企業を評価する際の一つの尺度に売上があります。
売上が多い企業ほど多くの従業員を雇用し社会への影響力も大きくなるからです。
皆さんは日本で最も売り上げの多い企業がどこか知っていますか?
この記事では日本の売上の多い企業トップ10を紹介します。
日本の売上高TOP10企業
ここで使われる売上高は「日本経済新聞社」がまとめた2017年3月期決算をもとにしています。(ランクイン企業は全て3月期決算でした)
それでは見ていきましょう!
10位 パナソニック 業種:電機 売上高:7.3兆円
第10位にランクインしたのは大手電機会社のパナソニックでした。その売上高は7兆円を超えています。
昔は松下電器産業という社名で、創業者の松下幸之助は「経営の神様」として知られ日本の名経営者を語るうえで欠かせない人物です。
かつて主力だった冷蔵庫、洗濯機といった白物家電は中国企業との競争で苦戦が続いています。
一方で女性用の美容家電や車載用の電気機器、照明など強みのある分野ではその影響力を発揮しています。
特にモノとネットが繋がる「IoT」への取り組みや電気自動車会社「テスラ」へバッテリーを供給、トヨタ自動車とも自動運転に開発で提携するなど最先端技術への投資を加速しています。
9位 ソニー 業種:電機 売上高:7.6兆円
かつて「ブラウン管テレビ」や「ウォークマン」など革新的な製品を次々に世に出し「エレクトロニクスの巨人」と称されたソニーですが、2000年代に入ってから家電分野から撤退するなど苦戦が続いていました。
ただ2018年現在では「半導体」、「ゲーム」、「金融」を柱に業績は急回復を遂げ過去最高益を記録しています。
かつてのような革新的な製品を提供してくれるのか待ち遠しいですね。
8位 イオン 業種:小売 売上高:8.2兆円
第8位には日本全国に大型ショッピングモールを展開するイオンがランクインしました。
地方に住んでいる人ならイオンなしでは生活できない人も多いのではないでしょうか。
日本の楽天、ヤフー、アマゾンのショッピング売上を全部足しても約6兆円(2017年)なのでイオンのすごさがよくわかると思います。
ちなみに日本の百貨店全ての売上を足しても約6兆円です。
日本ではほとんど出店しつくされたイオンですが、東南アジアや中国事業でも拡大を図っていて売り上げはさらに伸びていくでしょう。
7位 ソフトバンク 業種:通信 売上高:8.9兆円
第7位にはソフトバンクがランクインしました。
国内の携帯キャリアでは3番手のソフトバンクですが、売上の4割をアメリカの通信子会社「スプリント」が占めています。
またヤフージャパンも売上の1割を占めています。
売上高10兆円に届く勢いのソフトバンクですが、2018年には国内携帯事業をソフトバンクモバイルとして上場させる予定です。
ソフトバンク本体は持株会社&投資会社となっていく予定みたいなので一時的に売上は減少するでしょう。
「100兆円」ファンドを通して世界中の有力IT企業への投資を進めている孫正義社長の次の一手に注目ですね。
6位 日立 業種:電機 売上高:9.2兆円
第6位には国内最大の電機メーカー日立がランクインしました。その売り上げはなんと9兆円超え!
電機メーカーといっても家電分野は中国メーカーに押されシェアは縮小しています。
代わりに収益の柱となっているのがIoTなどの情報通信システム、原発などの電力、鉄道車両、建設機械、車載機器などです。
特に鉄道車両や原発などのインフラでは政府と連携して海外進出を加速するなどかなりの存在感を発揮しています。
売上高TOP5の発表!
