パート主婦の社会保険は年収130万円から義務?加入条件を解説

アイデア

2018年から配偶者控除が改正され、上限が103万円から150万円へと拡大されました。

 

これを機にパートの時間を増やそうと思っている主婦の方も多いのではないでしょうか?

 

でも気を付けてください。

 

パート収入を増やそうとすると今度は社会保険料を支払う必要が出てきます。

 

具体的には中小企業でパートをしている場合は年収が130万円を超えたとき、大企業の場合は年収が106万円を超えたときです。

 

社会保険料は収入の約14%程度になるため、手取りがかなり減少してしまいます。

 

払い損にならないようにこの記事では社会保険料について知っておくべき知識についてまとめました。

 

社会保険(年金・健康保険)とは?仕組みをおさらいしよう

パソコンの前で考える女性

 

まず、社会保険とは何でしょうか。

 

社会保険は大きく二つに分かれています。

一つは年金です。みなさんが老後65歳以上になると受け取れるようになるお金ですね。

もう一つが健康保険です。病気やけがをした時に病院の診察や治療が自己負担3割で受けられる仕組みですね。

 

これらの社会保険ですが、基本的に保険料を納めないと制度を利用することができません。

ですが、専業主婦(夫)に対しては保険料を納めなくても大丈夫な特例があります。

 

専業主婦の場合、年金は国民年金の第3号被保険者、健康保険は夫の被扶養者として扱われるので保険料を納める必要はありません。

 

しかし、収入が一定の水準を超えるとこれらの特例の適用から外れてしまい、自分で保険料を支払う必要が出てきます。

 

これが「106万円」とも「130万円」ともいわれる社会保険料の壁になります。

 

これまで会社員などの給与所得者である旦那さんの扶養内でパートをしていた主婦の場合、社会保険料の壁を超えると、自分で保険料を支払うことになり、毎月の給料から差し引かれることになります。

社会保険に加入することで、将来貰える年金額や増える、怪我や病気をした時に利用できる公的手当が増えるといったメリットがある一方、手取り額が減少するという一面もあり、社保に加入するべきかどうか悩む方も少なくありません。

自分で支払う社会保険料はいくら位?

社会保険料を自分で払うといくらになるのでしょうか?

 

詳しい条件は後で解説しますがまず「106万円の壁」の場合を見てみましょう。

収入が105.6万円から106万円に増えた場合:厚生年金と企業の健康保険料が発生→年間15万円の負担増

 

次に「130万円の壁」を見てみましょう。

収入が129.6万円から130万円に増えた場合:国民年金と国民健康保険料が発生→年間24.7万円の負担増

 

どうでしょうか?収入が増加したのにもかかわらず、保険料の負担額がかなり大きいため手取りが激減してしまいます。

 

社会保険料の負担の大きさが分かると思います。また「106万円の壁」を超えた場合の厚生年金は会社との折半ですが、「130万円の壁」超えた場合は自分で国民年金に加入しなければならず負担額はさらに大きくなっています。

 

ちなみに年収が103万円を超えると所得税も発生してきますが、社会保険料の負担と比べると税額は無視できるぐらい少ないです(年収106万円で所得税は1500円)

パートの社会保険の加入条件は?106万円の壁と130万円の壁の違いとは

それでは、具体的に社会保険に加入する条件を確認しましょう。

 

パート主婦の方が社会保険に加入できる条件は、勤め先の会社規模によって変わります。それが収入「106万円」以上の時と「130万円」以上の時の違いです。

 

詳しく見ていきたいと思います。

 

「106万円の壁」の条件は?労働時間・従業員数を確認

106万円の壁といっても、ただ単に収入が106万円以上なら、社会保険料を支払う必要があるわけではありません。

 

以前までは年収130万円以上の人が社保加入義務がありましたが、平成28年10月1日から社会保険加入の適用範囲が広がり、130万円未満でも以下の条件全てを満たす人については社会保険の加入が義務づけられました。

下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 正社員が501人以上の会社でパートをしている
  • 収入が月88000円以上
  • 雇用期間が1年以上の見込み
  • 所定労働時間が週20時間以上
  • 学生ではない

※収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない

条件を満たした場合に加入するのが、厚生年金企業の健康保険です。

 

厚生年金と企業の健康保険の部分はとても重要です。負担は企業と折半で、加入することで将来の年金受取額が増え保障内容も手厚くなるからです。

 

なお、正社員501人以上という条件については、自分が働いているオフィスの人数ではなく、本社や支社に合わせて500名以上従業員がいれば該当となります。

 

また、平成29年4月1日からは、従業員規模500人以下の企業についても、労使合意がとれれば、社会保険に加入することが可能となりました。

 

「130万円の壁」の条件は?交通費・残業代に注意

上記に当てはまらないパート・バイトの方で、年収130万円を超えた場合、社会保険の加入義務が発生します。

 

  • 月収が108334円以上(年収130万円以上の見込み)

※月収に残業手当、通勤手当、賞与を含む

 

