児童扶養手当の所得制限が改正により引き上げ!支給額の計算方法は?

平成30年の8月から児童扶養手当の所得制限が大幅に引き上げられることになりました。

 

児童扶養手当の所得制限の引き上げにより、これまでよりも支給額が大幅に増えたという人もいると思います。

 

しかし、これから児童扶養手当の申請を考えている方や、自分が所得制限の引き上げ対象者かどうか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで、本記事では、児童扶養手当の基本的な知識から、具体的に所得制限がどれぐらいあがったのか、さらには児童扶養手当の申請の仕方、支給額の計算方法など、児童扶養手当について徹底的に解説します。

児童扶養手当とは?

ハートの雲

児童扶養手当とは?

そもそも児童扶養手当とはなんなのでしょうか?

 

児童扶養手当とは一言でいうと、ひとり親の家庭を援助する制度のことです。

 

何らかの事情により、片親しかいない子供が、経済的に困窮することを防ぎ、自立を促進させるための制度とも言えるでしょう。

児童扶養手当はいくらもらえるの?

児童扶養手当でもらえる額は以下のようになっています。

児童の数 全額支給 一部支給
児童1人目 42,500円 10,030円~42,490円
児童2人目 10,040円加算 5,020円~10,030円を加算
児童3人目以降1人につき 6,020円加算 3,010円~6,010円を加算

 

全額支給か一部支給か、さらに一部支給の割合は、児童扶養手当の条件の一つである所得制限や、所得自体によって変わっていきます。

 

では、そんな児童扶養手当の条件を見ていきましょう!

児童扶養手当を受ける条件は?

児童扶養手当を受けるにはいくつかの条件があります。

 

かなり細かく条件が設定されいるので、自分がどのケースに含まれているか、しっかり確認しましょう。

 

その条件は以下の通りです。

・父母が婚姻を解消(事実婚の解消含む)した後、父又は母と生計を同じくしていない児童
・父又は母が死亡した児童
・父又は母が政令で定める障害の状態にある児童※
※父障害の場合、受給資格者は母又は養育者、母障害の場合、受給資格者は父又は養育者

・父又は母の生死が不明である児童
・父又は母が母又は父の申し立てにより保護命令を受けた児童
・父又は母から引き続き1年以上遺棄されている児童
・父又は母が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
・婚姻によらないで生まれた児童
・父母が不明な場合(棄児等)

東京都福祉保健局のホームページより

以上のいずれかに該当する18歳に達する日以降の、最初の3月31日までにある子供(一定以上の障害の状態にある場合は20歳未満)を保護している人に児童扶養手当が支給されます。

 

それに加えて、児童扶養手当には所得制限も存在します。この所得制限が、平成30年の8月から引き上げられました。

 

所得制限の引き上げにより、生活が少しは楽になった片親世帯の方も多いようですよ。

 

では、児童扶養手当の所得制限を改正前と後で見比べていきましょう。

 

児童扶養手当の所得制限が改正により引き上げ!変更点は?

PCを見る女性

平成30年の8月より引きあげられた児童扶養手当の所得制限ですが、具体的にどのような変更があったのでしょうか。

所得制限改正前

扶養人数 全額支給となる所得制限額 一部支給となる所得制限額
0人 19万円 192万円
1人 57万円 230万円
2人 95万円 268万円

3人目以降、1人増えるごとに38万円所得制限額に加算します。

所得制限改正後

扶養人数 全額支給となる所得制限額 一部支給となる所得制限額
0人 49万円 192万円
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円

 

改正後の赤字部分が、改正前と大きく変わったポイントです。全額支給となる所得制限額が、改正前と比べて、大きく引き上げられたことがわかりますね。

 

なお、3人目以降、1人増えるごとに38万円を所得制限額に加算します。

 

一部支給の所得制限額は変わっていませんが、全額支給となる所得制限額は30万円引き上げられました。

 

それにより、今まで一部支給で受給を受けていた人も全額支給に繰り上がる可能性があります。

 

変わらず一部支給の方も、児童扶養手当の支給額は、全額支給の所得制限額によって変わります。そのため、全額支給の所得制限額の引き上げにより、支給額が増える可能性が大いにあります。

 

次に児童扶養手当の支給額の計算例を具体的に解説します。自分がいくら位の支給額を受け取れるのか、シミュレーションしてみてください。

 

児童扶養手当の具体的な計算例!養育費は所得に含む?

快晴

では具体的な児童扶養手当の計算をしていきましょう。

 

今回は以下のようなケースを想定します。

  • 母子家庭
  • 母親の年収は200万円
  • 子供は1人
  • 養育費として、元夫から月々5万円
  • その他の条件は無し

では、この家庭の児童扶養手当はいくらになるのでしょうか?以下に3ステップで解説します。

①所得を計算する

所得は前年度分が適用されます。

 

今回は年収200万円ですので、給与所得控除後の金額を120万円とします。

 

児童扶養手当の所得は

(給与所得控除後の金額+養育費×0.8)-(一律の控除8万円+その他の控除)

という式で求めることが出来ます。

 

上の式に従って所得を求めてみます。

 

{(120万円)+(5万円×12か月分×0.8)}-(8万円+0円)=160万円

となります。

 

所得限度額の表を確認

所得を求めたところで、所得限度額の表を改めて確認してみましょう。

扶養人数 全額支給となる所得制限額 一部支給となる所得制限額
0人 49万円 192万円
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円

所得が160万円で、扶養人数は子供1人ですので、この過程は一部支給となります。

 

一部支給だった場合、支給額を計算する

一部支給の場合の支給額は

一部支給の限度額-{(所得額-全額支給の所得制限限度額0.0226993}

という式で求めることが出来ます。

 

では児童扶養手当でもらえる額の表を参考にしながら、求めてみましょう!

