子供の教育資金の貯め方についてお悩みではありませんか!?
小学校・中学校・高校・大学と子供の教育資金は、人生がかかる大きなお金の一つと言われています。これからの進学などを考えて、早い内から教育資金を準備しようと考えてらっしゃるお母さん・お父さんも多いと思います。
しかし、貯金の必要性は分かりつつも、「一体どうやったら効率的に教育資金を貯めれるのか分からない」という声も聞きます。
ひと昔前は、教育資金といえば、学資保険が一般的でしたが、最近では、ジュニアNISAといった制度も出てきて様々な貯金方法が雑誌やニュースで紹介されています。
そこで今回は、「学資保険とジュニアNISA、教育資金を貯めるならどちらにするべきか?」というお悩みにお答えしていきます。
また、学資保険とジュニアNISA以外にどういった貯蓄方法があるのかも合わせてご紹介していきます。ご家庭の状況やお子さんの進学先などによって、自分たちに合った教育資金の貯め方はまちまちです。
ぜひ本記事を参考にして、おすすめの貯金方法を見つけてください。
POINT!
- ジュニアNISAのメリット・デメリットが分かる!
- 学資保険のメリット・デメリットが分かる!
- ジュニアNISAと学資保険の違いが一眼で分かる!
- ご家庭に合った教育資金の貯め方が分かる!
ジュニアNISAは、子供の資産形成をサポートする非課税制度
まずはじめにジュニアNISAの仕組みや内容を確認しましょう。
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは、2016年にスタートした、子どもの将来に向けた資産形成をサポートするために導入された非課税制度です。
ここでは、ジュニアNISAの特徴をご紹介します。
対象年齢
ジュニアNISAでは、親権者が子供の将来の資産形成をするための制度なので、対象年齢は日本に居住する0〜19歳までとなっています。
ただし、口座管理や資産運用については、原則として未成年者は行いません。
口座開設者は未成年者の名義となりますが、親などの親権者等が未成年者に代わって口座の管理・運用を行います。もし、未成年者本人が金融商品の売買注文を行う場合は、その都度、親権者等の同意が必要になります。
対象商品・非課税投資額
原則、子供が18歳になるまでは資金の払い戻しはできません。
利用可能期間
ジュニアNISA口座の開設期間は2023年で終了します。
ジュニアNISAの最大のメリットは口座開設から5年間は年間80万円までの非課税投資枠が用意されている点です。
2020年に口座開設すると、サービスは2023年に終了するので、80万円までの非課税投資枠は、4年分しか使えません。つまり、2019年が5年間の非課税投資枠を使い切る事ができる最後の年なのです。
ジュニアNISAのメリット・デメリット
ジュニアNISAのメリットとデメリットをご紹介します。
メリット①相続税対策になる
ジュニアNISAを利用しなくても、教育資金は一括贈与の特例制度と都度贈与を使用すれば、1500万円以上の金額を非課税で子供に贈与することができます。
ただし、この制度を利用するには贈与を受けた側が30才までに使い切る必要があるなど様々な条件がついてしまいます。
また、都度贈与の場合も「子供が必要とするときに必要なだけ」という条件が付いているので、贈与する金額に制限ができてしまいます。
その点、ジュニアNISAは0才名義でも年間80万円まで資金を提供することができます。つまり相続税のことを気にする必要もないし、運用益は非課税なので、毎年80万円を5年間運用できれば、合計400万円、さらに利益にも非課税なので、相続税も0円で子供に資産を渡す事ができます。
メリット②子供に投資環境を提供できる
2つめのメリットは「投資機会を提供できる」という点です。
ジュニアNISAの運用期間が終了した年齢が20才をすぎていれば、成人向けのNISA口座が開設され、ジュニアNISAで運用していた商品はそちらに引き継ぐことが可能です。
つまり、ジュニアNISAを開設することで将来子供が投資をする機会を強制的に作れるので、学校では習わない金融リテラシーについて、いちはやく勉強する事ができます。
もちろん、口座を廃止しすべて現金にすることも可能です。
デメリット①元本割れのリスクがある
