新年になり、心機一転新しいアルバイトやパートを始めようという主婦も多くいらっしゃると思います。
しかし、実際に働くとなると皆さん扶養のことを気にされますよね。
「せっかく働いても夫の扶養を外れると損をする」ということは皆さんご存知だと思いますが、ではパート主婦が具体的に年収をいくら稼いだら扶養を外れるのかはかなり複雑です。
巷では、103万円だとか、130万円だとか諸説ありますが、自分は一体いくらまで働いて良いのかをしっかり把握しておくことは重要です。
そこで今回は、税金の扶養、社会保険の扶養それぞれのケースごとにパートが稼いでよい年収の上限額を解説していきます。
税金上の扶養に入るための年収の上限はいくらまで!?
まずは、パート主婦の所得税に関する扶養をみていきましょう。
扶養控除や配偶者控除を受ける方は年収103万円以内に抑えましょう!
まずは所得税における扶養に関してご紹介していきます!
所得税においては、扶養家族に対しては扶養控除、配偶者に対しては配偶者控除という別の控除が設けられています。
扶養控除で控除される金額は、扶養に入った人の年齢によって以下の表のように異なります。
年齢 | 所得からの控除額 |
16歳未満 | 扶養控除なし |
16~18歳 | 38万円(住民税33万円) |
19~22歳 | 63万円(45万円) |
23~69歳 | 38万円(33万円) |
70歳以上(同居していない場合) | 48万円(38万円) |
70歳以上(同居している場合) | 58万円(45万円) |
扶養控除は16歳以上のお子さんから、年金を受給されているご両親や祖父母の方も対象となっています。
一方配偶者控除は、妻の年齢にかかわらず夫の年収に対して38万円分の控除がなされます。
これら配偶者控除と扶養控除が受けられるのは、扶養に入る方の年間の収入が103万円以下の場合なので、控除を受けたいという方は103万円を超えない働き方が必要です!
配偶者特別控除の満額は150万円まで!
年間で103万円以上の収入があると、妻は配偶者控除の対象から外れてしまいます。
しかし、配偶者に関しては年収が103万円を超えたからといって控除が全くなくなるわけではありません。
こうした場合に受けられるのが、配偶者特別控除です。
この配偶者特別控除は、妻の年収が150万円に達するまでは、配偶者控除と同様の満額38万円が受けられます!
配偶者特別控除のは年収が201.6万円を超えると受けられなくなります!
ただし、配偶者特別控除は妻の年収や夫の年収の大きさに応じて次第に少なくなっていきます
妻の年収と夫の年収に対する控除額をまとめたのが下の表です。
配偶者特別控除 | 夫の年収 | ||||
1120万以下 | 1170万円以下 | 1220万以下 | 1220万超え | ||
妻の収入 | 150万以下 | 38万 | 26万 | 13万 | 0 |
155万以下 | 36万 | 26万 | 13万 | 0 | |
160万以下 | 31万 | 21万 | 11万 | 0 | |
166.8万未満 | 26万 | 18万 | 9万 | 0 | |
175.2万未満 | 21万 | 14万 | 7万 | 0 | |
183.2万未満 | 16万 | 11万 | 6万 | 0 | |
190.4万未満 | 11万 | 8万 | 4万 | 0 | |
197.2万未満 | 6万 | 4万 | 2万 | 0 | |
201.6万未満 | 3万 | 2万 | 1万 | 0 | |
201.6万以上 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2018年に配偶者特別控除に関する条件がややこしくなっています。
特にパート年収が150万円を超えるような場合には、上の表を参考に働いたことで、税金がどのように上がるのかを計算しておくと良いでしょう!
社会保険の扶養に入るための年収上限は!?
社会保険における扶養は会社の規模や勤務時間なども加味して、条件がやや異なります。
それぞれの基準を106万円の壁や130万円の壁と呼ぶので、それぞれ見ていきましょう!
106万円の壁とは!?
106万円の壁とは、ただ単に収入が106万円以上なら、社会保険料を支払う必要があるわけではありません。
下の条件をすべて満たす必要があります。
- 正社員が501人以上の会社でパートをしている
- 収入が月8万8000円以上
- 雇用期間が1年以上の見込み
- 所定労働時間が週20時間以上
- 学生ではない
※収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
条件を満たした場合に加入するのが、厚生年金と企業の健康保険です。
この厚生年金と企業の健康保険の部分はとても重要です。負担は企業と折半で、加入することで将来の年金受取額が増え保障内容も手厚くなるからです。
扶養内で働くことで社会保険料の支払い義務は発生しませんが、社保に加入すると将来受け取れる厚生年金が増える等のメリットもあります。
どちらの選択をするかは、それぞれのメリット・デメリットを考えた上で、ご家庭の状況に合わせて決めてください。
130万円の壁とは!?
では、106万円の壁が適用されず、収入が130万円を超えてから保険料を支払う必要があるのはどんな場合なのでしょうか。
条件は下の2つです。
- 「106万円の壁」の条件を満たさない
- 月収が10万8334円以上(年収130万円以上の見込み)
※月収に残業手当、通勤手当、賞与を含む
条件を満たした場合に加入するのが国民年金と国民健康保険です。
保険料は全額自分で負担する必要があります。
負担が大きいうえに保障内容も薄いため、加入するメリットは正直とても薄いです。
ですから、扶養に入る家族がいるのであれば、年収は130万円以内に収めておくことが現実的なラインになります。
それ以上稼ぐ場合には、社会保険での徴収される分を賄うならさらに10万円以上稼ぐ必要があるのです。
おわりに
今回は、税金上の扶養と社会保険上の扶養に対する年収の上限に関して解説していきました。
税金と社会保険では条件がかなり異なるため、全く別のものであることをしっかりと認識しておきましょう!
お金のカタチでは、仮に扶養を外れてしまった場合にはどうなるのかもご紹介しているので、よろしければ合わせてご覧ください!
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