児童の数 全額支給 一部支給
児童1人目 42,500円 10,030円~42,490円
児童2人目 10,040円加算 5,020円~10,030円を加算
児童3人目以降1人につき 6,020円加算 3,010円~6,010円を加算

 

今回の支給額=42490円-{(160万円-87万円)×0.0226993}

25920円

 

となります。2人目以降も加算額でおなじようにに計算すれば、求めることが出来ます。

 

児童扶養手当の申請手順

子連れの母親

では、児童扶養手当の申請はどのように行えばよいのでしょうか?

児童扶養手当申請に必要な書類

児童扶養手当申請に必要な書類を見ていきましょう。

  • 認定請求書

最も大事な書類といっても良いでしょう。

 

本人と児童のマイナンバーを記載する必要があるので、あらかじめ準備しておきましょう。

  • 戸籍謄本or戸籍抄本

こちらも、本人と児童が記載されている必要があります。

  • 所得証明書

前年度分のものを用意しましょう。

  • 預金通帳

本人名義の通帳が必要です。

  • 本人確認書類

マイナンバーカードや免許証などでOKです。

  • 養育費の申告書

養育費をもらっている場合は、月々の金額を申請しなければありません。

 

どこで申請するの?

児童扶養手当の申請は基本、お住まいの地方自治体の役所ですることが出来ます。

 

子育て支援課だったり福祉課だったり、それぞれさまざまなので、お住まいの地方自治体にお問い合わせください。

児童扶養手当はいつ支給されるの?

手続きの様子

児童扶養手当は支払われる毎月の額が決まっていますが、支給自体は毎月ではなく、数か月分まとめて支給されます。

現在の児童扶養手当支給月

現在の児童扶養手当の支給は4月(12~3月分)・8月(4~7月分)・12月(8~11月分)の3回です。

 

しかし、細かく支給してくれたほうが、家計的に助かるという意見が多かったため、2019年の11月から支給スパンが短くなります。

2019年11月分からの児童扶養手当支給月

2019年11月から、児童扶養手当の支給スパンが短くなります。

 

具体的には、1月(11月~12月分)・3月(1月~2月分)・5月(3月~4月分)・7月(5月~6月分)・9月(7月~8月分)・11月(9月~10月分)です。

その他の児童扶養手当手続に必要な書類

空と人と家

現況届

児童扶養手当を継続して受給するためには、自治体が受給者の前年度の所得や、児童の養育状況を確認するための、現況届を毎年提出する必要があります。

 

7月中に対象者に現況届を郵送で送付して、8月末までに窓口に提出させるところが多いようですね。

 

期限までに現況届を提出しないと、受給を取り消されることもあるので、必ず提出するようにしましょう。

 

額改定請求書

児童扶養手当の受給者が、申請している児童以外に新たに児童を育てることになった場合や、第二子以降を出産した場合には支給額の増額を求めることができます。

 

また、児童を養育しなくなった場合や支給対象となる児童が減った場合にも額改定請求書の提出が必要になります。

 

児童扶養手当転出届

児童扶養手当の受給者が引越しをする時は、住んでいた自治体に転出届、もしくは新しく住む自治体に転入届などを提出する必要があります。

 

住んでいた自治体で処理する場合は、児童扶養手当証書と印鑑を持参して窓口に行き、転出届などの書類を書きます

 

新しく住む自治体で処理するときは、1から児童扶養手当の申請をする必要があります。

 

ですので、可能なら住んでいた自治体でやってしまうことをお勧めします。

 

児童扶養手当資格喪失届

児童扶養手当の受給者が結婚したり、何らかの事情で生活費の補助がある場合は、受給の資格がなくなることがあります

 

児童を育てなくなったり、児童が海外に移住した場合も、受給の資格がなくなることがあります。

 

受給の資格がなくなった場合は、児童扶養手当資格喪失届を提出します。

 

受給の資格がなくなった理由により、書類や手続きが異なるので、お住まいの地方自治体に問い合わせてみましょう。

おわりに

若葉

今回は、児童扶養手当の基本知識から、改正前後のな受給条件の変更点、支給額の計算方法、申請手続きの流れを解説しました。

 

児童扶養手当はひとり親世帯を守る大切な制度です。是非上手に活用してください。

 

そして、所得制限の引き上げによりもらえる額が増えるという方は沢山いらっしゃるはずなので、今一度、ご自身が受けられるかどうか、確認してみてください。