仮想通貨の価格暴落の裏に世界各国の規制などが原因と言われることがあります。
中国や韓国、フランスなどでも規制に関する見解がしばしば見受けられます。
そこで今回は仮想通貨に関して見解を述べている国、規制や禁止している国をお伝えしていきたいと思います。
仮想通貨の規制に関する見解を述べている国
仮想通貨に関する法整備や規制などは今まさに世界中で進行中です。
ここでは中国、韓国、そしてドイツ・フランスについてお伝えしていきたいと思います。
中国
2018年1月16日頃にビットコインの価格が大暴落し、釣られるように他の仮想通貨も価格が下落しました。
その原因とも言われるのが中国による仮想通貨取引の規制強化の発表です。
中国当局は取引所と類似したサービスを提供しているプラットフォームや携帯のアプリケーションなどを対象に仮想通貨取引の取り締まりを強化するのではないかと言われています。
昨年、仮想通貨取引所を禁止し中国国内の3大取引所であるBTCチャイナ、Huobi、OKコイン幣行は仮想通貨と人民元の取引をストップし、BTCチャイナは全ての仮想通貨取引を停止しました。
しかし最近になって取引所以外での仮想通貨の活動が活発化していることを受け、政府は中央集権型取引を可能にするプラットフォームに中国国内からアクセスすることを禁止する計画があると関係者が語っているそうです。
また中央集権型取引所のマーケットメークや仮想通貨の決済サービスを提供する個人と企業も対象になるとされています。
一部報道では小規模のP2P取引である個人間の取引は対象外とされています。
中国人民銀行(PBoC)のバイスプレジデントであるPan Gongsheng氏は中央集権取引を完全に規制するように促しているそうです。
そうした背景もあり今回の価格暴落に繋がったのではないかと言われているのです。
韓国
韓国は2017年9月29日に韓国金融監督院が韓国国内でのICOの全面禁止を決定したと報じられました。
このICOの禁止は投資家をICOまがいの詐欺から守るため、またテロリストの資金流入を防ぐためとしています。
2018年1月18日に韓国金融委員会の崔鍾球(チェ・ジョンク)委員長は政府が韓国国内にある仮想通貨取引所の閉鎖を検討していると発表しました。
韓国政府は仮想通貨によるマネーロンダリングを懸念しているようで、匿名口座を禁止しトレーダーの実名口座が仮想通貨取引所に登録している銀行口座と一致した場合のみ入出金するなどして本人確認を強化していくそうです。
韓国の文政大(ムン・ジェエン)大統領は短期間で仮想通貨取引を禁止することはないと表明しました。
まだまだ韓国では仮想通貨に対する対策が進んでいない部分もありこれからどのように変わっていくのでしょうか。
ドイツ・フランス
ドイツ中央銀行の理事を務めるJoachim Wuermeling氏は仮想通貨のルール作りは国単位で行うのではなく、国際的な協力が必要ではないかと主張しています。
Joachim Wuermeling氏は仮想通貨を国単位で規制してもそれは限定的なものであり、国際的なルールを設けることが仮想通貨に効果的な規制を行うことができるとしています。
またフランス金融市場庁(AMF)のオフェル長官はブルームバーグテレビジョンのインタビューで仮想通貨について「違法な商品を買い、違法な所得を洗浄する手段だ。サイバー犯罪を増長させ、その支払をするための手段であり、全く空っぽなコモディティーだ。」と述べています。
そして今年に入ってドイツとフランスの関係閣僚はパリで共同で記者会見を開き、3月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で規制案を共同提案する考えを表明しました。
これはテロ資金の温床となったり価格変動で金融システムの不安材料になったりする可能性がありうるためだとされています。
ドイツ、フランスは「我々は同じ懸念を抱いており、ビットコインを規制しようという考えで一致した。」述べています。
今のところ具体的な規制案は出ていないものの、金融当局内でひとつのアイデアとして浮かんでいるのは、仮想通貨を株式や国債と同じ有価証券と位置づけて規制を強埋めようという意見が出ているといいます。
この2カ国の動きに対し日本の金融庁幹部は「国境を越え瞬時に行き来する仮想通貨は世界で一律の規制を敷くべきだとの発想で日本も同じである」と日経新聞にて伝えられています。
日本の見解は?
日本としての公式な見解というわけではないのですが、麻生太郎財務・金融相は1月12日の閣議後の記者会見にてコメントを発表しました。
価格が激しく変動し続けているビットコインなど仮想通貨に関して「何でもかんでも規制すればいいとは思わない」と述べています。
麻生太郎財務・金融相は中国や韓国で規制の動きがあったことに対して「他国のことに関してどうこう言うつもりはない」と説明した上で「仮想通貨がどうなっていくかはまだ意見の分かれるところだ。我々としては市場がどういったものに大きく化けていくのか、(既存の)通貨に代わる制度かどうかはまだ見えてきていない」と1月12日の日経新聞にて伝えられています。
利用者保護とイノベーションのバランスを注意しながら進めるとして当分は状況を見極める姿勢を示しています。
まとめ
さて今回は仮想通貨に関する世界各国の見解についてお伝えしました。
やはり国としては仮想通貨によるマネーロンダリングを警戒していたり、投機の対象として投資家が大きな損失を被ることを懸念しているようでした。
おそらくこの先も次々に仮想通貨に関する新しいルールが設けられるのではないでしょうか。
今後も更新される情報に注意して収集していきましょう。
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!