改元で盛り上がっていた2019年の春、政府から驚くべき発表がされました。
それなんと、お札のデザインが変わるというもので、日本中が驚きましたね。
変わるのはお札のデザインの他、表面に印刷される顔も変わります。
長年慣れ親しんでいた今のお札の顔が変わることは、日常生活にも影響を与えそうですよね。
そこで、今回はお札のデザインがいつ変わるのかというタイミングについてから、変わる理由、そして今までお札に使われた歴代に人物について紹介します!
変わってから知るのでは遅いので、今のうちに予習しておくことで、スムーズにお札の変更を受け入れられます。是非ご覧ください!
お札のデザインはいつ変わる?変わる理由は?周期があるってホント?
2019年4月9日、財務省がお札のデザインを変更することを発表しました。
デザインが変わる時期を2024年目途にしていることも、併せて発表されました。
お札のデザインを変える主な理由は偽造防止のためと政府は説明しています。
もともと日本のお札は、20年ごとにデザインを変えています。具体的には、1984年・2004年と刷新しているんです。
そのため、今回の刷新も定期的な刷新の一環なんですね。
具体的な偽造防止策としては、最先端のホログラムという技術が、世界で初めて導入されます。
ホログラムとは、レーザービームを使って立体画像をプリントするもので、見る角度によって肖像画の立体画像の向きが変わって見えるというすごいテクノロジーなんです。
また、お札にはおなじみの「すかし」も、今までのお札より緻密な模様を施し、偽造を難しくさせる予定です。
新しいお札のデザインは?3人の人物が誰だか知っておこう!
それでは気になる新しいお札の人物とデザインを見ていきましょう。
ちなみに、2千円札は流通枚数が少ないこともあり、今回デザインの変更はありません。
1000円札の人物とデザイン
1000円札の表の人物は北里柴三郎です。
彼は世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功し、破傷風血清治療法を確立した人物です。
また、ペスト菌を発見したことでも知られ、「日本の細菌学の父」、または「近代医学の父」として有名ですね。
裏面は、葛飾北斎の代表作である「富嶽三十六景」から、「神奈川沖浪裏」が描かれています。
5000円札の人物とデザイン
5000円札の表の人物は津田梅子です。
6歳のころ岩倉使節団とともに海を渡って渡米した津田梅子は、女子の高等教育に尽力しました。
1900年に、彼女の名前を冠した津田塾大学が創設されたことは有名ですよね。
裏面は、古事記や万葉集に登場する藤の花が描かれています。
10000円札の人物とデザイン
10000万円札の表の人物は渋沢栄一です。
渋沢栄一は明治から昭和初期にかけて活躍した実業家で、その生涯で500もの事業にかかわったとされています。
関わった事業の中で、現在でもとくに有名なものは以下の通りです。(設立当時の名前は異なる場合もあります)
- みずほ銀行
- 東京証券取引所
- 東京商工会議所
- 王子製薬
- 日本郵船
- 帝国ホテル
- アサヒビール
etc…
日本を代表する大企業ばかりですね!彼が近代日本経済の父と呼ばれていることも納得です。
裏面には、明治・大正期を代表する建築物である東京駅の丸の内駅舎が描かれています。
お札の人物はどのように選ばれる?誰が決めるの?
では、お札の人物はどのように選ばれるのでしょうか?
まず、お札の顔となりうる人物についてですが
- 日本国民が世界に誇れる人物であり、教科書にのっているなど日本人によく知られている人物であること
- 偽造防止のため、精密な写真や絵画を入手できること
- 政治色の強い人物や軍人ではないこと
という条件があります。結果として、この2つの条件に合致している明治以降の文化人が選ばれる傾向があるようですね。
そして、財務省、紙幣の発行元の日本銀行、製造元の国立印刷局の三者が協議して候補を絞り込み、最終的に財務大臣が決定します。
今回は麻生財務大臣が中心となってお札の改定が行われたようです。
今までお札に使われた主な人物まとめ!
それでは、今までお札に使われた人物を紹介します!
