馬主になるための条件は?収入や実際にかかる費用を解説

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これまでは、馬主といえば、芸能人や社長、資産家など富裕層の方しかなれない印象でしたが、最近では一口馬主という言葉も流行り、一般の方にも身近な存在になってきました。

今回は、馬主に興味がある方に向けて、馬主になるための条件や具体的な年間収入やかかる費用を徹底解説します。

馬主に興味を持っている方は是非参考にしてください。

そもそも馬主って何をやる人?購入からレース出走までの3ステップ

競走馬のオーナーになり自分の馬をレースに出走させる馬主ですが、レースに出走させるためには、どういった手順を行わないと行けないか知っていますか?

馬主は、自分の競走馬を走らせる為に主に3つの事をこなします。

1.競走馬の購入

馬主になる第一歩は、まず自分の競走馬を持つことからです。競走馬の購入方法は、セリ市場や庭先取引といった方法などがあります。

2.競走馬の預託・入厩(調教)

その後は、レースに向けて競走馬の調教と管理を行います。調教師と競走馬の預託契約を結び、JRAの美浦・栗東トレーニング・センターに入厩させます。

3.馬の登録・レース騎手の服装決定

自分が購入した競走馬には馬名をつける必要があります。馬名は、2~9文字のカタカナと決められており、他にも明らかな商品名や広告等になる名前をつけることは禁止されいます。

なおJRAのレースに出走させるには、JRAの競走馬としての登録も必要です。また、レースで騎手が着用する服色を登録します。服色は決められた色・模様の中から選びます。

馬主の種類は3タイプ!出資方法によって分類される

馬主といっても様々な種類があり、出資方法によって三つに分類されます。

①個人馬主

個人を馬主として登録するものであり、馬主全体の約85%を占める最も一般的な登録形態です。現在ほとんどの馬主の方が、個人馬主から始めています。

②組合馬主

個人馬主とは異なり、複数名で出資するのが組合馬主の特徴です。

3名以上10名以下の組合員から構成され共同で馬主活動を行います。個人馬主と比較して、組合員各々に必要な所得要件が低いというメリットがあり、仲間内で馬主活動をされたい方に最適の形態です。

一口馬主

一口馬主は組合馬主と違います。ある愛馬会法人が競走馬を購入し、小口分割したその権利に出資する形態となっています。

つまり、一口馬主という通称ですが、馬主の権利は法人がもっているという事になります。

③法人馬主

競馬事業を目的とする法人の事をさします。代表者が個人馬主としての登録要件を満たす必要があるとともに、法人の財務内容等も審査の対象となります。

また、法人馬主の代表者は、個人馬主として一定の活動経験を積んだ方でなければなりません。

馬主になるには?年収の条件は?

馬主になる為には、主催団体への登録が必須で、登録条件は各団体により異なります。

中央競馬馬主条件

・個人馬主の場合、審査基準として年間所得が2年連続1700万円以上であること、そして7500万円以上の資産を所有している必要があります。

・組合馬主の場合は、今所得金額が過去2年いじれも900万円以上であること、そして、組合財産として1000万円以上の貯蓄がある必要があります。

馬主の条件は登録する主催団体によっても異なります。地方競馬の個人馬主であれば、年間所得が500万以上ある人なら馬主として登録することができます。

これらの各条件につきましては、各主催団体のHP等から確認することができます。

競走馬はいつどこで購入できる?

競走馬を購入する手段は主なものとして、セリ市場庭先取引という二つの方法があります。

セリ市場とは、家畜取引法に基づき開催される軽種馬の家畜市場のことで、当歳馬、1歳馬、2歳馬と年齢に分けてセリが行われます。

当歳(0歳)市場時間的なリスクがあるが、高資質馬を早く手に入れることが可能。開催時期は夏頃。
1歳市場上場頭数が最も多く、様々なニーズに合わせることが可能。夏から秋にかけて開催
2歳市場 調教の進んだ馬が上場される。公開調教が実施され、実際に馬の動きを見てからセリに参加ことが特徴。

庭先取引とは、競走馬の売買に際に、セリ市場を介さずに、生産者と馬主の間で直接取引が行われる取引のことをいいます。

国産の競走馬のうち、おおよそ8割が庭先取引で売買されています。

馬主の収入源は?1年間でどれくらい儲かる?

これまで馬主のなり方や種類についてお話しましたが、やはり気になるのはお金ですよね。

一体馬主になるとどれくらい儲かるのでしょうか。このパートでは馬主の収入源であるレースでの獲得賞金について解説します。

レース獲得賞金の8割が馬主に配分される!

実は、レースの獲得賞金の配分は決まっており、馬主・80%、調教師・10%、騎手・5%、厩務員・5%となっています。

そしてレースでの獲得賞金は、本賞金・付加賞金の二つに分けることができます。

本賞金

本賞金とは、レースで馬が勝つことで貰える賞金で、その賞金額は着順に応じて変わります。

  • 1着 100%
  • 2着 40%
  • 3着 25%
  • 4着 15%
  • 5着 10%

例えば、天皇杯の優勝賞金は1億5000万円なので、2着6000万円、3着3800万円という風になります。

出走奨励金(付加賞金)

競馬では、5着以下にも賞金が支払われる仕組みになっています。

5着までに支払われるのが「本賞金」であるのに対し、6着から8着に支払われるのが出走奨励金です。

出走奨励金の分配は

6着:1着賞金の8%、
7着:1着賞金の7%
8着:1着賞金の6%
−−以下は重賞競走のみ−−
9着:1着賞金の3%
10:1着賞金の2%

となっています。

特別出走手当(付加賞金)

「出走手当」は、レースに参加する馬全てに支払われる賞金です。いわゆる参加費のようなものです。

その金額は、一律約40万円となっています。

一頭平均の収入はなんと○○万円!

馬主の収入については分かりましたが、年間でどれくらい稼げるのかも気になりますよね。

平成29年にJRAから馬主に賞金等として支払われた額は約809億円です。出走した馬は11,197頭なので平均すると、1頭の年間収入は約723万円、月平均約60万円となります。

※これはあくまでも平均値なので、中央値とは異なります。

馬主が負担する費用はいくら?

馬主が負担する費用は、初期費用である馬の購入費用と、馬の飼養管理にかかる預託料(飼料、調教費用等)の二つがあります。

馬の購入費用

ここでは、サラブレッドの約30%が取引されるセリのデータのうち、最も多く取引される1歳市場のデータをご紹介します。

平均価格中間価格最高価格
1043万円453万円2億9160万円

※中間価格とは全取引価格を最低額から最高額まで並べたとき中央にある価格

優秀な家系な馬は億単位で取引されています。

預託料

JRA施設内(美浦、栗東トレーニング・センター)の預託契約は馬主と調教師の直接契約となり、預託料は厩舎によって異なりますが、一頭あたり一月平均60~70万円程度かかるといわれています。

先ほど紹介した競走馬一頭あたりの一月の平均収入が約60万円なので、預託料だけ比較しても儲けるのが厳しいですね。その上馬の購入費も加算されます。

※収入はあくまでも平均値なので購入馬によってことなります。

もちろん、トップクラスの競走馬になれば1レースで億単位の収入を得ることができます。しかし馬主になったからといって全ての人が儲かる訳ではないんです。競馬は奥が深いスポーツですね。

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