東証一部と二部の違いとは?審査基準・条件・企業数から上場メリットまで解説

ノート

皆さんは東証一部や東証二部という言葉には聞き馴染みがあるかと思います。

 

「〇〇株式会社が東証一部に上場!」と聞くとなんだかめでたい感じがしますよね。

 

ですが、いったい上場するとどうなるのかというとなかなか一般の人はイメージを持つことはできていないのではないでしょうか?

 

そこで今回は東証一部と東証二部のそれぞれの説明と、違いを解説していき、そもそも上場とはどんなものかというのもご紹介していきます。

東証一部と東証二部の違いは上場審査基準!その内容とは?

デスク

東証一部の審査基準

東証一部は、上場に関わる条件が最も厳しい市場です。

 

ですから、東証一部企業というのは厳しい審査をくぐり抜けた企業たちなので、信頼性も高く、ステータスでもあります。

 

該当するのは、皆さんが知っているような日本を代表するような大企業が所属しています。

 

東証一部に上場する際の審査基準は大まかに以下の通りです。(以下の条件はごく一部になります)

 

  • 株主数2200人以上
  • 流通株式数2万単位以上
  • 時価総額250億円以上
  • 最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること
  • 最近2年間の有価証券報告書等に「虚偽記載」ないなどの経営上の虚偽がないこと

など

 

こうした審査を突破し、東証一部に上場している企業は、2019年2月1日時点で、日本には2,128社存在しています。

 

《東証一部上場企業の売上高ランキング〜2018年〜》

  1. トヨタ自動車
  2. 本田技研
  3. 日本郵政
  4. 日産自動車
  5. 日本電信電話
  6. JXTGホールディングス
  7. 日立製作所
  8. ソフトバンクグループ
  9. ソニー
  10. イオン

 

東証二部の審査基準

東証二部は、東証一部に比べて審査の基準が若干緩められています。

 

ですので、所属しているのは概ね中堅中小企業となります。

 

東証二部の条件としては、概ね一部のものを緩和したものであり、

  • 株主数800人以上
  • 流通株式数4000単位以上
  • 時価総額20億円以上
  • 3年以上継続的に事業を継続していること

 

となっています。

 

東証二部に所属する企業数は、2019年2月1日時点で493社と東証一部に比べて少なくなっています。

 

《東証二部上場企業の売上高ランキング〜2018年〜》

  1. 東芝
  2. 三谷商事
  3. マックスバリュ西日本
  4. 日本精機
  5. ハイレックスコーポレーション
  6. リテールパートナーズ
  7. マックスバリュ東海
  8. 中央魚類
  9. IJTテクノロジーホールディングス
  10. エスビー食品

 

東証一部と東証二部の違いは、簡単にまとめると会社の規模や経歴によって生じるものといえます。

 

ですから、イメージとしては東証一部がJ1リーグで、東証二部がJ2リーグと言えるでしょう。

 

会社の業績向上や組織の拡大によって東証二部から東証一部へ上がる企業もあれば、逆に東証一部から二部へ下がってしまう会社もあります。

 

最近では、2017年に東芝が東証一部から二部へ降格したニュースが話題になりましたね。

 

なお、債務超過・時価総額の下落・完全子会社化など、一部二部問わず上場基準を満たせなくなった場合、「上場廃止」といって、証券取引所が投資家保護の観点から取引所での取引を終了させる措置もあります。

 

企業が株式上場するメリット・デメリット

上場とは、誰もが証券取引所を通して、いつでも会社の株式を買うことができる状態のことです。

 

上場をすることによって、企業に大きなメリットがあります。

 

上場によるメリット

上場する企業は以下のような3つのメリットがあるとされています。

 

  • 会社の知名度の向上・ブランドにつながる

 

やはり上場企業というと世間からの注目度が向上します。

 

起業家の多くの方も、上場を目標にやられている方も多くいらっしゃるかと思います。

 

また学生や社会人からの注目も集まりやすくなります。

 

こうした結果、新卒採用や中途採用を通して、より優秀な人材を確保できるようになります。

 

  • 資金調達がしやすくなる

 

上場によって証券取引所を通じた、一般の投資家からの資金提供を受けられるようになります。

 

これによって金融機関以外からも資金調達が可能になるため、スピーディーな経営が実現しやすくなります。

 

  • 金融機関からの信頼性が向上する

 

上場にはこれからご紹介しますが、厳しい審査を突破して上場が認められるため、金融機関(銀行・信用機関etc)からの信用の大きく得られるようになります。

 

これによって金融機関から資金調達をしやすくなる等のメリットがあります。

 

また会社の財務状況も世の中に公開する必要があるため、取引相手の企業からの信用も得やすくなります。

上場によるデメリット

  • 会社の経営を人に口を出される可能性がある

 

上場した企業は株主の意見を尊重しなければなりません。

 

なぜなら、会社法上企業は株主のものだからです。

 

最近では「モノ言う株主」と呼ばれる経営に意見する株主がどんどん増えています。

 

自分の会社なのに好きに物事を決められたくなってしまうことになるので、それが嫌な経営者はあえて上場を控えるケースもあります。

 

  • 買収(M&A)をされる可能性がある

 

上場すると企業の株式は自由に売買されることになるので企業を買収されるリスクが高まります。

 

ご存知の方も多いと思いますが、株式の半分以上を買い占められると経営権を失うことになります。

 

会社や事業に深い思い入れがあり、絶対に買収されたくない場合は、上場を避けることもあります。

 

《上場していない有名企業》

  • サントリーホールディングス
  • 竹中工務店
  • YKK
  • 佐川急便
  • JTB
  • ロッテ
  • 森ビル
  • 小学館

etc

 

上場はどれだけ難しい?東証一部・二部・JASDAQ・マザース企業の設立から上場までの期間を発表!

起業家であれば創業して何年以内に上場するという目標を決めている場合も多いのではないでしょうか。

 

では実際に上場企業の創立から上場までにかかった年数を見てみましょう。以下は2015年の数字になります。

 

全体平均 23年
マザーズ 15年
JASDAQ 38年
東証一部・二部 43年

出典:日本取引所グループのホームページから作成

 

平均年数を見ると23年となっています。

 

大学卒業後22歳で創業し、経営が上手く行っても上場できるのは、45歳になってしまうと考えると上場は決して簡単な道のりではないことはわかりますね。

 

ただしベンチャー企業が数多く上場するマザーズ市場を見ると上場までの平均年数は15年と短くなっています。

 

また実際に創業から一年未満、25歳で上場を果たしたベンチャー起業家もいるので、優れた経営者であれば数年で上場することも不可能ではありません。

投資をする時は、上場企業の財務諸表を見てみましょう。

ポイント

 

今回は東証一部と東証二部の違いや上場とはそもそもどういったものなのかをご紹介しました。

 

起業家としては東証一部上場を目標に活動されている方も多かったり、投資家としても東証一部企業は注目の対象となります。

 

上場している企業では財務情報を公表することになるため、ぜひ投資家の方は各社の財務諸表をしっかりとチェックして、投資先を決めると良いでしょう。