人物名 | 人物の説明 | 掲載紙幣 | 発行年 |
神功皇后 |
| 改造紙幣1円券 | 1881(明治14)年 |
改造紙幣5円券 | 1882(明治15)年 | ||
改造紙幣10円券 | 1883(明治16)年 | ||
菅原道真 |
| 改造兌換銀券5円券 | 1888(明治21)年 |
兌換券5円券 | 1910(明治43)年 | ||
兌換券20円券 | 1917(大正6)年 | ||
兌換券5円券 | 1930(昭和5)年 | ||
日本銀行券5円券 | 1942(昭和17)年 | ||
日本銀行券35円券 | 1943(昭和18)年 | ||
武内宿祢(たけのうちのすくね) |
| 改造兌換銀券1円券 | 1889(明治22)年 |
兌換券5円券 | 1899(明治32)年 | ||
兌換券5円券 | 1916(大正5)年 | ||
日本銀行券1円券 | 1943(昭和18)年 | ||
兌換券200円券 | 1945(昭和20)年 | ||
和気清麻呂 |
| 改造兌換銀券10円券 | 1890(明治23)年 |
兌換券10円券 | 1899(明治32)年 | ||
兌換券10円券 | 1915(大正4)年 | ||
兌換券10円券 | 1930(昭和5)年 | ||
日本銀行券10円券 | 1943(昭和18)年 | ||
日本銀行券10円券 | 1945(昭和20) | ||
藤原鎌足 |
| 改造兌換銀券100円券 | 1891(明治24)年 |
兌換券100円券 | 1900(明治33)年 | ||
兌換券20円券 | 1931(昭和6)年 | ||
兌換券200円券 | 1945(昭和20)年 | ||
聖徳太子 |
| 兌換券100円券 | 1930(昭和5)年 |
日本銀行券100円券 | 1944(昭和19)年 | ||
日本銀行券100円券 | 1945(昭和20)年 | ||
日本銀行券100円券 | 1946(昭和21)年 | ||
日本銀行券1000円券 | 1950(昭和25)年 | ||
日本銀行券5000円券 | 1957(昭和32)年 | ||
日本銀行券10000円券 | 1958(昭和33)年 | ||
日本武尊(やまとたけるのみこと) |
| 兌換券1000円券 | 1945(昭和20)年 |
二宮尊徳 |
| 日本銀行券1円券 | 1946(昭和21)年 |
板垣退助 |
| 50銭政府紙幣 | 1948(昭和23)年 |
日本銀行券100円券 | 1953(昭和28)年 | ||
岩倉具視 |
| 日本銀行券500円券 | 1951(昭和26)年 |
日本銀行券500円券 | 1969(昭和44)年 | ||
高橋是清 |
| 日本銀行券50円券 | 1951(昭和26)年 |
伊藤博文 |
| 日本銀行券1000円券 | 1963(昭和38)年 |
福沢諭吉 |
| 日本銀行券10000円券 | 1984(昭和59)年 |
新渡戸稲造 |
| 日本銀行券5000円券 | 1984(昭和59)年 |
夏目漱石 |
| 日本銀行券1000円券 | 1984(昭和59)年 |
樋口一葉 |
| 日本銀行券5000円券 | 2004(平成16)年 |
野口英世 |
| 日本銀行券1000円券 | 2004(平成16)年 |
紫式部 |
| 日本銀行券2000円券 | 2000(平成12)年 |
明治時代は実在するかどうか不明な人物も、お札の顔に使われていたようですが、最近は紫式部を除いて、明治以降の文化人が多く使われていますね。
お札が変わることを悪用した詐欺に注意!日ごろから情報に敏感になろう!
お札のデザインや顔が変わるからといって、今使われているお札が使えなくなるわけではありません。
前のお札が使えなくなるといって、お金をだまし取る詐欺も発生しています。ご注意ください。
キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、日本ではまだまだ現金・お札が使われています。
日常生活にお札が溶け込んでいるからこそ、お札の知識には敏感になって、普段から情報を仕入れるにしましょう。
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