ふるさと納税後に引っ越したら手続きは必要?

ふるさと納税

みなさんの中には、昨年ふるさと納税をやってみた人、もしくはやろうと思っていたものの行動には移せなかった方などがいらっしゃるかと思います。

ふるさと納税というと、「税金の負担が軽くなる!」だったり、「地方の美味しい食べ物をもらうことができる!」というメリットが思い浮かぶでしょう。

そんなふるさと納税ですが、納税後に引越しをする場合には、時期によって手続きや注意点があるケースがあります。

そこで今回は、ふるさと納税後に引越しをする際に気をつけるべきことや、ふるさと納税の仕組みや控除額などを詳しくご紹介していきます!

ふるさと納税後に引っ越したら住所変更が必要!時期ごとの注意点を解説

ふるさと納税では、寄付先の自治体とお住いの地域の自治体とが連携して、利用者の寄付額を把握し、税金の控除額を決定します。

しかし、引っ越した時期によっては、寄付先の自治体と納税先の自治体とがうまく連携できないという問題も起きてしまいます。

こうした場合には手続きが必要になりますが、引っ越しの時期によって、特別に手続きが必要なケースとそうではないケースがあります。それぞれのケースについて簡単にご紹介していきます。

ふるさと納税の返礼品が届く前に引っ越しをしたケース

ふるさと納税をしたはいいものの、直後に引っ越しをせざるを得なくなってしまったなんてこともあるかもしれません。

特に返礼品が届く前の期間であれば、まずは迅速に寄付先の自治体に住所変更の旨を伝えましょう!

連絡の方法としては、公的な文書などではなく、自治体のホームページなどに記載されている電話番号やメールアドレスから個別にお問い合わせすることとなります。

次からは返礼品を受け取った後に引っ越ししたケースを考えてみます。

ふるさと納税した年内に引っ越しをしたケース

例えば、ある年の10月にふるさと納税をしたが、12月の中旬に別の地域に引っ越しをすることとなったケースを考えてみます。

この場合、住民税の支払を行う先の自治体はふるさと納税をした翌年の1月1日時点での居住地になります。

そのため、寄付先の自治体が把握している納税先と実際の納税先が異なってしまう現象が発生します。

こうしたトラブルを避けるためにも、ふるさと納税をした年内に別の自治体の管轄に引っ越した場合には、寄付先の自治体に住居移動の旨を連絡する必要があります。

ふるさと納税をした翌年の1月1日以降に引っ越しをしたケース

一方で、引っ越し自体はふるさと納税をした翌年の1月1日以降である場合には、とくに申請する必要はありません。

先述のとおり、引っ越しが1月2日などであれば、1月1日時点での納税先の自治体と、ふるさと納税を行ったときに寄付先が把握している納税先が一致するので、問題ありません!

ワンストップ特例制度を申請したケース

ふるさと納税のワンストップ特例制度を活用している方は、別途手続きが必要です。

ワンストップ特例制度の申請書提出後に引っ越しをした場合、「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」という書類を寄付先の自治体に送付する必要があります。

ワンストップ特例制度の変更手続きは、納税をした翌年1月10日必着で寄付先の自治体に送付しなければなりません。もし変更手続きを失念してしまった場合は、ご自身で確定申告を行います。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書」は、自治体HPや総務省HP、また各ふるさと納税ポータルサイトを利用していれば、サイト上等からダウンロードできます。

よく期限を忘れてしまう方がいるので、「翌年1月10日必着」を頭に入れておきましょう。

引っ越し先が同一市内の場合の対応は?海外に移住した場合は?

ここでは、引っ越し先の住所ごとに具体的に必要手続きをみていきます。

同一市内に引っ越した場合

ふるさと納税後に同一市内で引っ越しをした場合、住所変更の手続きは必要ありません。

というのも、住民税の課税は、市区町村ごとに行われるため、同じ市内であれば、住民税の支払い先も変わりないからです。

海外に移住した場合

先ほどご説明した通り、住民税は前年の所得に対して、1月1日に居住している市区町村で課税されます。つまり、1月1日まで日本に在住していれば、その年度の住民税は課税されるため、ふるさと納税の控除を受けることができます。必要な手続きは、年内に引っ越した場合と同じです。

ただし、出国が1月1日より前(年内)の場合、そもそも住民税の課税が行われないため、ふるさと納税の控除自体を受けることができません。

ふるさと納税の仕組みや寄付の期限をおさらい

ふるさと納税の確定申告手順4つのステップ

通常の場合、みなさんはお住いの地域の自治体に対して税金を支払っています。

しかし、これでは人口が多いところや所得の高い地域に税収が集中し、人口が少ない自治体には税金が集まらず、地域間格差はどんどん開いていく一方です。

こうした問題に対して挙げられた解決策の一つが、ふるさと納税です。

ふるさと納税とは住んでいる自治体以外に、応援したい自治体に対して寄付金を贈るとその土地の名産品が返礼品として受け取ることができ、その上で所得税や住民税の課税の際の免除が部分的に認められるという仕組みです。

ふるさと納税をやる側の目的としては地方の名産品が欲しい、であったり節税効果が得られるなど様々であると思います。

ではこうしたふるさと納税がどうして節税効果を持つのかを仕組みの面から解説していきます。

ふるさと納税のステップは大きく4つに分けられます。

  1. 納税先の自治体に寄付
  2. 返礼品&受領書の受け取り
  3. 確定申告
  4. 税金の還付

まずは、ふるさと納税をする場合には、納税先の自治体を決定し、そこへ寄付金を送るところから始まります。

これを受けた納税先の自治体は寄付者に大して返礼品と納税の受領書を送付します。

この受領書を受け取った寄付者はお住いの税務署に行き、確定申告をする必要があります。

申請情報が自治体に共有され、しっかりと納税がされていれば、税金の還付が受けられるということになるのです。

この共有の部分が、さきほどの引っ越しのケースに関わってきます。

しっかりと寄付分が納税面でも反映されるように、住居変更の届け出を忘れないようにしましょう!

