よく街中を歩いていると、「免税店」や「Tax Free」なんて表示を見かけることも多いと思います。
現在では、30,000店を超える免税店が日本にはあり、外国人旅行者の消費額も年間2兆円に近くなど大きな影響力を持つ存在となっています。
消費税が8%に上がり、いよいよ10%に突入しようとしている最中、「税金を払わずに買い物できるなんてお得な店だなと思って入ってみた」、なんて人ももしかするといるかもしれません。
しかし、実際に免税店で買い物をしてみると、日本人の私たちが日本でいつも通り買い物をする場合にはこの免税制度の恩恵を受けることはほとんどありません。
では、どうして免税制度なんてものがあるのか、またどのような人が免税を受けられるのかを解説していきます。
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免税を受けられるのは外国人だけ?免税対象者の条件は?
そもそも免税店とその他のお店の違いは?
免税店と聞くとなんだか特別なお店であるような感じがしますよね。
免税店は正式には、「輸出物品販売所」と呼ばれます。
この名称からもわかる通り、免税店は外国人旅行者に対して消費税の免除を行うことのできる販売店のことなのです。
これは自由に名乗ることはできないので、各店舗の管轄の税務署調の許可を得た店舗だけが晴れて「免税店」を名乗ることができるのです。
免税の対象となる人にはどんな条件がある?
免税店が存在する大きな意義が、「外国人旅行者の購買意欲を高めること」なので、日本で暮らす私たちは日本の免税店を利用しても特段恩恵を受けることはありません。
ですが、日本に暮らしていない日本人は免税の対象になりますし、反対に日本に暮らす外国人は免税の対象にはなりません。
それをまとめたのが下の表になります。
免税を受けられる 非居住の外国人 ①外国人は原則として非居住者として取り扱われます。 ②外国政府又は国際機関の公務を帯びる者
非居住の日本人 ①外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者 ②2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
③①及び②に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
④①から③までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者
免税を受けられない 居住している日本人 ①日本人は、原則として居住者として取り扱われます ②日本の在外公館に勤務する目的で出国し外国に滞在する者は、居住者として取り扱われます
居住している外国人 ①日本国内にある事務所に勤務する者 ②日本に入国後6か月以上経過するに至った者
消費税免税店サイトより
免税の対象となる物はどんな物品?
免税の対象となるのは免税店で販売されていることはもちろんのこと、通常の生活での使用が想定されるものという条件がつきます。
区分 具体的な物品 条件 一般物品 家電製品・カバン・靴 洋服・時計・財布など
①1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上 ②販売合計額が100万円を超える場合には、旅券等の写しを経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存すること
消耗品 食品・化粧品・飲料 医薬品など
①1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上、50万円までの範囲内であること ②非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること
③消費されないように指定された方法による包装がされていること
消費税免税店サイトより
同じ日の同じ店舗での購入金額が5000円を超えた場合から免税は可能になるので、あまりに金額が少ない買い物は免税にならないということは注意が必要ですね。
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免税はどうやったら受けられる?手続きの方法や各国の免税条件を紹介!!
日本人は日本の免税店では免税を受けられないことはわかりましたね、
裏を返せば日本人でも海外に旅行に行けば免税を受けられる場合がある、ということになります。
これから海外旅行の行った時に、どうやって免税手続きを行ったら良いのか、また主要な国で免税を受ける条件を紹介していきます。
免税手続きの方法!
まず買い物をする前にパスポートや航空券をお店に提示します。
そうすると店舗側から必要書類を渡されるので、無くさないように帰りまで保管しましょう。
また、最も注意しなければ行けないのが購入した商品を開封してはいけない、ということです。
商品を使わなくとも開けただけで免税の対象外になってしまうので、待ち遠しくても空港で免税手続きが完了するまではじっと待ちましょう。
また各種品目別に数量規制もあるのでしたの表にまとめてみます。
品目 | 数量・価格 | 備考 |
酒類 | 3本 | |
葉巻きたばこ | 50本 | |
紙巻きたばこ | 200本 | |
その他のたばこ | 250g | |
香水 | 2オンス | 1オンスは約28ml |
その他の品目 | 20万円 | 20万円を超える場合には20万円以内の範囲は免税、それ以上の範囲は課税対象となります。 1つの商品で20万円を超える場合には全額が課税対象となります。 |
各国の免税はいくらから?
免税は「やってもやらなくても良いもの」、ですが金額が十分に大きな場合にはかなりの金額が返ってくるのでやるメリットは大きいです。
ここで、海外旅行先として人気の高い4カ国の免税手続き最低金額をまとめてみます。
国名 | 最低金額 |
イタリア | 155ユーロ以上から |
フランス | 175ユーロ以上から |
スペイン | 90.15ユーロから |
韓国 | 3万ウォンから |
各国免税が受けられる最低金額は様々ですが、ヨーロッパでは特に消費税が10%を超える国が多いので、大きな買い物をしたら必ず免税手続きをした方がお得です。
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まとめ
免税の仕組みはわかりましたか?
免税は本来海外旅行客になるべくお金を落として帰ってもらうためにあるものなので、普段の生活で私たちに恩恵を与えてくれるものではありません。
しかし、海外旅行の際には存分に活用できる仕組みなので、旅行の際にはしっかりと各国の免税の条件を確認しておくと良いでしょう!
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