1点、注意点として、106万円の壁の時に月収に含まなかった残業手当や交通費が、130万の壁になると計算に含むようになります。

 

130万円以上になると、自分で健康保険と年金制度に加入する義務が発生します。

 

ただし、会社の社保に加入できる場合と国民健康保険・国民年金に加入しなければいけない場合があるので注意しましょう。

 

パートタイム先の労働時間が正社員の4分3以上あれば、会社の社会保険に加入できます。逆に労働時間が4分の3未満の場合は、お住まいの自治体で国民年金国民健康保険に加入します。(労使の合意などがあれば、社会保険に加入することも可能です。)

 

前述した通り、社会保険の場合は、保険料は企業と折半ですが、国民健康保険と国民年金の場合、保険料は全額自分で負担する必要があります

 

負担が大きいうえに保障内容も薄いため、加入するメリットは正直とても薄いです。

 

主婦が社会保険に加入するメリットは何?

収入が106万円もしくは130万円を超えると社会保険に加入する必要があることが分かりました。

 

それでは、社会保険(厚生年金と健康保険)に加入するメリットは何でしょうか?

①将来の年金受給額が増える

厚生年金と企業の健康保険料は、会社との折半の負担になります。

 

厚生年金に加入すると、将来貰える年金が増えます。

 

例えば、20年間・月8000円の保険料を納めると65歳からの年金が月9700円増えます。

 

この場合、もし82歳まで生きる予定ならば収支がプラスになります。日本の女性の平均寿命は87歳なのでプラスになる確率は高いでしょう。

また、万が一の時にも障害厚生年金を受け取れることができます。

 

②健康保険の給付・手当が充実する

企業の健康保険に入ることで病気やけがで働けなくなってしまっときに傷病手当金を受け取れます。

 

毎月の給料の3分の2を最長1年6か月受給できます。

また、出産のために産前産後休暇を取ったときに出産手当金を受け取ることもできたり、その後の育休中に育児休業給付金が受け取れたりします。この場合も給料の3分の2が支払われます。

 

このようにしてみると手取りが減ってしまうものの、社会保険に加入するメリットもかなり大きいことが分かります。

 

国民年金と国民健康保険は全額払い損!?

高層ビル

一方、勤務先の社会保険に加入しておらず、年収130万円を超える主婦が入らなければいけないのが、国民年金と国民健康保険です。しかし、主婦にとって国民保険と国民健康保険に加入するメリットはありません

 

なぜなら、最初に書いたように主婦は「国民年金の第3号被保険者」、「健康保険の被扶養者」という立場になるため、夫の被扶養者になっていれば、保険料を支払わなくても同じサービスを利用することができるからです。

 

月額1万6千円の年金保険料を払っても将来の年金は増えませんし、健康保険にも傷病手当金や出産手当金はありません。

 

さらには国民年金、国民健康保険に加入する場合は全額自分で負担することになるので保険料も高いです。

 

手取りだけが激減することになるので、バリバリ働こうと考えない限り配偶者の扶養の範囲内で働いたほうが良いということになります。

 

働き損にならない!手取り額が再び増えるために必要な収入はいくら?

手のひらに地球儀

106万円の壁と130万円の壁、いずれにしても社会保険に加入するすることで手取りが激減することが分かりました。

 

では、さらにどれだけ働いたら社会保険加入以前の水準の手取りを受け取ることができるのでしょうか?

 

見てみましょう。

 

106万円の壁を超えた場合

収入が106万円を超えて働くときには、手取りが社会保険加入以前の水準を超えて再び増え始めるのは、年収125万円を超えてからです。

 

約19万円分は将来のための保険料だと思ってたくさん働く必要があるのですね。

 

130万円の壁を超えた場合

収入が130万円を超えて働くときに、手取りが社会保険加入以前の水準を超えて増え始めるのは、年収170万円を超えてからです。

 

約40万円もタダ働きだと考えるとできるだけ130万円の壁は超えないように意識したほうがいいかもしれませんね。

 

夫の会社の配偶者手当にも注意が必要

手取りを考えるときには、夫の会社の配偶者手当にも注意が必要です。

 

配偶者手当を実施している会社は、妻の収入を103万円以下に設定している場合が多いです。

 

パートを増やすことを考える際は旦那さんの会社の手当の支給条件を考えましょう。

 

社会保険制度は更新可能性あり。2019年も最新情報をチェックしましょう

コーヒーと新聞とパソコン

 

主婦でパートをしている人の社会保険についてまとめました。

 

昨今の働き方改革の見直し等もあり、今後も社会保険制度の加入要件については更新される可能性があります。例えば、501名未満の会社についても106万円の壁を適用にされるのではないか、といった話も出ているようです。

 

家計の助けにパートをしている主婦の方も多いと思いますが、手取り額と社保加入によって得られるメリットをそれぞれ十分に吟味した上で働くようにしてください。

 

また、パートを増やす際には旦那さんの配偶者手当の支給条件も確認しましょう。

 

今後も社会保険制度の改定があったら随時本サイトでお知らせしてきますので、ぜひチェックしてください。