家事や育児で忙しく、本業に時間を大きく割くことができない主婦の方や専業主婦の方なら、一度は「資産運用」について検討したことがあるのではないでしょうか。
しかし、実際には資産運用をされている女性の割合は非常に低いのが現状です。
その理由としては
「始めたいけれど、非常に難しそう」
「大きなリスクが伴いそう」
「何から始めていいのか全くわからない」
などの悩みがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、資産運用について詳しくない方向けに、堅実にできる資産運用について解説していきます。
「資産運用」と聞くと、自分にはできないと思ってしまいがちですが、手軽に始められるものや、その手順・方法についてもわかりやすく説明しますので、ぜひ一度目を通してみてください。
主婦必見!代表的な資産運用の方法8選
①定期預金:元本が保証されているので安心で堅実!
まずはじめにご紹介するのは、低リスクの資産運用方法でおなじみの定期預金です。
日本人の性格としてリスクを積極的にとることを好まないという背景から、従来から日本では一般的な資産運用方法として根強い人気を誇っています。
定期預金は何かを売買してその差額で儲けを出すわけではなく、銀行にお金を預けている時に発生する金利が利益となり、資産を増やして行く方法となります。
つまり、現金を預ける金融機関は、なるべく金利が高いところを選ぶと良いということになります。
では、金融機関ごとに、どれほど金利が異なるのでしょうか?
金融機関と言われると、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などのいわゆるメガバンクをイメージされる方が多いかと思います。
しかし、金利面のみで考えると、上記のようなメガバンクよりも、実店舗を持たず、コストを抑えることに成功しているネット銀行の方が金利が高い傾向にあります。
具体的なネット銀行の名前を挙げると、楽天銀行やじぶん銀行、イオン銀行などがあります。
以下に、日本の代表的なネット銀行の定期預金金利をまとめてみました。
ネット銀行名称 | |||||
---|---|---|---|---|---|
最低金額 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | |
イオン銀行 | 1万円以上1円単位 | 0.03% | 0.05% | 0.07% | 0.1% |
新生銀行 | 1000円以上1円単位 | 0.01% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
ソニー銀行 | 1万円以上1円単位 | 0.01% | 0.01% | 0.05% | 0.05% |
住信SBI銀行 | 1000円以上1円単位 | 0.02% | 0.02% | 0.02% | 0.02% |
じぶん銀行 | 1円以上1円単位 | 0.03% | 0.04% | 0.03% | 0.05% |
楽天銀行 | 1000円以上1円単位 | 0.02% | 0.1% | 0.02% | 0.03% |
大和ネクスト銀行 | 10万円以上1円単位 | 0.08% | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
ジャパンネット銀行 | 1万円以上1円単位 | 0.02% | 0.02% | 0.02% | 0.02% |
オリックス銀行 | 100万円以上1円単位 | ‐ | ‐ | 0.1% | 0.12% |
セブン銀行 | 1万円以上1円単位 | 0.02% | 0.02% | 0.02% | 0.03% |
金利をみてみると、普通預金よりもはるかに高い金利であり、預ける金額によっては、大きな利息を受け取ることも可能です。
しかし、それでも実際に支払われる利息を考えれば十分とは言えないでしょう。
そして、100万円を定期預金に預け、その期間他の用途にその100万円を利用することができない点はデメリットと言えます。
一方で、元本割れがない点はメリットと言えますので、そういったリスクを一切負いたくない方は定期預金を利用してみるのも良いでしょう。
②投資信託:プロ運用した利益を分配し、受け取ることができる
投資、資産運用に初心者の方にオススメしたいのが、投資信託です。
投複数方面からの投資された資産をファンドが運用し、その利益を、投資した人々で分配します。
1000円程度から始めることもでき、非常にスタートしやすい金融商品と言えます。
また、投資信託は、ファンドを経由して、株式や債券、不動産など、様々なものに投資していることになりますので、分散投資を類似した効果を得ることができます。
国内株だけ、海外株だけ、の投資信託もありますが、国内外に幅広く投資している投資信託を選ぶと安心です。
しかし、注意したいのは、投資信託には「元本保証がない」点です。
そのため、余裕資金で運用するように注意してください。
③株式投資:投資の代表・広い年齢層に人気の投資方法
東京証券取引所(東証)の調査によると、2017年時点での個人株主は、5,129万人となり、初めて5千万人の大台を超える結果となっており、多くの個人投資家が存在することがわかります。
資産運用に手を出した経験のない方には、株式投資も敷居が高く感じられてしまうかもしれませんが、実は、取引者の多くは学生やサラリーマンなど、普通の人々が多数を占めています。
株式投資の利益の出し方には「値上がり益」「配当金」「株主優待」の3つがあり、主婦の方の多くは「配当金」や「株主優待」を期待してるようです。
しかし、聞いたことがある人も多いかもしれませんが、株式投資は、プロの投資家でも大きな損失を被ることがあります。
そのため、初心者の方は、まずは「値上げ利益」よりも「株主優待」や「配当金」をメインに期待して株式を購入する事をオススメします。
「株主優待」とはその会社の株を保有しているだけで、その会社のサービスや製品、商品券などがもらえるもののことを指します。
