持ち家と賃貸はどっちがお得?住居費用をシミュレーションで比較

「子供が大きくなってきて、マイホームを購入するか迷っている。」

「でも、賃貸の家賃よりローンなどの住居費がだいぶ大きく掛かってしますかもしれない。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

それでは、住宅購入をした場合と賃貸ではどれくらい金銭的負担の違いがあるのでしょうか?

今回は賃貸と持ち家の生涯住居費を比較したいと思います。また、生涯家賃を払い続けるとしたら、いくらになるのでしょうか?

そしてマイホームに住むにあたって、引っ越しができない、リフォーム費用が掛かることを心配される方が多いのではないでしょうか?

今回は賃貸と持ち家のメリット・デメリット紹介し、みなさんがどちらに向いているのかを明らかにします。

持ち家を持つことが不安な方、住宅ローンや費用について知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

結局お得なのはどっち?生涯コストで比較

今回は、世帯主が33歳で、3歳の子供が1人いる場合を想定します。

この場合、引っ越しをしながら50年間ずっと賃貸で暮らす場合今住宅を買って、その家にずっと住む場合の住居費を計算します。

住居費とは、住まいに関わる支出のことです。賃貸の住居費には、家賃、管理費、更新料などが挙げられます。

持ち家の住居費には、住宅ローン、固定資産税、リフォーム費用などが挙げられます。

suumoの算出した額をもとに、賃貸と持ち家の生涯住居費を比較しました。

今回、住宅ローンの固定金利を1.4%として計算しており、賃貸の方が生涯住居費が高くなっています。しかし、一概に賃貸の方が費用が高くなるわけではないのでご注意ください。

50年間ずっと賃貸の場合、家賃だけで約8,000万円かかる?

まずは、ずっと賃貸住まいだった場合、生涯どのくらいの住居費が掛かるのか計算してみます。

ここでは以下のように家賃、入居時費用、更新料を設定しています。

  • 家賃・・・子供が中学生くらいになったら大きめの家に引っ越し、親元を離れるタイミングで夫婦で住む家に引っ越すことを想定しています。

子供が3~12歳(1~10年目)・・・12万円

子供が13~22歳(11~20年目)・・・15万円

子供が23歳~(21年目~50年目) ・・・13万円

  • 入居時費用・・・家賃3か月分
  • 更新料・・・2年に1度家賃1か月分がかかります。
  • 50年間賃貸に住み続けた場合の住居費
家賃7,920万円
入居時費用・更新料410万円
8,330万円

ずっと賃貸に住み続けた場合、家賃だけで7,920万円掛かってしまいます。

また、賃貸の場合は入居時に敷金・礼金などの初期費用が掛かり、その後も2年ごとに更新料が掛かってしまいます。

賃貸に住み続ける場合は、老後も家賃を支払い続けなければなりませんので、老後の住居費の貯金をすることも考えておく必要があります。

持ち家の場合、ローン返済後の負担は小さい

次に、33歳で持ち家として新築マンションを購入した場合、どれくらいの住居費になるのでしょうか?

ここでは新築の4,000万円のマンションを購入するとして、住居費を概算します。

今回は住宅ローンの固定金利を1.4%にしています。

ですので、住宅ローンの返済額が比較的低くなっています。

持ち家には以下のような費用が掛かってきます。

  • 入居時費用・・・頭金 500万円+住宅価格の3%(120万円)+修繕積立基金 30万円
  • 住宅ローン・・・借入額 3500万円、金利1.4%の固定金利で35年で返済するとすると、月々10万5,458円の返済になります。
  • 入居後の費用・・・管理費、修繕積立金、固定資産税、住宅ローン控除
  • リフォーム費用・・・21年目に200万円のリフォーム、36年目(ローン返済時)に老後のためのバリアフリー化の改修をするとします。
入居時費用650万円
住宅ローン返済額4,430万円
入居後の費用1,850万円
リフォーム費用700万円
7,630万円

