でガチャを回すときなど生活の様々な場面で消費税がかかっています。

給料の額によって税率が変わる所得税などとは違って、税率は一律で全ての国民に公平な負担を求めている点に特徴があります。

消費税の重要性と使い道

消費税は国にとって大事な収入源です。

平成29年度の国の予算を見てください。

消費税の税収は約17.1兆円、予算の17.6%を占め主要な財源だということが分かります。

平成29年度一般会計歳入総額と内訳

歳入総額

平成29年度一般会計歳出総額とその内訳

財政支出

引用:財務省の資料より

また、皆さんが払った消費税8%全部が国のところに行くのではなく、8%の内6.3%が国、1.7%が地元の自治体に納められています。

平成29年度に地方自治体に納められる消費税額は約4.6兆円になっています

10パーセントに増税後はより重要な収入源になることでしょう。

変わって消費税の使い道を見てみると、国の支出の内訳トップ3はそれぞれ社会保障費、地方交付税交付金、債務償還費になっています。

みなさんの払った消費税もこのうちのどこかに充てられている可能性が高いですね。

消費税の歴史

消費税はいつから始まったのか知っていますか?

実はそんなに古いものではないんです。

日本で消費税が最初に導入されたのは1989(平成元年)41日です。

その時の税率は3%で時の首相は竹下登、タレントのDAIGOの祖父としても有名ですよね。

以前は「物品税」としてぜいたく品にだけ課税されていました。

その後3%から5%にアップしたのが1997年の橋本首相の時でした。

そして今の8%にアップしたのが2014年の安倍首相の時代です。

まとめ

消費税についてまとめました。

身近な税金だからこそ、その仕組みとどう変わっていくのかをちゃんと押さえておきたいものですね。

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