実は、株主優待は課税対象ではなく、株主優待目的で株の銘柄を選ぶ人も多くいます。
しかし、株主優待は会社の義務ではないため、もし業績が悪くなった場合には、株主優待が廃止されることもあります。
また、「配当金」とは、企業が株主に分配する現金のことを指します。
この配当金も、企業のこれまでの利益から出されているため、もし業績が悪くなった場合などには、廃止される可能性があります。
ただし、「値上がり益」のみならず、「株主優待」や「配当金」を狙って株式投資を行なった場合にも、株価が下がってしまえば損失を被ることになりますので、リスクがあることには十分な注意が必要です。
④個人向け国債:日本国政府が発行しているからリスクが低い
国債とは、国が発行する債権のことを指し、元本保証や利息の支払いは日本政府が行なっています。
つまり、仮に国債の購入先である銀行や証券会社が破綻したとしても、保証元が日本国であるため、ほぼ100%安全と言うことができます。
国債は、株式や投資信託のように相場変動のリスクがなく、資産を安全に運用することができることは大きなメリットと言うことができます。
近年は、銀行が0.001%程度の非常に低い金利を設定していますが、国債は安全性も高い上に、最低でも金利は0.05%となっています。
また、購入最低金額も1万円となっているため、始めるハードルが低い点も魅力的です。
⑤つみたてNISA:非課税期間は20年、毎月1000円から可能
積立NISAは、少額投資非課税制度であり、2018年から始まりました。
日本では、投資から得られた利益に対して、通常20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAを活用することで「NISA」と同様に、毎年の非課税投資枠から得た利益・分配金にかかる税金は無くなります。
つみたてNISAとNISAは、非課税投資枠が40万円、投資機関が最長20年 と言う点で異なり、「NISA」以上に少額から毎月コツコツ、長期での資産形成を目指す方に向いた制度と言えます。
また、つみたてNISAの対象商品は販売手数料が0円、信託報酬が1.5%以下の投資信託です。
毎月の最低金額も多くの金融機関では1000円から、SBI証券や楽天証券の場合には100円から始めることができ、初心者でも安心して運用することが可能です。
⑥FX:ハイリスクなので投資上級者向け・元本割れの恐れも多いので注意!
資産運用について少しでも調べたことがある人であれば、FX(Foreign Exchange)の名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
非常に有名なFXですが、ハイリスク金融商品の代表でもあります。
FXは、簡単に言うと、ドルやユーロなどの通貨を売買する取引のことです。
また、金額にレバレッジをかけることができるため、大きな利益を得ることもできますが、大きな損失を被る可能性も十分にあります。
儲けることのできる金額も大きい分、大きなリスクも伴うものですので、もし始める場合には、少額から初めて見ることをオススメします。
口座を解説する金融機関ごとに取引可能な最低額が異なりますので注意してください。
⑦仮想通貨:うまく運用すると資産が何倍にもなることも?お金に余裕があればチャレンジしても良いかも
仮想通貨は、昨年頃からメディアでも大きく取り上げられました。
特に、「ビットコイン」の名前は多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
ビットコインは、ブロックチェーンという技術を利用したデジタル通貨のことで、ビットコイン以外の仮想通貨を「アルトコイン」と呼びます。
仮想通貨に投資するメリットとしては、「365日時間を気にせず投資できる」「少額から投資可能」「仮想通貨市場の将来性」「ボラティリティが高い」点があげられます。
昨年、仮想通貨が非常に話題になった時には、このボラティリティの高さゆえに、大金を儲けた人が続出しました。最近は、以前よりも市場の熱が冷めてしまい、そこまで大きな価格の乱高下は見られない状況が続いています。
一方で、仮想通貨投資のデメリットとしては、「非常に高いリスク」があげられるでしょう。
株式投資やFXと同じ理由ではありますが、儲け見込みの金額が大きい場合には、絶対に高いリスクが伴います。
そのため、もし始める場合には、少額からスタートした方が良いでしょう。
また、株式投資やFXと比較するとまだ取引量が少なく、希望の価格での売買が成立しづらい状況にあります。
⑧ロボアドバイザー:資産の運用から管理までを行ってくれる
ロボアドバイザーとは、インターネット上で投資診断や投資アドバイスを行ったり、運用(売買や最適化等)を代行してくれるサービスです。
「投資家に対して助言のみを行う」タイプと「助言と資産運用を行う」タイプに分かれます。
資産運用初心者の方の場合には、後者を利用することをお勧めします。
初心者の方が自ら投資商品を選部ことは非常に難易度の高いことですが、ロボアドバイザーは、個人のリスク許容度に合わせ、投資銘柄の選択や、資産分配、その後のメンテナンスに至るまでを代行してくれます。
また、ロボアドバイザー投資も、比較的少額から始めることが可能で、100円〜10万円が最低投資金額となっています。
購入手数料に関しても大きなメリットがあり、投資信託の場合には1〜3%の手数料を取られてしまいますが、ロボアドバイザーの場合、1%前後が手数料の相場となっています。
投資初心者の方はやはり投資全般について勉強する時間が必要ですが、仕事で忙しく時間が取れず、中々資産運用を始めることができずにいる人も多いと思います。
ロボアドバイザーであれば、全ての工程を代行してくれるため、忙しい方にもお勧めの資産運用方法を言うことができます。
資産運用では利回りがポイント!たった1%の違いでも大きな金額差が生まれる
そもそも利回りとは?利率との違いは?
