iDeCo(イデコ)という言葉を聞いたことがありますか?
広告やCMで耳にしたことがあるかもしれません。
可愛らしい名前ですが一体どんな制度なのでしょうか。
iDeCoは個人型確定拠出年金の英語の略称です。
2017年にほぼ全ての現役世代が利用できるようになりました。
節税しながら投資ができるとてもお得な制度です。
この記事では「iDeCo」(イデコ)の仕組みとメリット・デメリットについてまとめました。
iDeCoとは?
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の英語の略称です。
年金と名前についている通り、自分で毎月一定額の掛け金を積みたてて投資信託などで運用し、老後に年金として受け取る仕組みになっています。
高齢になった後公的年金だけで生活できるか不安な方にとって、今から老後に備えることのできる制度です。
これまでは主に自営業者と企業年金のない会社員向けの制度でしたが、2017年から主婦や公務員が対象に加えられ、現役世代のほぼすべてが利用できるようになりました。
株や投資信託を購入し値上がりや分配金で利益が出ると税金を払わなくてはなりません。
税率は以下のようになります。
投資信託売却益・分配金税率 = 20.135% (所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.135%)
本来なら20%かかる税金がイデコを利用すると免除になるのは大きいですよね。
iDeCoの毎月の積み立て可能額
毎月の最低積立金額は5000円ですが、上限は職種によって違ってきます。
自営業者の投資枠が最大で月6万8000円。
専業主婦・企業年金のない会社員が月2万3000円
公務員・企業年金のある会社員が月1万2000円です。
投資の枠が小さいように感じられますが、基本的に60歳になるまで投資金額を引き出すことができないので毎月の金額は慎重に決めるようにしましょう。
iDeCoの受け取り方法
資金の受け取り方は年金として毎月受け取るか、一時金として一括で受け取るか選択することができます。
年金で受け取るときは「公的年金等控除」、一時金で受け取るときは「退職所得控除」をそれぞれ利用できるのでここでも節税することができます。
投資商品の選び方は?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は投資した商品の運用成績によって将来受け取る年金額が変動します。
投資額に対して高いリターンを求める場合は投資信託で積極的に運用してもいいでしょう。
ただ後述するように投資金額分の所得控除が受けられるので、貯金や保険など元本保証型の商品でも実質的な利回りは高くなっています。
証券会社は安定的に増える商品、リスク・リターンの大きい商品など様々な投資先を用意しているので、自分のリスク選好に合ったものを選びましょう。
NISAとの違い
同じように投資の運用益が非課税になる制度のNISAとの違いを見てみましょう
iDeCo | NISA | |
加入できる人 | 20歳以上60歳未満 | 20歳以上 |
利用の年間上限額 | 年14.4万~81.6万円 | 年120万円 |
利用可能総額 | 無制限 | 600万円 |
運用する商品 | 投資信託・預貯金、保険 | 株・投資信託 |
運用益 | 非課税 | 非課税 |
非課税期間 | 退職するまで | 5年 |
傾向としてNISAは短期的な資産形成、iDeCoは退職後の長期的な資産形成を目的とした制度であることが分かると思います。
NISAは非課税期間が5年であるのに、iDeCoは退職するまで運用益が非課税になります。
一方で毎年投資できる額がNISAと比べイデコは低く抑えられています。
iDeCoのメリット・デメリット
iDeCo(イデコ)の制度の仕組みについて説明してきました。
次にメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
メリット1:運用益は非課税
第1のメリットは積み立てて投資した商品の運用益が非課税になることです。
しかも非課税期間はずっと続きます。
長期に渡って利益をそのまま再投資することができるので大きな複利効果が期待できます。
メリット2:毎月の掛け金分の所得控除が受けられる
第二のメリットは毎月の拠出金がそのまま所得控除の対象になり所得税や住民税を減らすことができることです。
例えば所得税率が30%の人が毎月1万円、年間12万円の積み立てをした場合
12万 × 30% = 3万6000円の節税効果があります。
この節税効果はiDeCoに加入している限りずっと続きます。
例えば40歳に加入し、20年間運用した場合の所得税節税額は
3万6000円 × 20年 = 72万円 になります。
また年収が多ければ多いほど節税効果は大きくなります。
節税額の目安は以下の表を参照してください。
公務員・会社員 | 自営業 | |
掛け金の上限額 | 1.2万円 | 6.8万円 |
年収別の年間節税額 | ||
年収500万円 | 2.16万円 | 12.24万円 |
年収700万円 | 2.88万円 | 16.32万円 |
年収950万円 | 4.32万円 | 24.48万円 |
先ほどの例であれば、もしその年に投資先の商品が値上がりしていなくても、所得控除の効果だけで投資に対する実質的な利回りは30%ぐらいになります。
低金利の時代にこれは非常に大きなメリットなのではないでしょうか?
メリット3:受取時も非課税
60歳を迎えた後の年金の受取時でも「公的年金等控除」や「退職所得控除」を利用すれば非課税で受け取ることができます。
ただ例えば退職金が多すぎるときは控除の枠内からはみ出してしまう可能性もあるため、両方の控除を併用したり受取時期をずらしたり調整が必要になる場合もあります。
デメリット1:60歳まで引き出せない
ここまではメリットを伝えてきました。
次にデメリットを挙げます。
デメリットの一つ目でかつ最大のデメリットは掛け金と利益の分は60歳まで引き出すことができないことです。
運用益が非課税で所得控除が利用できるといっても現在自由に使えるお金は減ってしまいます。
今は大丈夫でも、子育てや教育を考えたときに無理のないような範囲で計画的に利用することが大事でしょう。
そういう意味ではこの制度は若い世代向けというよりも、生活が安定し老後を見据えるようになった中年世代向けなのかもしれません。
デメリット2:掛け金は毎年一回しか変更できない
二つ目のデメリットは掛け金を毎年一回しか変更することができないことです。
節税目的で掛け金を高くして今月の家計がピンチ!なんてことにならないように気を付けましょう。
まとめ
iDeCo(個人型確定拠出年金)についてまとめました。
退職まで運用益が非課税、節税効果も期待できるのでとてもお得な制度だといえます。
とはいえ60歳まで年金を引き出せなかったりと不便な点もあるのでしっかり考えたうえで加入するようにしましょう。
証券会社によって管理手数料も違ってきます。
また、積み立てNISAという長期の積みたて投資を奨励する制度も2018年からスタートします。
色々比較しながら自分に最適なものを見つけましょう。
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