ふるさと納税の期限はいつからいつまで?

ふるさと納税はその年の1月1日から12月31日まで基本的にはいつでも行うことができます。

しかし、年末になると税務署が混み合うことが予想されたり、手続きがそれほどスムーズにいかないことも多いので、なるべくゆとりをもった納税をすることが望ましいです。

また駆け込みで年末にふるさと納税を考えている人は以下の点に注意しましょう。

  • クレジットカード→決済が完了した日
  • 銀行振込→指定の口座に入金をした日
  • 振込取扱票→指定の口座に入金した日
  • 現金書留→自治体が受領した日

ふるさと納税に関する時期の計算は上のようなタイミングで確定されます。

つまり、12月31日にふるさと納税を思いついても手段によってはその年の税還付を受けられない可能性が高いので、滑り込みには注意しましょう!

ふるさと納税のメリットと注意点とは?

メリットは、名産品入手と節税効果

ふるさと納税のメリットは何と言っても、各地の名産品をお住まいの地域にいながらゲットできるところですよね。

新鮮な海産物や、立派なステーキなど、身近なスーパーなどでは買えないような高級品の中から返礼品を選ぶことが出来るのは、ふるさと納税の嬉しいポイントの一つです。

また、ふるさと納税を通して事実上の税負担を減らすことが出来るというメリットもあります。

というのも、ふるさと納税では、各地へ寄付金を贈った場合に実質負担が2000円で返礼品を受け取ることができます。

具体的にいうと、10万円の寄付をした場合にはその年の所得税と住民税から9万8000円が控除されて課税がなされます。

つまり、税金として納めている金額は変わりませんが、家庭としては2000円の負担で何倍もの金額の返礼品が受け取れるというメリットがあるのです!

感覚としてはお買い物として支払ったお金が、税金の納税額としてもカウントされるというイメージです。

なので、ふるさと納税を通して購入したものがあるという方は利用して損はないということになりますね!

納税限度額には注意!家族構成・年収別の上限金額まとめ

各地の美味しい特産品が届いてなおかつ税金の負担額が減るふるさと納税ですが、なにか注意点やデメリットがあるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、ふるさと納税には大きなデメリットやリスクはないものの、少しだけ気を付けておくべきことがあります。

ふるさと納税は好きな金額をいくらでも寄付できるというわけではなく、一定の限度額が設定されているのです。

こんなにおいしい制度は無限に利用できたら、だれも普通の方法で税金を納めなくなってしまいますよね。

ですから、年収や家族構成に応じて、下の表のようにふるさと納税の控除額は限度が決まっているのです。

ふるさと納税を行う本人の給与収入ふるさと納税を行う方の家族構成
独身又は共働き夫婦又は共働き+子1人(高校生)共働き+子2人(大学生と高校生)夫婦+子2人(大学生と高校生)
300万円28,000円19,000円7,000円
400万円42,000円33,000円21,000円12,000円
500万円61,000円49,000円36,000円28,000円
600万円77,000円69,000円57,000円43,000円
700万円108,000円86,000円75,000円66,000円
800万円129,000円120,000円107,000円85,000円
900万円151,000円141,000円128,000円119,000円
1000万円176,000円166,000円153,000円144,000円
1200万円242,000円232,000円219,000円200,000円
1400万円355,000円343,000円277,000円267,000円
1600万円424,000円412,000円396,000円384,000円
1800万円493,000円481,000円465,000円453,000円
2000万円564,000円552,000円536,000円524,000円
2500万円849,000円835,000円817,000円804,000円

上の表からもわかるように、年収が上がるほど納税額は増えるので、同時に利用可能なふるさと納税の金額も増えますね。

また年収のみならず家族構成も控除額の上限には影響します。

より大きな限度額が設定されているファミリー世帯には、特にふるさと納税はおススメなので、ぜひやってみてください!

ただし、ここで注意して欲しいのは、住宅ローン控除医療費控除などふるさと納税以外の各種控除を利用しているとその分だけふるさと納税の控除枠が減ってしまうことです。

すでに控除などを利用している方は上の早見表通りにはいきませんので、注意しましょう!

住所が変わったらふるさと納税の手続きも忘れずに

今回は、ふるさと納税の寄付後に引越しをする際に注意することを中心に、ふるさと納税のメリットや仕組み、控除額などを詳しくみていきました。

この記事だけでもふるさと納税にだいぶ詳しくなることができたのではないでしょうか?

先述の通り、年収の高い人や家族の人数が多い人ほど、税金面で受けられるメリットは大きくなります。

ぜひ、いろんな地方の返礼品をチェックして、おもいおもいのふるさと納税をしてみてください!

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