副業収入にかかる税金を解説!いくら稼いだら確定申告が必要?

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副業をしている、もしくは副業しようか考えている人は多いと思います。

でも副業で得られた収入にかかる税金ってどうやって計算する知っていますか?どんな副業かによって適用される税金の種類も計算の仕方も違ってきます。

どんな場合に確定申告が必要で、どんな場合必要ないのでしょう?

この記事では会社員の副業にかかる税金の種類と計算方法をまとめました。

いくら稼いだら確定申告が必要なのか

会社員の納める税金は源泉徴収として所得税や住民税はあらかじめ毎月の給料から引かれています。そのため基本的に給与所得者は年末調整だけで済むようになっています。

そのため確定申告といえば自営業の人がやることだと思っている人もいるかもしれません。でも、副業で稼ぎすぎると給与所得者でも「確定申告」が必要になります。

副業の場合、収入から必要経費を引いた所得金額が20万円を超えたら確定申告が必要になります。

現在マイナンバーが導入されているため、税務署は申告漏れをより把握しやすくなっています。もし無申告のまま放置していると追加の税負担が発生する可能性もあります。

住民税で会社にバレる?

住民税の確定申告には注意が必要です。

所得税は確定申告をした結果、源泉徴収された税額より多くなる場合は直接税務署に納付すれば大丈夫です。

しかし、住民税の場合は会社に副収入を知られてしまう可能性があります。

住民税は前年度の所得から市区町村が副業収入を含んだ住民税額を決定し、納税者に通知する仕組みになっています。

その際の住民税の通知書には自宅に届き自分で納付する「普通徴収」と会社に届き給料から差し引くことになる「特別徴収」の2種類があります。

副業が給与所得の場合、税法上は特別徴収と決まっています。

副業収入を含めた住民税額が会社に届くことによって副業が会社に伝わるのは避けられないかもしれません。

事業所得」、「雑所得」であれば確定申告書の「自分で納付」の欄にチェックを入れておけば住民税通知書が自宅に届くのでそうした事態は回避できます。

現在6割以上の企業が副業を禁止しています。

副業を考えている場合は勤務先の就業規則を確認しよう。無断での副業がバレたら場合によっては就業規則違反で処罰されるかもしれません。

確定申告しなかったときのペナルティー

確定申告するのめんどくさいし税金も払いたくないと思って申告しないとどうなるでしょう。

残念ながらこの場合立派な「脱税」とみなされてしまいます。

納税が遅れれば遅れるほど「無申告加算税」や「延滞税」が課されることになります。マイナンバー制度の導入で副業は以前よりもバレやすくなっています。

申告に必要な条件を満たしていれば必ずするようにしましょう。

他社でアルバイト

ここからは様々な副業の税金について紹介していきたいと思います。

他社で従業員としてアルバイトをしているなら「給与所得」として扱われます。

この場合「総合課税」となり、本業の給与所得と合わせて課税されることになります。

税率は以下の表の通り所得金額によって変わり5%から最大45%になります。

課税所得 = 本業の給与所得 + 副業の給与所得

所得金額所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万~330万円10%97,500円
330万~695万円20%427,500円
695万~900万円23%636,000円
900万~1800万円33%1,536,000円
1800万~4000万円40%2,796,000円
4000万円超45%4,796,000円

ユーチューバー・ブロガー

動画投稿で広告収入を得ている「ユーチューバー」やブログを書いてアフェリエイト収入を得ている人の収入は「雑所得」に分類されます。

ただし、副業でも有名ユーチューバーのように機材や設備を揃えて本格的に取り組み、継続的な利益を見込めたり、「職業」として認知されることができれば「事業所得」になります。

雑所得も給与所得も「総合課税」で本業の給料と通算して税額を求めます。

アルバイトの場合と同じで所得税率は最大で45%になります。

ただ、事業所得の場合には以下のようなメリットがあります。

  • 青色申告で最大65万円の控除が受けられる
  • 副業が赤字の場合に給与所得と損益通算して税額を減らすことができる
  • 損失は3年に渡って繰り越すことができる

株・FX・ビットコイン取引

投資で得られた収入はどうなるのでしょうか?

代表的な投資商品として株・FX・ビットコインなどがあるとおもいます。

しかし、これらは扱いが全然違います。

所得区分 損益通算税率
譲渡所得(上場株式・社債)出来る20.315%
雑所得(金先物・FX)出来る(他の所得とは不可)20.315%
雑所得(ビットコイン)出来ない5~45%

株式・債権・投資信託

上場株式の取引で得られた利益は「譲渡所得」として扱います。

譲渡所得は総合課税ではなく「申告分離課税」となり本業の給料とは別々に計算します。

その税率は20.315%と固定です。

源泉徴収有りの特定口座」で取引していれば、証券会社が勝手に税金を引いてくれるので確定申告する必要もありません。

また、取引で赤字になっても3年に渡って繰り越すこともできます。

さらには最近NISAなど税金が非課税になる制度もあります。

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投資商品の中では比較的優遇されていると言えるでしょう。

FX(外国為替証拠金取引)・先物取引

FX(外国為替証拠金取引)や金・原油などの先物取引で得られた利益は「雑所得」に分類されます。

ただFX・先物取引の場合は雑所得でも「申告分離課税」で税率は一定、3年間の赤字の繰り越しもできます。

注意点として株と違い確定申告は必ずしなければなりません。

ビットコインなど仮想通貨

最近価格が急騰しているビットコインに代表される仮想通貨。

仮想通貨から得られた利益は「雑所得」に分類されます。

他の投資商品と違い「総合課税」となり、本業の給与と合算して税金を計算し、赤字になっても損益通算はできません。確定申告も必要です。

今一番勢いのある仮想通貨ですが、税制面では不利な面が多いですね。

ビットコインの仕組みを解説!価格と税金・ICOについて

不動産賃貸・売買

不動産の売買をする場合

マンションなど不動産を売って得た利益は「譲渡所得」とされ、「申告分離課税」になります。

もちろん売却価格が買ったときの値段より下がっていれば譲渡所得は発生しません。

譲渡所得の計算方法は以下のようになります。

譲渡所得 = 譲渡価格 - 所得費用 ー 譲渡にかかった費用

税率は物件を5年以上所有した時・・・20.315%

所有年数が5年未満の時・・・39.63%

不動産の賃貸をする場合

アパートやマンションを人に貸して賃貸収入を得る場合は「不動産所得」となります。

本業の給与所得と合わせて「総合課税」になります。

税率は記事の一番上の所得税の表に従うので最大税率は45%になります。

まとめ

最後にこれまで紹介した副業の種類、所得区分、課税方式をまとめました。

副業の種類所得区分課税方式
他社でアルバイト給与所得総合課税
ユーチューバー、ブロガー雑所得
(事業所得)
投資(株取引)譲渡所得申告分離課税
投資(FX・先物取引)雑所得(先物取引)
投資(仮想通貨)雑所得総合課税
不動産売買譲渡所得申告分離課税
不動産賃貸不動産所得総合課税

これから副業を考えている方も是非参考にしてください。

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