トップ5を見ていきましょう!ここからは売上高10兆円を超えてきます。
5位 NTT 業種:通信 売上高:11.4兆円
第5位にランクインしたのは通信事業で日本最大手のNTTグループの持ち株会社のNTTです。
傘下にはNTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズなどそうそうたる企業が並んでします。
ちなみにNTTドコモも上場していて、その売上は4.6兆円と21位にランクインしています。
もともと日本電話電信公社と呼ばれる国営企業でしたが民営化され今のような形となりました。
グループ各社ともに高い参入障壁によって高収益性を維持しており、変化の激しい今の時代には珍しい超安定企業と言えるでしょう。
4位 日産自動車 業種:自動車 売上高:11.7兆円
第4位には日産自動車がランクインしました。
日産は2000年初頭に経営危機に陥りましたが、ルノーから派遣されたカルロスゴーン社長の下で立て直しに成功した経験があります。
現在では最大の市場中国でトヨタの販売台数を上回る勢いで販売を増やしています。
2016年には不祥事で揺れる三菱自動車を傘下に置いたことで2017年にはルノー・日産・三菱連合がトヨタとフォルクスワーゲンを抜き世界販売1位を記録しています。
3位 日本郵政 業種:サービス 売上高:13.3兆円
第3位に日本郵政がランクインしました。
日本郵政も元々国有企業でしたが、2000年代前半に小泉内閣の郵政民営化政策の下で民営化が決定されました。
2007年に民営化し2015年には東京証券取引所に上場しました。
日本郵政の傘下には郵便・物流事業を行う「日本郵便」、貯蓄機関の「ゆうちょ銀行」、生命保険の「かんぽ生命」の3社がぶら下がっており、ゆうちょ銀行とかんぽ生命のいずれも上場しています。
民営化の最終段階として将来的にゆうちょ銀行とかんぽ生命の株をすべて手放す必要があるのですが、郵便事業が赤字で穴埋めを金融に頼っている現状では実現が難しくなっています。
現状を打開しようとオーストラリアの物流会社を傘下に納めたものの、2017年には4千億の損失を生む結果となりました。
今後も打開策は見えず苦しい状況は続きそうです。
2位 ホンダ 業種:自動車 売上高:14兆円
第2位には自動車メーカーのホンダがランクインしました。
日本の自動車市場では日産と販売台数が伯仲していますが、売上では日産を大きく上回っているのですね。
この背景には祖業であり世界首位の販売台数を誇る二輪車の売上約2兆円が大きく貢献しています。
他のメーカー同士の提携や合併が進む中でホンダは主要自動車メーカーの中ではほとんど唯一他の企業と資本提携を結んでいません。
また、日本メーカーで唯一F1に参入するなど独自の路線を突き進んでします。
1位 トヨタ 業種:自動車 売上高:27.6兆円
栄えある売上第一位の企業は自動車メーカーのトヨタ自動車でした。
その売上高は30兆円に迫り、2位以下を大きく引き離しています。
また最近ではマツダと資本提携を結び、ダイハツを完全子会社するなど日本の自動車業界のトヨタ、日産、本田の3社への再編が加速しています。
圧倒的な売上と利益を誇るトヨタですが不安要素もあり、それが電気自動車の普及拡大です。
エンジンや部品が大幅に異なる電気自動車市場でも今までと同じように圧倒的な地位が気づけるかはトヨタのこれからの戦略にかかっています。
売上高上位企業に共通する点は?
売上高上位企業に共通する点は何でしょうか?
業種としては電機、通信に自動車と特定業界から複数企業がランクインしています。
これらの業界は規模の経済性が働きやすいこと、政府によって参入が規制されていたり膨大な初期投資が必要なことから参入障壁が高いなど売り上げが大きくなりやすい傾向があります。
また、小売業として唯一イオンがランクインしているのはアメリカで唯一ウォルマートが勝ち残っているのと似ていて興味深いですね。
旧国営のNTTや日本郵政は独占業務を行っているおかげか売り上げが大きくなるのも納得です。
全体としては自動車産業の強さが目立ちます。
売り上げ上位4社中3社が自動車メーカーです。
日本の電機産業は韓国、中国との競争で多くの企業がシェアを落としましたが自動車業界はそうならないように先を見据えた戦略を取ってほしいものです。
日本の売上高トップ企業についてまとめました。
やはりというか皆さんのよく知っている企業が多かったのではないでしょうか?
これからどんな業種が伸びてくるのか注目ですね。
また、こうした大企業の経営者・創業者は世界の億万長者ランキングにも名を連ねています。
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