所得税負担の変化まとめ・昔と比べ増税となったのはどんな人?


 

所得税は国の予算で最大の歳入源であり、働いている人なら必ず納めている私たちにも身近な税金です。

最近でも給与所得控除の改正で年収850万円以上の会社員は所得税が増税になることがニュースになっています。

その所得税がこの10数年でどのように変わってきたのか知っていますか?

実は所得税負担の変化を年収別にみると年収700万円を境に所得の低い人は税負担が減り、所得の高い人は税負担が増えていることが見えてくるのです。

この記事では年収別の所得税負担を過去と現在で比べました。

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所得税とは?

所得税とは何でしょう。

改めて言うことでもないと思いますが、所得税は毎年の所得に対して課税される税金です。

会社から貰う給料がそのまま所得となるのではなく、様々な控除を引いた残りが課税所得になります。

所得 = 給料 - 控除

代表的な控除には配偶者控除、扶養控除、医療費控除、住宅ローン控除などがあります。

控除を利用すれば支払うべき所得税を減らすこともできます。

会社員の忘れがちな各種控除まとめ・賢く節税しよう

こうして計算して残った所得に所得税率を掛けたものが所得税になります。

所得税率は所得金額によって税率が変わる「累進課税」と呼ばれる方法を取っています。

現在の所得税率表は下のようになります。

所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万~330万円 10% 97,500円
330万~695万円 20% 427,500円
695万~900万円 23% 636,000円
900万~1800万円 33% 1,536,000円
1800万~4000万円 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

最終的な所得税は上の表をもとに以下のような計算で求めることができます。

所得税 = 所得金額 × 所得税率 - 控除額

日本の所得税の最高税率は45%で住民税の10%を加えると所得に対して最高で55%の課税をされることになります。

 

所得税について詳しく知りたい方は下の記事をご覧ください。

所得税の計算方法を解説!税率と税金の使い道

所得税負担はどう変化しているのか?

 

いよいよ本題に入りたいと思います。

昔と現在では所得税の負担はどのように変化しているのでしょうか?

実は所得によって負担が増えた人たちと減った人たちに分かれるのです。

それでは収入ごとにどれだけ変化したのか見てみましょう。

1999年と2017年の年収階層別一人当たりの所得税負担まとめ

年収階層別の一人当たり所得税負担を表にまとめました。

昔と現在でどう変わったのでしょうか?

年収 1999年 2017年 負担の変化
100万~200万 2.4万円 1.5万円 0.9万減
200万~300万 6.4万円 4.1万円 2.3万減
300万~400万 9.6万円 6.4万円 3.2万減
400万~500万 12.5万円 9.1万円 3.4万減
500万~600万 15.7万円 13.6万円 2.1万減
600万~700万 19.7万円 19万円 0.7万減
700万~800万 27.1万円 29.8万円 2.7万増
800万~900万 37.5万円 44.1万円 6.6万増
900万~1000万 51.3万円 60.4万円 9.1万増
1000万~1500万 88.7万円 111.6万円 22.9万増
1500万~2000万 219.7万円 271.2万円 51.5万増
2000万~2500万 422.4万円 467.9万円 45.5万増
2500万~ 921万円 1225.1万円 304.1万増

国税庁「民間給与実態統計調査」をもとに作成

どうでしょうか?負担が増えた層と減った層で綺麗に分かれています。

年収700万円を境に負担が二極化

表を見ると年収700万円が大きな境界になっていることが分かります。

収入が700万円未満の人は所得税負担が昔と比べて減少し、逆に700万円以上の人は所得税負担が増えています。

所得税は所得格差を是正するため収入の多い人からはより多く税金を徴収する性質がありますが、その傾向が一層強化されていることになります。

2018年度の税制改正では給与所得控除の縮小でさらに年収850万円以上の人の所得税が増税されることになったので、今後も高所得者に対する課税強化の動きは続きそうです。

日本の正社員の平均年収は約500万円

2016年の「民間給与実態統計調査」によると民間企業の平均給与は420万円でした。

正規社員に限定すると平均給与は485万円となります。

この年収400万円~500万円の階層の所得税額を見ると3.4万円の減少になっています。

一番のボリュームゾーンに位置する会社員は所得税が昔と比べ減って負担が少なくなっているのですね。

年収1000万円以上の会社員が所得税の半分を負担

高所得層への課税が強化された結果、所得税の税収の大部分を高所得層が占めるようになりました。

2014年の年収1000万円超の給与所得者は全体の僅か4.1%でしたが、所得税の負担割合は49.1%に上っています。

1999年の統計を見てみると、年収1000万円超の給与所得者は全体の5.6%(今よりも多い!!)で、所得税の負担割合は41.3%でした。

日本が全体的に貧しくなり高所得者の全体に占める割合が減ったのに負担割合が増えています。

高所得者にとっては大変な時代になったことが分かります。

高所得者の負担が増えた具体的な出来事は?

高所得者の所得税負担が増えたことはわかりました。

ではこれらの変化が起きたのはどのような政策が実施されたからでしょうか?

  • 累進課税の改定
  • 給与所得控除の改正

大きな原因はこの2つになります。

1999年から2回累進課税が改正され、高所得者の税率が高くなりました。

また、給与所得控除の改正でも最初に上限が設けられ、その後上限も縮小されてきています。

一方で高所得者以外の中所得層、低所得層は減税策の影響でむしろ負担は減ってきています。

年収800万円超の会社員は増税に?改正される給与所得控除

まとめ

 

年収に所得税の負担の変化についてまとめました。

高所得者に対しては負担が増えていますが、一番割合の多い年収500万円前後の世帯に対しては所得税負担が減少しています。

高所得者にたくさん課税して富の再配分を実現する所得税本来の機能を実現しているといってもいいかもしれません。

これからの変化にも注目です。

 

 

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