2020年春、いよいよ5Gの導入が日本でも始まるということで、様々な便利なサービスを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、TwitterなどのSNSで最近話題になった「インターネット税」。
もしこれが実施されれば、普段インターネットを使う人は余分にお金を払わなければならなくなるなんて、困りますよね!
5G導入が迫り、インターネット関連のニュースが多数取り沙汰されている今日ですが、インターネット税は本当に徴収されるのか、真偽を確かめたいと思います!
インターネット税とは?なぜ話題になった?
そもそもインターネット税とはなに?
今年2020年春から日本で導入予定である次世代通信規格5G。
5Gは4Gの20倍近い通信速度を有しますが、電波の飛ぶ距離が4Gより短く、サービスを全国に行き渡らせるためにより多くの基地局が必要で、基地局同士をつなぐ光回線も細かく張り巡らせなければなりません。
5Gの導入に伴い、ネット上、特にSNS上で「新たな税金が5Gの整備・維持費の負担金制度としてネット利用者から徴収されるのではないか?」といううわさが広まりました。
この税金がネット上で「インターネット税」と呼ばれ、「月額数円徴収される」「月額1000円徴収される」など、不確かな情報がネット上で飛び交い、ネット利用者からは不満の声も上がりました。
なぜインターネット税が話題になった?
噂の発端は1月20日の新聞の、「総務省が5Gシステムの基盤である光ファイバー回線の維持のために負担金制度を作り、2020年代半ばには通信料に上乗せする形でネットユーザーから徴収する」という報道から。
すると22日には「インターネット税」がTwitter上でトレンド入りし、またたく間に記事内容にもない様々なうわさまでもが広まっていったのでした。
では、5Gが導入されると、本当にこのインターネット税が利用者から徴収されるのでしょうか?
インターネット税の真偽は?
総務省が明確な回答を行っている
IT総合情報ポータルサイト「ITMEDIA」によると、総務省は問い合わせに対し、「報道を見て困惑している。ネットユーザーから1000円徴収するといったネットのうわさは、どこから出たのかも疑問」と回答。
「インターネット税はデマ」であるとはっきりと表明しています。
また、「5Gの整備、維持に向けた資金確保」という報道も正確には誤りであるといいます。
なぜこのようなデマが流れた?
ユニバーサルサービス制度の見直しについて検討した、総務大臣の諮問機関である「情報通信審議会」という機関が昨年開催した定例会議の資料を誤解して一部メディアが報道してしまったのが原因のようです。
ユニバーサルサービス制度とは、生活に最低限必要とされる加入電話を人口の少ない地方でも維持するために、電話サービスを提供する通信事業者から負担金を徴収し、設備を維持するNTTに交付する制度のこと。
多くの通信事業者は「ユニバーサルサービス料」として通信料に上乗せし、間接的にユーザーから徴収していますが、1人あたりの負担額は月額1~2円程度です。
「情報通信審議会」は、将来的に家庭用光ファイバー回線を含む広域通信網をユニバーサルサービスの対象とする見直し案について検討し始めました。
つまり、通話・データ通信を区別せず「生活に不可欠なもの」と見なしユニバーサルサービスとする考えです。
一部メディアが光ファイバー回線を「5Gの基盤」と説明した結果、5G整備に向けた資金確保という誤解を広げ、「インターネット税の徴収」というデマに発展したというわけです。
ちなみに、「2020年代半ばから徴収開始」といった時期的な内容についても総務省は「まだ決まったことは一切ない」と否定しており、「5Gの回線整備を主眼に置いたものでもない」と強調しています。
5G導入に関するニュースに今後も注目しておこう!
総務省も言及している通り、インターネット税は根も葉もないうわさであることが分かったかと思います。
しかし、近年の加入電話契約数の減少から、負担金の確保が難しくなっているのも事実です。
そのため、今後なんらかの対応策が出てこないとも言い切れない現状です。
5G 導入に際して、日ごろのニュースに目を向けておく必要がありそうです。
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