資産運用において、最も気になるのは「利回り」です。
しかし、意外にも「利回り」ついて正しく正確に知っている人は多くないのではないでしょうか。
利回りは以下の式で表されます。
例えば、100万円の金融商品を購入し、2年間資産運用した結果、20万円の分配金を受け取り、その商品を120万円で売却できたとします。
この場合、この金融商品は2年間で40万円、1年間で20万円の利益を生んでいますので、年利回りは20%となります。
一方で、「利率」とは、1年内の元金に対する利息の割合を指します。
上記の例で考えてみると、1年間あたり、10万円の分配金を受け取っているため、利率は10%となります。
利率が1%違うと年間でいくら変わる?
では、利率が1%違うと具体的にどのような金額の違いが生まれるのでしょうか。
100万円を利率1%で運用した場合、以下のようになります。
運用年数(年目) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
合計(万円) | 101.00 | 102.01 | 103.03 | 104.06 | 105.10 | 106.15 | 107.21 | 108.29 | 109.37 | 110.46 |
100万円を利率2%で運用した場合は、以下のようになります。
運用年数(年目) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
合計(万円) | 102.00 | 104.04 | 106.12 | 108.24 | 110.41 | 112.62 | 114.87 | 117.17 | 119.51 | 121.90 |
10年後には、利回りが1%の場合と2%の場合とでは、10万円以上の差が出てしまいましたね。
10以上このまま運用した場合や、元々の元本がもっと大きい場合には、もっと大きな金額差が発生します。
資産運用では複利の効果が得られるため、利回りが上記よりも大きい場合には、より加速度的に資産が増加します。
しかし、高い利回りが想定される金融商品は非常にボラティリティが高いため、初心者の方は注意が必要です。
資金が2倍になるまでには何年かかる?計算方法を解説!
それでは、資産が2倍になるまでにはどれほどの時間がかかるのでしょうか。
X年目に資産が2倍になるとすると、以下の計算式が求められます。
(1+利率)^X=2
これを満たすXが、資産が2倍になる年数ということになります。
年利1%で上記を計算すると、X=69.66となり、年利1%で資産運用した場合、その資産が2倍になるにはおよそ70年かかることがわかります。
年利による資産形成は、雪だるま式に大きくなっていくため、少しでも年利の高い資産運用方法を目指すことが重要です。
ただし、年利が高い運用方法は、ボラティリティも高く、リスクが伴うことに注意してくださいね。
主婦が資産運用を始める際の注意点
資産運用の目的と目標を明確化する
資産運用を始めるにあたり、その目的と目標を定めておくことが大切です。
目的とは「老後のための資産形成」「子供の教育資金」など、各々のなぜ資産を増やしたいのかという理由のことです。
また、その目的のためには、いつまでにいくら必要なのかを目標として定めましょう。
そして、その目標にあった金融商品を選ぶことで、目標を達成できる可能性は高くなります。
短いスパンである程度の利益を獲得したいのにも関わらず、個人向け国債や定期預金をしていては絶対に目標を達成するとはできません。
ただし、高すぎる目標設定の場合、非常にリスクの高い金融商品を購入する必要ができてきますので、注意しましょう。
どれほどの資金を資産運用に回せるのか考える
どの程度の資金を資産運用の余裕資金をして充てることができるのかも、入念に確認しておく必要があります。
生活費や、ローン、不慮の事故、子供の教育費など、様々な箇所でまとまったお金が必要になることがあります。
そのため、余裕を持った計算をし、資産運用に充てることのできる金額を算出しましょう。
非常事態の時には、資産運用に回している資金を換金することも十分可能ではあります。
しかし、目標値までは余裕資金として切り分け、資産運用のみのお金として扱う方が、安定した資産運用に繋がるでしょう。
資産運用にはリスクもある!しっかり準備をしてから始めましょう
今回は、主婦の方が資産運用を始められる際に、知っておきたい知識、注意したいポイントについて解説してきました。
定期預金や国債など、ほとんどリスクのない金融商品もありますが、株式やFXなどは、金融のプロでも損失を出すことのあるものです。
そのため、初心者の方は、リスクの小さいものからトライしてみることをお勧めします。
お金をただ眠らせているのはもったいありません。
ぜひ、本記事を参考にして余裕資金の資産運用を検討してみてください。
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