男性の育児参加を促すために始まった、パパ・ママ育休プラス制度をご存知ですか?うまく利用することができれば、育休を延長して、ママの育児の負担を減らすことができます。
パパ・ママ育休プラス制度がどんな制度なのか?取得のパターン、育児休業給付金という助成金について、の延長は可能なのか?など詳しくご紹介します!
そもそもパパ・ママ育休プラス制度って何?
パパ・ママ育休制度は、母親だけでなく父親も育児休暇を取得する場合、1年間だった育児休業期間を2か月延長し、子供が1歳2か月になるまで取得できるというものです。
通常の育児休業は子供が1歳の誕生日を迎える前日までの1年間です。
しかし、父親が育児休業を取ることによって、夫婦の育児休業期間の合計が子供が1歳まで→1歳2か月までに期間が延長されるという制度です。
パパ・ママ育休プラス制度は、父親の育児休暇取得を促す目的で、2010年にスタートしました。
この制度では、夫婦で同じ時期に育児休業をとる場合だけでなく、交代で育児休業を取ることもできるのが良いですね。
パパ・ママ育休プラス制度のポイント
①:パパママが取れる育児休業の期間はそれぞれ1年間のまま
先ほどパパ・ママ育休プラスによって育児休業の期間が1歳2か月まで延長できると説明しました。
しかし、夫婦それぞれが取得できる育児休業の期間は、原則的に1年間までとなっています。(母親の場合、産後8週間の産休を含める)
つまり、夫婦で1年2か月育児休業をとれるわけではなく、母親と父親それぞれが持つ1年の育児休業期間を夫婦で振り分けできるということです。ここでは子供の1歳の誕生日の前日を、1歳到達日とすることに注意が必要です。
②:育休期間はパパママで被ってもOK
両親がともに育児休業を取得すると決めたら、どのような取得パターンが自分たちに合っているのか検討しましょう。
主な取得パターンとしては以下のようなものが考えられます。
子供の出生日が2019年10月10日とします。
- ①:母親の職場復帰と入れ替わりで父親が育休をとる。
母親が1年間育児休業を取り、2020年10月9日から職場復帰する。母親の職場復帰と入れ替わりで、父親が2020年10月10日から2か月間の育児休業を取る。
この場合、父親が母親と入れ替わりで育休をとることで、母親が安心して職場復帰することができるといったメリットがあります。
しかし、父親と母親が入れ替わりで育休をとるので、父親が母親に育児を教えてもらったり、育児を協力して行う時間が少なくなってしまうというデメリットがあります。
- ②:父親が母親の職場復帰前から育休をとる
母親が1年間育児休業を取り、2020年10月9日から職場復帰する。母親の職場復帰の2か月前、2020年18月10日から父親が3か月間の育児休業を取る。
パパ・ママ育休プラスでは、子供が1歳2か月になる以前であれば、両親の育休の時期が重なっていてもかまいません。
ですので、母親の職場復帰の前から父親が育休に入ることのメリットは父親が育児に慣れる期間ができることです。
父親だけで育児をするとなったとき、いきなり1人で育児をするのは大変です。
母親と協力して育児をする期間が確保されることで、父親がスムーズに育休に入ることができますね。
パパ・ママ育休プラスの取得条件と申請手続き
取得条件
パパ・ママ育休プラス制度には下記のような条件があります。
【パパ・ママ育休プラス制度の取得条件】
- 両親がともに育児休業を取得すること
- 配偶者(母親)が子供の1歳到達日以前において育児休業していること
- 父親の育児休業開始予定日が子供の1歳の誕生日以前であること
- 父親の育児休業開始予定日が、母親がしている育児休業の初日以降であること
父親の育児休業開始予定日が子供の1歳の誕生日を1日でも過ぎてしまうと、パパ・ママ育休プラスが適用できなくなりますので注意してください。
なおパパ・ママ育休プラス制度は戸籍上の夫婦だけでなく、事実婚のカップルにも適用されます。
入社年数と雇用期間には注意!
