スマートコントラクトという言葉を聞いたことはありますか?
仮想通貨、とりわけイーサリアムなんかに興味がある方は一度は聞いたことがあるかと思います。
いま仮想通貨の基盤技術となっているブロックチェーンの世界ではスマートコントラクトという言葉も話題になっています。
そこで今回はそんなスマートコントラクトについてお伝えしていきたいと思います。
スマートコントラクトとイーサリアム
スマートコントラクトはイーサリアムの最大の特徴と言われています。
そこでスマートコントラクトについてお伝えする前にまずはイーサリアムについて少しだけ見ていきましょう。
イーサリアムについて
イーサリアムの概要(2018年1月11日時点) | |
時価総額 | 2位(約13兆7000億円) |
通貨単位 | ETH |
価格 | 1ETH=約15万円 |
発行上限枚数 | 未定(初期発行:7,200万ETH) |
LIVE COIN WATCHより
イーサリアム(Ethereum)は仮想通貨の名前として知れ渡っていますが、じつは仮想通貨の名称ではなく「イーサリアムプロジェクト」というアプリケーションを作成するプラットフォーム、関連プロジェクトを総称してイーサリアムと呼んでいるのです。
そのプロジェクトで使われている仮想通貨のことをイーサ(ETH)と言っています。
ビットコインが決済用の仮想通貨として利用されているのに対して、イーサリアムはアプリケーションを作成するプラットフォームでそのイーサリアムをあらゆる目的のために使えるようにと誕生したのがイーサリアムなのです。
イーサリアム(Ethereum)とは?ETHの特徴を解説!
スマートコントラクトとは
スマートコントラクトとは名前の通りコントラクト(契約)をスマート(賢く)に実行できる概念です。
執行条件と契約内容を予め決めてプログラム化しておくことでその条件が満たされた際に自動的に契約が実行される仕組みです。
取引のプロセスをブロックチェーン上で行うことによって、そういった執行条件と契約内容をブロックチェーン上に記載し、契約書類の発行なく取引ができ、決済までの期間を短縮したり不正防止、仲介者を通さずユーザー同士が直接取り引きできることからコスト削減にもつながると言われております。
もともとスマートコントラクトというの概念は1990年代にNick Szaboという学者によって論文が発表されました。
このスマートコントラクトがはじめて導入された事例として自動販売機が挙げられます。
自動販売機は「利用者が金額を投入する」「特定の飲料を選択する」という2つの条件を満たしたときに「その飲料を利用者に提供する」という契約がプログラムされているため、販売業者や仲介業者などの第三者を通じず自動的に契約が実行されます。
この取引には契約書は存在していませんよね?
このようにここではコントラクト(契約)とは紙に記された契約だけを指すのではなく、取引行動全般が対象となります。
さてこのスマートコントラクトをブロックチェーン上でのプログラムとして実行するとどういったことが起こり得るのでしょうか。
ひとつ目に挙げられるのはデータ改ざんを防ぐことができるという点です。
契約のデータが改ざんされないというのはどういうことなのでしょうか。
ブロックチェーンはP2Pと言われる複数の端末間で通信を行う方式(Skypeなどがそれに当てはまる)を採用しており分散型ネットワークとも呼ばれているように個々の端末が相互につながっているので、ある一部で不正に改ざんが行われても他の端末と照らし合わせれば不正がわかるというものです。
このブロックチェーンの特性があるためブロックチェーン上でのスマートコントラクトというのは契約が改ざんされないということが保証されるのです。
またスマートコントラクトと用いるとあらかじめプログラムされた執行条件が満たされたときに自動的に契約が実行されるので、例えば商品購入代金を支払っただの支払っていないだので揉めることや、先に商品を受け取ってその後支払いがないなどの問題を防ぐことができるのではないかと言われています。
しかしやはりプログラムの性質上契約の解釈が難しいような曖昧な定義などこれまでの契約が全て代替できることは出来ないとの見方もあります。
イーサリアムのスマートコントラクトの導入
イーサリアムはスマートコントラクトの技術を利用した仮想通貨です。
アプリケーションを作成するプラットフォームであらゆる目的のために使えるように誕生したのがイーサリアムとお伝えしましたが、実際にイーサリアムのスマートコントラクトを導入したスタートアップ企業もあるそうです。
そのひとつがujo MUSICという著作権やアーティストへの対価をより理想のカタチに近づけるための音楽配信サービスです。
アーティストはレーベルやいくつもの小売店を挟むことで取り分が少なかったり、楽曲がリリースされ購入されてから収入として入ってくるまでに時間がかかるといった事があるそうです。
そこでこの契約部分をスマートコントラクトに置き換え自動で実行することで、利用者は仮想通貨のETHで決済を行いアーティストに直接すぐに対価を受け取るようになっています。
他にも2017年9月にはKDDIがイーサリアムを活用したスマートコントラクトの実証実験が行われたり、EEA(Enterprise Ethereum Alliance)というビジネスのためのイーサリアムのアプリケーション作成推進プロジェクトも立ち上がっています。
ちなみに2017年10月時点ではなんと500以上の企業や技術者がEEAに参加しており、その中にはMicrosoftやJP Morgan、Intelといった世界の名だたる大企業やトヨタやMUFGなど日本を代表する大企業も参加しています。
まとめ
今回はスマートコントラクトについてお伝えしてきました。
イーサリアムはたくさんの企業がその活用法を見出すため議論が進められています。
今後新たにイーサリアムを活用したサービスが生まれてくるかもしれません。
ますますこれからが楽しみではないでしょうか。
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