シェアリングエコノミーとは・市場規模や課題を解説

最近ではニュースでもたびたび取り上げられるようになった、「シェアリングエコノミー

2017年には「民泊」が新語・流行語対象にノミネートされるなど注目を集めています。

また、消費者だけではなく新たなビジネスの機会として、シェアリングエコノミーは起業家たちからの注目の的にもなっています。

今回は、シェアリングエコノミーが一体どのようなものとして自分たちの生活に関わっているのか、どういったメリットがシェアリングエコノミーにはあるのかを解説していきます。

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シェアリングエコノミーとは・市場規模やメリットは?

シェアリングエコノミーとは、端的に言うと「個人が所有する遊休資源を貸し出すこと」です。

こうすると難しそうに聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「自分は使わないものを必要としている誰かに貸し出すこと」なので、持ち家を貸し出したり、車をレンタルするのもシェアリングエコノミーの一種なのです。

こうして聞くとかなり身近だし、もともと日本には根付いていたのにどうして今更注目されるようになったのだろうか、といった印象すら感じますよね。

近年のシェアリングエコノミーの発展の背景には、スマートフォンやアプリといった情報通信技術の発展があるとされています。

見知らぬ他者との連絡が以前にも増して容易になったことで、スマートフォン一つでサービスの需要と供給のマッチングが可能になり、より手軽に貸し借りができるようになったという訳です。

シェアリングエコノミーの市場規模は?

        

矢野経済研究所「シェアリングエコノミー(共有経済)市場に関する調査」より

上のグラフは総務省の公式見解としても利用されているもので、2020年まで国内でのシェアリングエコノミーの市場規模も年々増加していくとみられているようです。

2015年の285億円から、2020年には倍以上の600億円に増加すると予測されているので、まだまだ現時点でも発展途上の段階の分野と考えられそうです。

シェアリングエコノミーのメリットは?

国も今後の拡大を期待しているシェアリングエコノミーですが、どういったメリットがあるかいくつか紹介していきます。

まず一点目は「遊休している資源を有効活用することができる」という点です。

例えば、マイホームを購入したけれども転勤で住めなくなってしまったなんてケースを考えてみましょう。

もちろんそのまま空き家にしておくのも可能ですが、空き家というのは定期的に手入れをしなければ激しく劣化をしてしまいます。

それならば、自分がいない間は他の人に貸し出して住んでもらった方が手入れの手間も省けるし、家賃も入るという2つのメリットがあります。

また利用者側にも、「購入するよりも安い価格で利用できるという」というメリットがあります。

先ほどの住居の貸し借りの例に戻れば、借りる側も購入すると何千万円もする物件に家賃を払えば気軽に住めるという利点があります。

また、通勤通学は電車などの公共交通機関を使う人は、車を購入するより長距離レジャーの時だけレンタカーを借りた方がずっと経済的な場合も多いですよね。

また環境の観点から見てもシェアリングエコノミーには大きな期待が寄せられています。

既存の経済では自分が利用しなくなったものは、廃棄したり売ったりして新しいものを購入するというサイクルが一般的でした。

しかし、シェアリングエコノミーを導入すると自分には必要ないものを欲している第三者とマッチングすることで、本来に比べて生産活動を抑えることができるのです。

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シェアリングエコノミーの5つの分類

総務省の公式な枠組みとして、シェアリングエコノミーサービスは5つに分類できるとしています。

モノに関するシェアリング

「モノ」に関するシェアリングサービスの代表例が、フリーマーケットです。

これはSNSやスマートフォンの普及により日本の中で最も先行しているシェアリングの形式で、ほとんどの人は利用した経験があるかと思います。

最近では、「メルカリ」といったフリーマーケットアプリも人気となり、スマートフォン一つで出品者と購入希望者をマッチングさせる仕組みが確立されています。

スキルに関するシェアリング

政府が推進する「働き方改革」によって注目を集めているシェアリングの方法が、スキルに関するシェアです。

具体例としては、家事代行サービスや育児の代行などが挙げられます。

特に働きたくてもフルタイムでは働くことのできない女性にも、社会に出て働くきっかけを与えるものとしても期待がされています。

空間に関するシェアリング

これには、先ほど冒頭で紹介した「民泊」が当てはまります。

他にも駐車スペースに関するシェアリングや、使われない農地を農業体験したい人向けに貸し出す一風変わったシェアリングも最近では登場しています。

移動・運輸に関するシェアリング

カーシェアリングライドシェアリングといたサービスがこれに該当します。

具体例としては、一般ドライバーと配車希望者をマッチングさせる、Uberなどが移動に関するシェアリングの代表例といえるでしょう。

お金の関するシェアリング

お金に関するシェアリング、と言われてもなかなかピンとこない人も多いかもしれません。

クラウドファンディングが代表例ですが、シェアリングエコノミーの文脈で言及されることはあまり多くはありません。

クラウドファンディングと一口に言っても、リターンを期待するものとしないものがあるので投資的な側面が大きくなります。

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シェアリングエコノミーが抱える課題は?

ここまで見てきて、シェアリングエコノミーはいいことばかりだと感じる人も多いかもしれません。

しかし、今後の拡大に伴って解決しなければいけない課題や気をつけるべき注意点があるので紹介します。

安全性が担保されにくい

スマートフォンで気軽に第三者とやりとりできるようになることはもちろん便利ですが、安全性という面ではかなり不安が伴います。

仮にスマートフォンで予約可能な民泊サービスの場合、宿泊する人がどんな人なのか、登録してきた個人情報は本物か、などは事前に知ることはほとんどできません。

また、利用する側も配車サービスなら運転してくれる人は安全なドライバーかなどはなかなか把握しにくいです。

こうして迅速なマッチングを可能にしたことが、かえってユーザー同士の情報交換の機会を減らし不安要素を生み出してしまったのです。

保険・補償の対応が難しい

シェアリングは比較的に新たな試みなので、既存の保険システムではうまく補償がされない場合があります。

通常の利用では起こりえない稀なケースに対しては、十分な補償がされず泣き寝入りするしかないなんてことにならないよう、事業者側は補償内容の見直しをするのは必須ですね。

法整備が行き届いていない

これは上に重なる部分もありますが、シェアリングに伴うトラブルはまだまだ法律で具体的に定義されていない分野も多くあります。

事業者が個人や法人誰でも参入可能であることで、法律上の線引きがかなり難しくなっていることや、日々新たなサービスが誕生しているので法整備が追いついていない、といった問題が上がっているのが現状です。

事業者側は特によく法律を確認しておかないと、意図せずに違法行為をしていたなんてことにもなりかねないので注意が必要です。

既存の事業者との対立

シェアリングエコノミーの拡大は、新たな事業を生み出す一方で既存の事業者から仕事を奪うことにもつながります。

こうした事業者に対し、政府がどのように保護するのか、規制を設けるのかはこれから注目していきたいところです。

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まとめ

シェアリングエコノミーに関する理解は深まりましたか!?

まだまだ新しい分野なので事例は多くはないですが、具体例と合わせてここまで紹介してきました。

もちろん物事には良い側面と悪い側面があるので一概には言えませんが、シェアリングエコノミーは私たちの社会に新たなビジネスモデルを与えてくれる面白い存在になると思います。

どんな事業が生まれてくるのか、政府はどんな対応をするのかに声からも注目してみると、良いのではないかと思います!

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