日本の大学生の3割が東京に!進む一極集中と地方の過疎化

東京への一極集中がどんどん進んでいます。

2017年日本全体で30万人も人口が減りましたが、東京都の人口は逆に70万人以上増加しました。

東京へ人々が集まる原因は様々ですが、その一つに大学の東京への集中が挙げられます。

高校までは地元の学校に通っていても大学は東京の大学で一人暮らしを始めるという人も多いと思います。

しかし、東京に大学が多いことは若者がそのまま東京の会社に就職し地元に帰らないことにも繋がります。

現在全国の大学生の約3割が東京の大学に通っています。

地方の過疎化と経済の衰退を止めるにはこうした問題をきちんと理解しなくてはなりません。

この記事では大学の東京への集中とその対策についてまとめました。

大学生の「東京一極集中」

ここでは実際のデータから東京にどれだけ大学生が集まっているのか見てみましょう。

ところで全国に大学が何校あるか知っていますか?

正解は780校です(平成29年度)

そのうち国公立大学が176校私立大学が604校と私立がとても多いことも分かります。

東京には138の大学が位置しています。全国に対する割合は17.7%と集中しているものの、びっくりするぐらい高い割合ではないことが分かります。

ただ東京は大学の学生数が多いことが特徴です。

日本の大学の学生数TOP10を下に示しました。

順位大学名学生数都道府県
1位日本大学67,933人東京
2位早稲田大学41,965人東京
3位近畿大学33125人大阪
4位立命館大学33,115人京都
5位明治大学30,842人東京
6位東洋大学30554人東京
7位法政大学29,494人東京
8位関西大学29014人大阪
9位慶應義塾大学28,683人東京
10位東海大学28,675人東京

学生数の多い上位10大学の内7校は東京にキャンパスがあることが分かります。

また学生数の多い大学には早稲田大学や明治大学のように全国の受験生に人気の高い難関大学が含まれています。

東京の大学は全国的な知名度が高いため全国から学生を集めることができます。

この結果東京に大学生が偏在する結果になりました。

下の円グラフは大学生の地域別シェアです。

大学の学生数地域別シェア

大和総研より

東京23区という非常に狭い面積の中だけで日本の大学生の約2割が集中していることが分かります。

さらに東京都全体と千葉、埼玉、神奈川を含めた「東京圏」で考えると日本の大学生の4割が集中していることが分かります。

日本の全人口の内、東京圏の人口は2015年時点で28.4%です。

東京の大学に進学した学生の多くが東京で就職することを考えると、大学生の東京圏への一極集中は未来の日本の姿を予言しているのかもしれません。

地方から東京への進学者数

現在も地方の若年人口自体は減少しているのにも関わらず、地方から東京の大学への進学者数は増加しています。

下のグラフは地方から東京の大学への進学者数です。

東京都の大学入学者数の内非東京都出身者数の推移

大和総研より

2006年頃まで9万人に満たなかった地方出身者数ですが、2017年には10万人を超えています。

例えば茨城県の高校出身者の大学入学者数が1万5千人であるのに対し、東京圏の大学に入学する人は9千人もいます。

もちろん実家から大学に通う人も多いと思われますが、都心への若年層の移動が地域経済に大きな影響を与えていることは否めないでしょう。

対策はあるのか

見てきたように東京への大学生の一極集中は、人口全体と比べても一歩進んだ状態にあることが分かります。

若年層が減り続ければ地方に未来はありません。

どうすれば大学生に地方の大学を選んでもらえるようになるのでしょうか?

国は都内の大学の定員抑制を進める

大学の東京一極集中への対策が政府内で進められています。

2017年の政府内に設置された「地方大学の振興及び若年雇用等に関する有識者会議」で東京23区の大学の定員増を認めないという方針が示されました。

今後は東京の大学の定員が固定される可能性が高くなっています。

しかし、若年層全体が激減している現在ではこうした施策は東京への集中の加速をいくらか緩和する効果があるだけです。

大和総研より

東京都の現在の大学の定員数は約15万人です。

一方で日本の大学進学者数は約60万人になります。

これが2040年には大学進学者数は45万人まで25%減少することが予想されています。

東京の大学定員を固定しても人口減少で地方大学の進学者数は激減することが分かります。

もちろん東京の大学定員を固定しなかった場合、事態はさらに深刻になるでしょう。

地方でも成功している大学

東京に大学生進学者が集中する傾向が進んでいるなかでも地方の大学の中には、逆に東京や大阪などの大都市からたくさんの学生を集めている大学もあります。

例えば九州の大分県にキャンパスのある「立命館アジア太平洋大学」は隣県の宮崎県の高校出身者25人に対して東京都出身者236人、大阪府出身者239人、京都府130人、愛知県101人と都会からわざわざ入学する学生がかなりの割合を占めています。(2014年)

また秋田県にある「国際教養大学」でも関東からの学生が東北出身者よりも多いという事態が起きています。(2017年)

東京には大学がたくさんあるのに、なぜこうした地方大学に都会から学生を集めることができるのでしょうか?

この二つの大学には「グローバル」という共通点があります。

立命館アジア太平洋大学は学生の半分が90か国から集まっている留学生で授業も英語で行われるなど、これからの時代に必要な英語力やグローバルなコミュニケーション力を身に付けることができます。

東京の大学でここまで国際化している学校はありません。

また、地方の方が勉強に集中できるという効果もあるでしょう。

これらの魅力によって地方にも関わらず学生を全国から引きつけているのです。

これからの人口減少の時代、地方の大学が生き残るためにはこうした独自の施策で魅力を高め続けなければいけないのかもしれません。

まとめ

日本の大学の一極集中問題についてまとめました。

特に地方では大学の定員不足が深刻な問題になっています。

学生から選ばれる大学になるために、学校側の変化が求められています。