デメリット②金融機関の変更ができない
また、ジュニアNISAの場合、一度専用の口座を開設すると、金融機関の変更はできません。
もし途中で金融機関の対応や手数料などに不満があったとしても、その金融機関の口座を使い続ける必要があるのです。
だからこそ、口座を開設する段階で、対応の手厚さや手数料など、詳しく調べておく必要があります。
学資保険は、教育資金を貯める貯蓄型の保険
契約者は毎月返戻率に応じて、決まった額の保険料を支払います。
返戻率とは、「支払った保険料に対して、いくらの保険金がもらえるか」をパーセンテージで表したものです。たとえば、支払う保険料が合計100万円で受取る保険金が105万円の場合、返戻率は105%になります。
一般的に返戻率は105%前後のものが多く、安定して資産運用を行えます。また、保障内容を充実させた場合には、返戻率が低くなる傾向があります。
保険料の相場
学資保険の毎月の保険料の相場は以下の通りです。
順位 | 毎月保険料の相場 |
1位 | 1~2万円 |
2位 | 1万円 |
3位 | 2~3万円 |
次に、学資保険の返戻額の相場について紹介します。
最も多い額は100~200万円でした。大学の学費など使い道が多いそうです。
順位 | 満額の返戻額 |
1位 | 100~200万円 |
2位 | 200~300万円 |
3位 | 100万円未満 |
保険の加入期間
どれくらいの期間にわたって保険料を支払うのかによって、返戻率は変わってきます。
18歳満期に設定し、満期までずっと毎月保険料を払い続けるを支払方法を「全期払い」といいます。この場合、月々の負担は小さくなるかわりに、返戻率も小さくなります。
一方で、18歳満期に設定し、5年間や10年間で保険料の支払いを終える支払方法を「短期払い」と言います。月々の負担は大きくなりますが、その分返戻率も大きくなります。
短期払いのメリットとして、5年間であればお子さまが小学生になる前に、10年間であれば中学生になる前に、保険料の支払いを終えられる点が挙げられます。私立の学校への進学など、お金がかかるタイミングで保険料を支払う必要がなくなるのです。
上手に貯蓄するためには、将来設計に応じて加入期間を合わせる事が大切です。
学資保険のメリット・デメリット
学資保険のメリットとデメリットをご紹介します。
メリット①契約者が死亡した場合でも満期金を受け取れる
1つ目は、ご両親に万が一の場合があった際も教育資金を遺せることです。
ほとんどの学資保険では契約者に万が一のことがあった場合には、保険料払い込み免除となり、以後の保険料を支払わなくとも本来の満期の際に契約した通りの満期金が受け取れるようになっています。
その為、銀行で貯蓄をしているだけでは残るお金はそこまで貯めたお金のみですが、学資保険では準備してあげたかった金額がしっかりと残せます。
メリット②貯蓄の強制力がある
2つ目は、強制的に教育資金が貯蓄できることです。
貯蓄をすることに関して最も重要なことは貯蓄できる仕組みを作ることです。
貯蓄のできる人は収入からあらかじめ貯蓄すべき金額を引いた後のお金で日々の生活します。それに対して貯蓄のできない人は得た収入から日々生活をした上で余ったお金を貯蓄に回すというパターンの人です。
その為、普段の貯蓄の仕組みをしっかりと作っておくことで確実に貯蓄をすることができます。
中々、貯金がうまくいかないという人は、学資保険のように半ば強制的に貯金に回せる仕組みを利用すると良いでしょう。
デメリット①元金保証がない
学資保険は中途解約をすると元本割れを起こす可能性があります。
貯蓄をしていく中でどうしても突発的にお金が必要になるタイミングがあるかもしれません。
そういった場合に学資保険は元本割れをしてしまいます。その際には今まで払った保険料よりも少ない金額でお金が戻ってきてしまいます。銀行で預金をしていた方が元本保証のある分、良い場合がります。
デメリット②低金利時はうまみが少ない
現在のような低金利時代の場合、学資保険のような長期固定金利型商品に加入しても、あまり金利メリットを得ることができません。
好景気になっても不景気になっても利率は常に同じです。仮に払い込み期間中に大きなインフレが起きた場合、満期金を受け取ったとしても必要額に満たない可能性もあります。
ジュニアNISAと学資保険の違いを比較!
