経営者のM&Aに対する意識調査「5年以内にM&Aの可能性」3割超

資料 経営者

近年、中小企業の後継者不足の問題が各所でクローズアップされていますが、実際のところ中小企業経営者は事業承継やM&Aに対してどのような意識を持っているのでしょうか。

M&A(企業の買収・合併)仲介大手のストライクが健康関連企業などの経営者に実施したアンケートによると、5年以内にM&Aに関わる可能性があると回答した経営者は3割を超えました。

今回はストライク社のアンケート結果をご紹介すると共に、中小企業経営者のM&Aに対する意識を探っていきたいと思います。(アンケートは20代〜70代の経営者が対象、有効回答者数は311人)

M&Aの目的、過半数以上が「後継者不足の解消」と回答

M&A経営者 意識調査 その1

調査結果によると、「5年以内にM&Aに関わる可能性があるか」との質問に、約33%の人が「可能性がある」と答えました。

そのうち、「譲渡側となる可能性がある」と回答したのは15%、「買収側となる可能性がある」は7%、「両方の可能性がある」は11%という結果に。「M&Aに関わる可能性はない」は48%でした。

第一次ベビーブームの時期に生まれた「団塊の世代」の大量退職などを背景に、中小企業では事業をどのように次の世代に伝えていくかが深刻な課題となっていることから、「譲渡側となる可能性がある」との回答を押し上げたとみられます。

M&A経営者 意識調査 その2

「M&Aをする目的は何か」との質問に対する回答では、「後継者不在の解消」との回答が53%に達し、高齢化社会の影響が色濃く反映された結果となりました。

一方、その他の回答をみてみると、「事業の短期間での拡大」(19%)、「営業エリアの拡大」(16%)、「新規事業への進出」(15%)、「事業の選択と集中」(15%)などが続いた。跡継ぎがいないという回答だけでなく、前向きの事業戦略の選択肢の一つとしてM&Aを検討している経営者も多いことがわかります。

年代別でみるM&A!20代は新規事業の資金調達、30代は経営基盤の安定が多数を占める

M&A経営者 意識調査 その3

経営譲渡側の目的を年代別にみると、20代では「新規事業や事業再生のための資金調達」が回答の25%と多く、30代では「大手資本の傘下へ入り経営基盤を安定化」が14%と多い結果になりました。

一方で50代~70代以上では「後継者不在の解消」との回答がいずれも5割を超え、経営者が高齢になるほど後継者不在の問題が深刻になっていることをうかがわせます。

事業拡大の手段としても一般的になりつつあるM&A

以上、ストライク社が実施した経営者アンケートをご紹介してきました。

将来的に事業譲渡を考えている経営者は全体の3割にのぼり、後継者不足の解消を目的とする人が多くを閉めましたが、若い世代ではむしろ資金調達や経営基盤の安定といった事業手段の一つとしてM&Aが認知されていることがわかります。

2019年は国内M&A市場が盛り上がりをみせ、このままのペースでいくと10年ぶりの最高水準に達することが予想されています。市場全体が活況をみせるなか、これからM&Aがより経営者にとって身近になってくるのではないでしょうか。

お金のカタチは引き続きM&A業界の動向をお知らせしていきますので、ぜひチェックしてみてください。

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