持ち家の場合、頭金、修繕積立基金などの住宅購入時に必要となるお金が大きくなってしまいます。

そしてローンの返済が完了するまでは、毎月一定額のお金が掛かってきます。

しかし、ローン返済後は固定資産税やリフォーム費用を除いて、必要な費用は小さく家計への負担は大幅に減ります。

持ち家の方がお得とは一概には言えない

今回の試算の結果は、持ち家の住居費 7630万円、賃貸の住居費 8330万円となりました。

しかし住居費は家賃や住宅の価格、住宅ローンなどによって大きく変動します。

ですので、一概に持ち家の方がお得と言うことはできません。

持ち家と賃貸の住居費の比較では、費用の掛かり方の違いに注目することが重要です。

例えば、賃貸はずっと家賃を支払うことになるので、費用が継続的に掛かります。

また、引っ越しをする度に引っ越し費用、敷金礼金などが必要です。

賃貸と比べると持ち家では、住宅購入時に頭金、登記費用、ローン費用、引っ越し費用など、まとまったお金が必要になってしまうことが特徴的です。

その後、住宅ローン返済が完了したら、固定資産税や維持費はかかるものの、ある程度負担が軽くなります。

このように賃貸と持ち家ではかかるタイミングや継続的に掛かる費用が違ってくるため、一概にどちらがコストが小さくなるかはわかりません。

賃貸のメリット・デメリット

メリット① ライフサイクルに合わせて住む場所を変えられる

気軽に引っ越しができるのが賃貸の大きなメリットです。

子供が増えた、また子供が親元を離れるなどの時期に合わせて引っ越しをして、部屋の広さや数を調整することができます。

また、パパ・ママの勤務先が変わったときや、子供が進学する学校の近くに住みたいとなったときにも、通勤通学に便利な場所に引っ越すことが可能です。

メリット② 住宅ローンの返済がない

毎月の家賃は掛かりますが、住宅ローンのように破たんのリスクはありません。

そしてローンの返済があることは精神的な負担にもなりますので、賃貸の大きなメリットといえます。

ですので、賃貸は持ち家をローンで買う場合と違って、所得の変化に対応することができます。

例えば、世帯主の所得が下がったときは今より少し家賃が安い部屋に引っ越すことができます。

メリット③ 住宅設備の修理費用を負担しなくてよい

賃貸では、エアコン、ガスコンロなどの住宅設備が壊れた際は、基本的に大家さんが修理代を負担してくれます。

なぜなら、エアコン、給湯器、ガスコンロ、温水洗浄便座などの初期設備は大家さんのものだからです。

例えば、地震で家の一部が壊れたときなど、大きな費用が掛かるときにも費用を負担してもらえて、安心ですね。

デメリット① 老後の家賃支払いが負担になる

賃貸の場合は、退職後、年金収入のみになったときにも家賃を払わなければいけないというデメリットがあります。

老後に、年金収入のみで家賃を支払うことは難しいです。

ですので、ずっと賃貸に住み続ける場合は、仕事をしているうちから貯金をしておく必要があります。

デメリット② ファミリー向けの物件が少ない

子供が増えた場合、部屋数が今より必要になる可能性もあります。

いざ引っ越しをしようと考えても、ファミリー向けの賃貸の物件は多くないといわれています。

なぜなら、多くの賃貸物件が単身者もしくは2人程度の少人数向けになっているからです。

ファミリー向けのマンションを借りる場合、賃貸で借りるより、分譲で買った方が安く済むこともあります。

デメリット③ 自由にリフォームができない

一般的に賃貸では壁紙を張り替えたり、壁に穴をあけたりすることができなくなっています。

例えば、DIYしたい、壁紙や床の色を自分の色にしたいという方は少し不満に思ってしまうかもしれません。

持ち家のメリット・デメリット

メリット① 資産になる

持ち家は実物資産になることがメリットとして挙げられます。

ですので、持ち家を売却した場合、資金を得ることができます。

賃貸でずっと家賃を払い続けても、自分のものになるわけではありません。

しかし持ち家の場合は、資産を手元に残すことができます。

メリット② 老後の住む場所が確保できる

持ち家があることは、老後の安心材料になります。

老後も賃貸で生活する場合、年金収入しかないと家を借りられないというケ―スもあります。

賃貸より住居費を抑えて住み続けことができます。

なぜなら住宅ローンの返済が終われば、費用の負担もかなり小さくなるからです。

メリット③ 住宅の基本性能が賃貸よりも高い場合もある

賃貸は利益、利回りを重視することから、建物自体や設備のコストをできるだけ抑えようとする傾向があります。

これに対して、分譲のマンションや住宅の場合、最新の断熱、遮音性能や耐震性能などが備えられている場合が多いです。

このように、住宅の質の高さも持ち家を買うメリットになります。

デメリット① 引っ越しが気軽にはできない

一度家を買うと子供の進学や勤務先に合わせて、柔軟に引っ越しをすることが難しくなります。

家を売却して新しい家を買ったり、賃貸として貸したりすることもできます。

しかし、売却や貸し出しに時間がかかってしまう可能性もあります。

デメリット② 住宅設備の修理代、リフォーム費用が掛かる

持ち家では、エアコン、水道設備、ガスなどが故障した場合の修理代は自分で賄うことになります。

これに対して、賃貸の場合はこれらの費用は大家さんが負担することが多いです。

ですので修繕費が掛かるのは、持ち家ならではのデメリットといえます。

また、床や壁が古くなったり、バリアフリー化する際は、多額のリフォーム費用が掛かってしまいます。

デメリット③ 持ち家を売る場合に値下がりする

建物は古くなるほど、資産価値が下がっていきます。

マンションの方が資産価値は下がりにくいと言われます。

それでも45~50年ほどで建物の価値がほとんどなくなってしまいます。

持ち家は資産にもなりますがその価値は残念ながら下がっていきます。

賃貸に向いている人・持ち家に向いている人

引っ越しをするかもしれないまたはしたい人は賃貸向き

転勤の予定がある、あるいは子供の進学に合わせて住む場所を変えようと思っているという方は、賃貸をおすすめします。

持ち家を買ってしまうと、引っ越しのたびに費用も時間もかかってしまうからです。

また、壁や床が古くなったら引っ越したい、新しい設備のある部屋の方が良いという方も賃貸がおすすめです。

住み替えられるのが賃貸の最大のメリットです!

引っ越す予定がなく、初期費用の貯金ができる方は持ち家向き

転勤の心配がなく、引っ越す可能性が低い方、そして住宅購入時にかかる初期費用を貯金できる方は持ち家を持つことをおすすめします。

初期費用や住宅ローンがかかっても、老後に住居費の心配をせず住める家が欲しいという方は、マイホームを検討してもいいかもしれません。

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