加入時期 | 契約者 | 元本割れ | 収益性 | 中途解約 | |
ジュニアNISA | 出生後しばらく | 父母のみ | 可能性あり | 高い | 不可 |
学資保険 | 出産予定日の140日前から | 父母と祖父母 | 途中解約すると可能性あり | 低い | 可(ただし受け取り額は減額) |
加入時期
学資保険には、子供が生まれる140日前(妊娠6ヶ月)から加入できる、出世前加入という制度があります。
一方で、ジュニアNISAの場合、お子さんが生まれてから、役所へ出生届を提出しマイナンバー通知カードを受け取ってからでないと契約ができません。
妊娠中から学資保険に加入するメリットとしては、契約者に万が一のことがあった場合に保障が上乗せされることです。
例えば、出産前に払込免除特約のある学資保険に加入して、契約者である夫に万が一のことがあった場合、以後の保険料の支払いは免除となり不要です。
満期保険金は予定通り受け取ることができるため、教育費や生活費に充てることができます。
契約者
契約者も異なります。ジュニアNISAは原則として親権者でないと口座の開設はできません。
一方で学資保険の場合、親権者以外にもに祖父母も契約できる場合があります。しかし、契約者の範囲を満たした場合であっても、年齢と健康状態をクリアしなければ契約できません。
つまり、ジュニアNISAでは祖父母が運用していくことはできません。運用管理は父母が行う必要があるのです。
元本割れのリスク
リスクにも違いがあります。学資保険の場合、受け取る金額は契約時に確定しています。また、大抵の商品は返戻率が100%を超えています。
ジュニアNISAの場合は、投資運用をするので学資保険よりも資産を増やすことも可能ですが、一方で元本割れのリスクが伴います。
どちらが良いかは家庭の経済状況を考え判断すると良いでしょう。
収益性
学資保険は契約時に決められた範囲でしかお金は増えません。契約後の経済状況が反映されない点は、メリットともデメリットとも取れます。
しかし、ジュニアNISAの場合、売却益や配当に課税がされないので、運用次第では、大きなリターンを受け取れます。
中途解約
学資保険、ジュニアNISAともに途中で解約すると不利益が生じます。
学資保険の場合は、解約時期に応じた解約金が決められています。解約金はほとんどの時期で支払った金額の合計よりも少なくなります。
ジュニアNISAの場合中途解約は原則不可能です。もし仮に中途解約をおこうなうと、過去の投資で得た利益や配当金すべてに課税がされます。運用はいつでも止められます。
つまり、ジュニアNISAのメリットである課税控除がなかったことになります。一度契約したら途中解約はしないほうが良いでしょう。
ジュニアNISAと学資保険、教育資金はどちらで貯めるべき?
ここまで両者の違いについて比較してきましたが、いったいどちらに加入すれば良いのでしょうか?
どちらも良い資産形成方法になりますが、家庭の状況に合わせて選択すると良いでしょう。
ジュニアNISAがおすすめな人
また、ジュニアNISAは原則として、お子さまが18歳になるまでは引出しができません。元本割れの可能性もあるジュニアNISAですので、いざというときに使えるお金を確保したうえで運用する必要があります。
学資保険がおすすめな人
安全性を重視する人や、コツコツと資金を貯めていきたい人には、学資保険がおすすめです。
なぜかというと、毎月一定の保険料を支払うことで、契約時に決めたタイミングや満期時に、設定した金額が受けとれるからです。
たとえば、満期時の受取り金額が200万円程の学資保険であれば、月々の支払いは1万円~2万円程度になるのが一般的です。もちろん、小さい金額でも安定的に教育資金を貯めることができます。
また、学資保険では、満期の設定を契約時に選択できるので、18歳満期に設定すれば、大学入学時などにもお金を受け取る事が可能です。
ジュニアNISAと学資保険の併用もOK!
「ある程度の教育資金は確実に持っておきたいが、一方で資金を増やしたい」という方もいると思います。そのような方は、ジュニアNISAと学資保険の併用をおすすめします。
ジュニアNISAと学資保険を併用することで、それぞれのメリットを生かしながら、お互いのデメリットを補うことが期待できるからです。
具体的な例としては、将来の教育資金のため毎月5万円を貯めることができるなら、「ジュニアNISAに1.5万円、学資保険に3.5万円」というようにジュニアNISAと学資保険それぞれに資金を振り分ける方法です。
ただし、このジュニアNISAと学資保険の割合は「安全性と収益性のバランス」などをしっかりと考慮して決める必要があります。
それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで教育資金を準備しましょう。
子供の教育費、一体いくらかかるの?幼稚園から大学までの学費一覧
幼稚園にかかる費用
幼稚園では、効率と私立によってかかる費用が倍以上変わります。
効率幼稚園の場合、年間の学習費は約22万円、私立幼稚園では年間約50万円になります。また、小学校受験をする場合には塾に通って対策を取らなければ行けないので注意が必要です。
小学校にかかる費用
公立小学校の場合、授業料はかかりませんが行事やPTA関係費などを合算して年間10万円くらいかかるとみておくと良いでしょう。私立小学校の場合は公立小学校での費用にプラスして、月額数万円〜10万円ほどの授業料がかかるようです。
文部科学省の調査によると、小学校6年間の教育費は公立は約183万円、私立は約853万円で4.6倍も違ってきます。
この頃になると習い事をするようになります。スポーツや音楽、通信教材や塾などに行けばいくほどお金は当然かかるので、早い時期からコツコツと準備をしましょう!
