日本国内において、数ある人気スポーツの中でも、とくに人気の高いサッカー。
プロサッカー選手は。男子小学生の将来なりたい職業ランキングで、毎年1位、2位を争う憧れの職業です。
小さい頃に、将来の夢を聞かれたら、サッカー選手と答えたことのある方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、いざ子供が「将来、スポーツ選手になりたい」と言うと、
ついつい周りは「プロは狭き門。そんなに甘い世界じゃないよ」とその夢を否定しまいがち。
たしかにプロスポーツは厳しく、狭き門かもしれませんが、具体的にどのくらい狭き門なのでしょうか?
今回は、小学生・中学生・高校生・大学生を含む社会人の各年代のサッカー人口の推移と、毎年プロ入りする選手数から、プロ選手になれる確率を具体的に割り出してみました。
この記事を読んでいる読者の中には、ご自身が今まさにサッカー選手になる夢を追いかけている最中の方がいるかもしれません。
また、お子様がいらっしゃる家庭では、お子様の将来の夢がサッカー選手なのかもしれません。
まずは、プロスポーツ選手になれる確率を客観的数字をもとに知ることで、これからプロサッカー選手になる夢を追う子供や、その夢を応援する周囲の人々に役立つ情報になれば嬉しいです。
サッカープレイヤーの年齢別の人口数はどのくらい?
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)によると、日本国内のサッカー選手登録数の内訳は、年齢と性別によって6つのカテゴリーに分けて選手登録数を発表しています。各カテゴリーの定義は下の通りです。
- 第1種:年齢制限なし。プロチーム、社会人チーム、大学チーム、専門学校チームなど
- 第2種:〜18歳未満。高校生の年代
- 第3種:〜15歳未満。中学生の年代
- 第4種:〜12歳未満。小学生の年代
- 女子:年齢制限なし。女子選手
- シニア:40歳以上
各カテゴリーの選手人数、およびチーム数の内訳は下記の通りです。
2019年度 | 選手数 | チーム数 |
第1種 | 139,480 | 5,079 |
第2種 | 173,135 | 4,035 |
第3種 | 229,537 | 7,541 |
第4種 | 269,314 | 8,482 |
女子 | 28,598 | 1,326 |
シニア | 38,008 | 1,207 |
合計 | 878,072 | 27,670 |
女子カテゴリーについては、全年齢が含まれており年齢別の算出が困難なため、今回の説明から外します。またシニアの方も、これからプロを目指すのは現実的ではないため、説明からは除外します。
このデータによると、小学生世代にあたる第4種の登録選手数は、26万9,314名。
ここから中学、高校とカテゴリーが上がるにつれて、登録選手数は減少していき、プロを含む大学・社会人カテゴリーの第1種の時点では、登録選手数は13万9,480名となり、第4種の約半数まで減ることになります。
Jリーグの登録選手数は?毎年新規加入する選手数は何人?
Jリーグを経由せず、いきなり海外リーグに挑戦する選手もいますが、今回はJリーグの選手契約条件を結ぶ選手を、プロサッカー選手としてカウントして確率を計算します。
2020年5月13日現在、Jリーグの選手名鑑に登録されている選手数は、
J1、J2、J3合計して1,742名です。
そのうちJ1が588名、J2が674名、J3が537名です。
2020年、Jリーグでプロ初加入した高校・ユース出身選手、大卒選手は計204名です。
そのうち高校・ユース出身選手は89名(J1:42名、 J2:31名、J3:16名)
大学中退・大学卒業選手は115名(J1:27名、 J2:45名、J3:43名)です。(21年度,22年度の大学卒業後のプロ内定者も含む)
社会人リーグに加入してから、プロに転向する選手もいますが、主流はこの高校・ユースから加入する場合と、大学を経由してからプロに加入する場合の2パターンです。
この2つをもとにプロになれる確率を算出していきます。
Jリーガーになれる確率は?高校まで続けたらどの位チャンスがある?
