ビットコインなどの仮想通貨の価格が急騰したことによって「億り人」などの言葉も生まれました。
そんなとき日本の所得税は住民税と合わせて最大収入の55%もかかります。
超富裕層であるお金持ちにとってこの税率は重すぎると考える人もいるでしょう。
実は世界にはそうしたセレブ達の海外移住を歓迎する国々があることを知っていますか?
それらの国々は税金を安くすることで多くの金持ち外国人を惹きつけています。
この記事ではセレブにとって居心地のよい税金の少ない国・地域について紹介したいと思います。
タックスヘイブンとは?
皆さんは「タックスヘイブン」という言葉を聞いたことがありますか?
タックスヘイブンは「租税回避地」とも呼ばれ課税が他の地域と比べ著しく軽減・あるいは完全に免除されている国や地域のことです。
日本を含む世界中の多くの富裕層やグーグル、アップルなどのグローバル企業がこれらの地域の税制を活用することで税金の支払いを大幅に少なくすることに成功しています。
これらの節税方法はしばしば批判にさらされますが、注意してほしいのはタックスヘイブンを利用することは違法ではないのです。
多くの先進国ではタックスヘイブンへ資金が流出しないように対策をしていますが、富裕層は税金を減らしたい&タックスヘイブンの国にとっては経済の活性化にとって重要な手段になっているため、いたちごっこが続いているのが現状です。
もしみなさんの資産が10億円を超えた時にぜひ活用をお勧めしたい国々を紹介したいと思います。
税制の優遇がある国々
スイス
まずはスイスです。
スイス銀行と言えば世界中のお金持ちが資産を預けていることでも知られています。
スイスが多くのお金持ちのファーストチョイスになってきたのはそのプライベートバンクの守秘義務・信頼性に加えてその税制も魅力の一つだからです。
「Swiss lump sum taxation」と呼ばれるこの税制では、外国籍でスイスの居住権を得た者は国外からの収入を一時金として処理することができます。
これによって通常の所得税や富裕税を回避することができるそうです。
特にZug, Vaud, Valais, Grisons, Lucerne やBerneといったカントン(日本でいう都道府県)では制度が利用しやすいそうです。
この制度を利用することで年間20万スイスフラン~40万スイスフラン(2300万円~4600万円)の負担だけで収入を全て費用として控除することができるそうです。
20万フランでもかなりの金額に思えますが、世の中のお金持ちにとってははしたお金に思えるのかもしれません。
ただ最近では諸外国の圧力から「外国口座税務コンプライアンス法(FACTA)」の政府間協定をアメリカやEUなどと結ばされ、伝統的に世界に名声を轟かせてきた銀行の守秘義務が以前のように強固なものではなくなってきました。
そこでスイス政府が目を付けたのがビットコインに代表される仮想通貨です。
スイスは世界でも最も仮想通貨に寛容な国の一つになっています。
世界のICO(仮想通貨を使った資金調達)の30%はスイスで行われているそうです。
スイスは仮想通貨の値上がりで得られる利益に課税をしていません。(日本は雑所得最高で所得税+住民税の55%)
イタリア
意外に思われるかもしれませんが、イタリアも2017年に施行された新税制「The NEW ITALIAN NON-DOMICILED TAX REGIME 」で外国人がイタリアに移住する場合に非課税にすることを決めました。
条件は新しく外国人がイタリアに居住権を得る場合です。
新しい税制としてはその新しい移住者がイタリア国外で発生した収入のうち年間10万ユーロ(1300万円)と家族一人につき2.5万ユーロ(340万円)までを一時金として非課税にできるそうです。
また、非課税は10年間に渡って続くそうです。
イタリアと言えば気候温暖で観光名所も多いので移住するにはいい場所かもしれません。
マルタ
マルタは地中海に浮かぶ小さな島国で風光明媚な場所として知られています。
そんなマルタも外国人に対して優遇税制を実施しています。
外国籍のマルタに居住権を持つ者は国外から得られる収入に対して所得税がかかりません。
ただマルタ国内で収入を得た場合所得税はかかります(0%~35%)
加えて相続税、贈与税、富裕税などはありません。
条件としては40万ユーロ(5400万円)以上の不動産を購入するか年間2万ユーロ(270万円)以上の家賃の部屋を借りる必要があるそうです。
お金持ちなら別荘代わりに一軒買ってもよさそうですね。
モナコ
モナコはフランスとイタリアに接している都市国家です。
毎年F1レースの「モナコグランプリ」が市街地モンテカルロの道路で開催され観光客も多い国です。
そんなモナコも所得税0%、相続税0%、贈与税0%のタックスヘイブンとして知られています。
タックスヘイブンとしての利用が多すぎてモナコに住んでいる人のうちモナコ人は16%ほどしかいないそうです。
現在フランスからの富裕層移住は厳しくなりましたが、それ以外の国籍ならば今も十分に租税回避地として利用できます。
条件としては現地の銀行に口座を開設し資産の証明をすること。少なくとも50万ユーロ(約6700万円)の残高が必要になります。
また居住の証明も必要になります。
住宅価格が1平方メートル当たり5万ユーロ(670万円)するモナコでは、60平米の部屋で4億円ぐらい。そのぐらいの資産がないと移住は厳しいかもしれません。
モナコの物価は世界でも最高水準になっていてモンテカルロのホテルの朝食は70ユーロするそうです(約1万円)
税金だけでなく生活コストも考慮に入れる必要があるでしょう。
ドバイ
最後に中東のドバイについて紹介します。
ドバイはアラブ首長国連邦の首長国のひとつで、早くから外資の投資を招き入れ街の近代化を推進しました。
ドバイのタックスヘイブンを推進するにはまず会社を設立して住民カードを取得します。
次の条件として6か月に1日はドバイに居住する必要があります。
そうすることでドバイの居住権を手に入れたことになり税金が無料になります。(ドバイには税金そのものがありません)
周りは砂漠だらけですが、高級車フェラーリのテーマパークや世界最大のショッピングモールなど娯楽施設は充実しており意外と飽きないかもしれません。
まとめ
様々な移住に適した税金の安いタックスヘイブンについて紹介しました。
タックスヘイブンと聞くとどこかの知らない島を想像する方もいるかもしれませんが、意外と多くの国が豊かな外国人富裕層を誘致するために優遇税制を設けいていることが分かります。
どこかに移住したいなと考えられるぐらいのお金持ちになってみたいものですね…
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