中学校にかかる費用
一般的に、公立中学校では年間50万円、私立中学校では130万円〜140万円程度かかるといわれています。
公立中学校でも授業料はかかりませんが、給食費や修学旅行、課外活動費、部活動の費用などで年間10万円から15万円程度の費用が必要となります。
また、ほぼ全ての中学生が塾や家庭教師、通信教育サービスを利用するようになるので毎月1万円〜2万円程度の教育費もかかっていきます。私立中学校の場合には、授業料が上乗せされてくるので学校にもよりますが、私立中学校の倍近く費用がかかってしまうケースが多いようです。
高校にかかる費用
公立高校の場合は中学校とそれほど負担は変わりません。
しかし、大学入試が近づいてくると予備校などに通うケースが増えてくるので公立中学校よりもやや負担が増加し、年間40万円程度の費用が予想されます。
総務省によると、高校で必要な学費は、平均で公立高校が約115万円、私立高校が約290万円と言われています。
また、大学受験の際には受験料に加えて遠方まで移動・宿泊をしなければならないケースもあるのでお金の面でも大学受験の準備は欠かせません!
大学にかかる費用
国立大学の場合は教育費が、480万円となり、私立大学は学部によって異なりますが、文系は695万円、理系では、880万円くらいが相場とみられています。これとは別に医学部に進んだ場合は1000万円以上かかる場合もあります。
また、大学入学をきっかけに一人暮らしを始める、といった場合には引っ越し費用や家賃がかかります。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による、「平成 26 年度学生生活調査」によれば大学生への家庭からの仕送り額は平均で年間120万円ほどとなっています。
オール私立・オール公立の総額
では、子供をずっと公立の学校に通わせた場合と、私立の学校に通わせた場合ではいくら差が出るのでしょう。
公立の場合は1200万円〜1300万円程度、私立の場合は2500万円〜2700万円程度のお金がかかると概算できます。こうしてみると公立だけに通わせた場合に比べて、私立だけに通わせた場合ではざっと見ても2倍以上の費用がかかってしまうようです。
また今回は必要最低限の金額を算出したものに過ぎないので、習い事によってはかなり高額な道具が必要となるのでその点でも注意が必要ですね。
ジュニアNISA・学資保険以外の教育費の貯め方
財形貯蓄
財形貯蓄は、企業が毎月の給与から一定額を天引きして金融機関に送金を行うという、会社を通して貯蓄を行う制度です。
その為、ついついお金を使ってしまう浪費グセがある人にはオススメの貯蓄方法です。
しかし、財形貯蓄制度は誰にでも利用できる制度ではありません。個人での加入はできないため、勤務先の職場にその制度を導入していれば利用できます。利用したい場合は、確認してみてください。
定期預金・定期積金
定期預金は、預入期間に払い戻しをしないことを条件に、一般的に普通預金よりも金利が高くなる預金商品のことです。
毎月一定の日に、一定額を定期預金・定額貯金に振替えることで積立を行います。
給与が振込まれる口座からの振替を設定し、しかも、給与振込日の翌日などに振替日を設定すれば、確実に貯められます。
職場に財形貯蓄の制度がない人や、自営業者などにオススメです。
ネット定期・個人向け国債
日ごろから金融商品や金利情報などにアンテナを張っている人には、財形貯蓄や定期預金では物足りないかもしれません。
そういう場合にはネット定期や個人向け国債がオススメです。
ネット定期では、満期を向けるまでの期間や預入の金額によって金利は変わってきますが、都市銀行の定額預金などと比べると2倍から3倍の金利が付くことがあります。
国債は、日本政府が資金調達を目的に発行しており、国が責任を持って顧客から借りた資金と金利の支払いを保証しています。
そのため国債を購入する場合、元本が戻ってこなくなることや、金利がゼロになるといったリスクがなく安全に資産運用ができます。
児童手当
将来のために児童手当には手をつけず、給料だけで生活するという方法があります。
児童手当とは、中学校修了前で(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童1人につき月額1万5千円または1万円を支給する制度のことです。
児童の年齢や出生順に応じて受け取ることのできる金額が異なっており、以下のようになっています。
支給対象児童 | 一人当たり月額 |
0歳~3歳未満 | 15,000円(一律) |
3歳~小学校修了前 | 10,000円 (第3子以降は15,000円※) |
中学生 | 10,000円(一律) |
児童手当を全額受け取った場合、約210万円もらえます。
資金に余裕がない方にオススメの貯蓄方法です。児童手当は出生の次の日から数えて15日以内に、お住いの市区町村への申請手続きが必要になるので注意してください。
今回は、様々な教育資金を貯める方法を紹介しました。家庭の状況に応じて自分に合ったプランを選択してみてください。
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