パパ・ママ育休プラスが適用される条件をご紹介しましたが、適用できない場合もあります。
以下のケースの場合、残念ながらパパ・ママ育休プラスは適用除外となります。
- 入社して1年未満である労働者
- 育児休業の申し出の日から1年以内に雇用期間が終了する労働者
申請スケジュールと必要書類
パパ・ママ育休プラスの申請には締め切りがあり、育児休業開始予定日の1か月前までとなっています。
また、配偶者(母親)が育児休業していることをしめす書類が必要になります。
以下は基本的な育児休業の申請に必要な書類のほかに、パパ・ママ育休プラス制度を利用するために必要な書類です。
【パパ・ママ育休プラスの申請に必要な書類】
- 住民票の写しなど、育児休業給付金の支給対象者の配偶者であることを確認できる書類
- 配偶者が会社から交付された「育児休業取扱通知書」の写しなど、配偶者が育児休業を取得していると確認できる書類(配偶者の雇用保険被保険者番号がわかる場合は省略できる)
育休を取得する一か月前までに必要書類を会社に提出する必要がありますので、早めにそろえておくと安心ですね。
パパママ育休プラス制度利用中でも、育休手当は支給される?
育休中に給料が支払われない企業も多いですので、手当があると大変助かりますね。その代表的なものが育休手当ですが、パパ・ママ育休制度でも適用されるのでしょうか?
育休手当の内容
育休手当は、育児休業中に従業員が受け取ることができる手当です。
条件を満たせば、契約社員、パートであっても、また男女問わず受け取ることができます。
以下は育休手当の給付率になります。
- 育児休業開始日から180日目まで・・・賃金月額の67%
- 181日目から育児休業給付金の支給終了日まで・・・賃金月額の50%
育休手当の申請条件には1歳未満の子供がいることが含まれています。
それでは、パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合、育児休業給付金は受け取ることができるのでしょうか?
パパママ育休プラスは利用中は手当も延長できる!
パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合、育児休業給付金の支給も延長することができます。
子供が1歳2か月になるまで支給の延長を申請できるのはありがたいですね。
手当の給付率も先ほどご紹介した割合と同じになります。
パパママ育休制度を利用してパパが育休をとる場合には、育児休業開始日から180日目までであれば、賃金月額の67%が支給されます。
育休手当を延長をするための手続き・条件
パパ・ママ育休プラス制度は子供が1歳2か月に達する日までですが、理由がある場合、1歳6か月に達する日まで延長することができます。
育休手当の延長方法についてご紹介します。
手当の受給を延長するための条件
- 育児休業の対象となっている子供の1歳に達する日において、ママまたはパパが育児休業をしていること(1歳に達する日とは1歳の誕生日の前日のことです。)
- 子供が1歳を超えても、休業が特に必要と認められた場合
なお、休業が特に必要とされる場合とは以下のようなときです。
- 保育所に入所を申し込んでいるが、1歳の誕生日からの保育先が決まっていない場合(いわゆる「待機児童」になっている場合)
- 1 歳の誕生日以降、子供を育てる予定だった母親または父親が、死亡・負傷・ケガや離婚などで育てることができなくなった場合
ただし、1歳6か月までの育児休業の開始予定日は、子供の1歳に達する日後のパパかママの育児休業終了予定日の翌日としなければならないという決まりがあります。
1歳6か月までパパ・ママ育休制度を延長する場合、注意しなければいけないことがあります。
それは子供が1歳2か月以降は、母親と父親の育休の期間が重なることができない点です。
- 子供の1歳2か月の到達日まで父親が育休をとる場合
この場合、父親の育休が終わる日の翌日以降に母親は育休を再開しなければいけません。
父親の育児休業が終了する日以前に母親が育休を再開することはできません。
保育園が見つからなくて、育休を延長することになった場合、早めに手続きをして、育児手当の延長をしておくと良いと思います。
育児手当の延長をする場合、育休の開始(再開)予定日の2週間前までに申し出る必要があります。
その際、待機児童であることを証明する書類など育休プラス制度の延長で新たに必要な書類も出てきますので、注意が必要です。
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