小学校時代にサッカーをしている子供のうち、約35%が高校までにサッカーを辞めています。
そのため、小学校時代、中学時代、高校時代では、選手人口で見た場合に、その時点でプロになれる確率についても変わっていきます。
下記に、小学校、中学校、高校それぞれで見たときのプロになれる確率を算出しました。
小学生時点でサッカー選手になれる確率
第4種に該当する小学生のサッカー人口は、26万9,314名。
そのうち高校・ユース、または大卒でプロになるのが204名なので、
Jリーグ新加入204名÷第4種登録選手数26万9,314名×100=0.075748≒0.076%
小学生のサッカー選手がプロになれる確率は、約1,320人に1人の確率。
Jリーグ新加入69名÷第4種登録選手数26万9,314名×100=0.025621≒0.026%
J1クラブのチームに入れる確率は、約3,900人に1人の確率。
中学生時点でサッカー選手になれる確率
第3種に該当する中学生のサッカー人口は、22万9,537名。
そのうち高校・ユース、または大卒でプロになるのが204名なので、
Jリーグ新加入204名÷第3種登録選手数22万9,537名×100=0.08887≒0.089%
中学生のサッカー選手がプロになれる確率は、約1,125人に1人の確率。
Jリーグ新加入69名÷第3種登録選手数22万9,537名×100=0.03006≒0.03%
J1クラブのチームに入れる確率は、約3,326人に1人の確率。
高校生時点でサッカー選手になれる確率
第2種に該当する高校生・ユースのサッカー人口は、17万3,135名。
そのうち高校・ユース、または大卒でプロになるのが204名なので、
Jリーグ新加入204名÷第2種登録選手数17万3,135名×100=0.1178≒0.11%
高校・ユースのサッカー選手がプロになれる確率は、約848人に1人の確率。
Jリーグ新加入69名÷第2種登録選手数17万3,135名×100=0.03985≒0.04%
J1クラブのチームに入れる確率は、約2,509人に1人の確率。
高校までサッカーを続ければ、プロへ行ける確率は1/848
サッカーをしている人が、全員プロを目指すわけではないので、1/848というこの確率はあくまでプレイヤー人口からみた際の目安です。
実際には、サッカー部に所属しているけれど、本気でプロを目指しているわけではない人の割合の方が多いと思いますので、現実的な確率はこの数字よりもよくなります。
例えば、高校生でサッカーをしている人のうち、プロ志望の割合が10%だと仮定すると、
実際の確率は1/848→1/84.8となります。
1/84.8でも十分難易度は高いように感じますが、当初のプレイヤー人口からみた割合に比べれば、無謀な確率とも言い切れないようにも感じます。
1/848という確率を見て、厳しいと感じるか、チャンスと感じるかは、人それぞれかもしれません。
もし大学受験に置き換えた場合、どの大学の難易度と同じくらい?
プロサッカー選手になれる確率については分かりましたが、実際にこの確率の難易度がどの程度なのか、あまりピンとこない方がいるかもしれません。
そんな方に向けて、もう少し身近な大学受験に置き換えてご説明したいと思います。
大学入試センター、通称センター試験の受験者数は令和2年度、55万7,699名でした。
日本の大学のトップである東大の令和2年の合格者が3,083名でした。
センター試験の受験者から東大合格者の割合を算出すると、
3,083名÷55万7,699名×100=0.5528≒0.55%
センター試験の受験者のうち、東大合格の確率は、約180人に1人の確率。
センター試験の受験者が、全員東大を受験するわけではありませんが、同じくサッカー選手が全員プロを目指すわけではないことを考えると、人口比率から算出する確率は、比較する上で一つの目安となります。
- センター試験受験者が東大合格できる確率:1/180
- 小学生サッカー選手がJリーガーできる確率:1/1,320
- 中学生サッカー選手がJリーガーできる確率:1/1,125
- 高校生サッカー選手がJリーガーできる確率:1/848
こう比較すると、高校生の時点でプロサッカー選手への挑戦は、東大受験のおおよそ4倍〜5倍難易度が高い挑戦だということが分かります。
要注意!この確率は、あなたがプロになれる確率ではありません。
いかがだったでしょうか。
プロサッカー選手を目指す難易度について、なんとなくイメージが持てましたでしょうか。
一つだけ誤解のないようにして欲しいのは、この確率はあくまで人口比率から算出した確率であって、あなたがプロになれる確率ではありません。
実際は、個々の持ち合わせている身体能力や、スキル、メンタル、練習量、運などによって、プロになれる確率は大きく変動するかと思います。
ご自身が目指している夢、お子様が目指している夢の難易度を、数字をもとに読み解いてみると、これまでに気づかなかった新たな発見があることもあります。
少しでも参考になれば嬉しいです。
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!