転勤になったら住宅ローンはどうなる?再適用の条件・手続きを確認!

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マイホームを買うと転勤を命じられる、というある種の都市伝説のようなものを聞いたことがある人は多いでしょう。

それの真偽は置いておいて、マイホームを購入した後に転勤になったらいろいろな困りごとが出てくるわけですが、そのうちの一つが住宅ローン控除でしょう。

マイホームを維持するのだってお金がかかるし、住宅ローンも毎年払わなくてはなりません。

それに対し、転勤によって住宅ローン控除が無くなるなんてことになったら、家計へのダメージはかなり大きくなりますよね。

また、転勤後に再びマイホームに再入居するときには、住宅ローンの扱いはどうなるのでしょうか?

そこで、今回は転勤になったら住宅ローンは引き続き受けられるのかということから、再入居の際の住宅ローン再適用の条件と、その手続きについて徹底解説していきます!

転勤になったら住宅ローン控除は受けられる?

転勤となったら必ず住宅ローン控除が受けられなくなるわけではありません。

家族が家に残るか残らないかが基準

住宅ローン控除が適用される条件は、「その年の年末までに住み続けていること」です。

つまり、転勤でマイホームから離れてしまったら、原則住宅ローン控除の適用条件からは外れることになります。

しかしこれには例外があり、家族がマイホームに残っている間は住宅ローン控除を受けられる、というものがあります。

そういうことで、転勤となっても住宅ローンをフルで受け続けたいという人は、単身赴任するしかないということですね。

海外転勤だと控除が受けられない!?平成28年以前のマイホーム購入者は注意

ただ、ここで注意しておきたいことがあります。

それは海外に単身赴任するとき、場合によっては家族を残していっても住宅ローン控除が受けられないことがある、ということです。

平成28年度(2016)改正によって、海外転勤しても、家族がマイホームに残っていれば住宅ローン控除は受けられるようになりました。

この条件が適用されるのは、平成28年4月1日以降に取得したマイホームです。

逆に言えば、平成28年4月1日より前に取得したマイホームに関しては、海外転勤となってしまった場合、家族がマイホームに残っていようが、住宅ローン控除は受けられないということです。

転勤から戻って再入居した場合、住宅ローン控除はどうなる?

転勤ののち、再びマイホームに再入居するということもありますよね。

単身赴任で家族がマイホームに残っていた場合は、特に変わりなく住宅ローン控除を受けられます。

また、家族ごと転居していた場合は、住宅ローン控除の期間が残っていれば、再び住宅ローン控除が適用されます。

例えば、住宅ローン控除の全期間が10年間だったとします。マイホームを購入して2年間で転勤、家族で引っ越し。そして、3年後に帰ってきたとすると、再適用される住宅ローンの期間は5年間です。

転勤明けに住宅ローン控除を再適用するための4つの条件

転勤明けに住宅ローン控除を再適用するための条件を確認していきましょう。

条件①転居理由が会社の都合によるものであること

国税庁のホームページによると、住宅ローン控除の再適用を受ける際には、転居の理由が「給与等の支払をする者からの転任の命令にともなう転居その他これに準ずるやむを得ない事由」である必要があります。

一般的な転勤はもちろんのこと、出向や会社命令による転居も「やむを得ない事由」に含まれます。また、転勤・出向希望を出していたとしても、社名で転任・転居するのなら、これも認められるようです。

しかし、自分の都合や会社の倒産によって再就職する場合は、基本的に「会社の都合」としては認められないです。

条件②マイホームに再入居する年に賃貸として貸し出してないこと

家族全員で転居している間、マイホームを遊ばせておくのはもったいないからと、その間だけ賃貸物件として貸し出すこともあるかと思います。

しかし、再入居する年に賃貸として貸し出していると、その年は住宅ローン控除を受けることができません。その場合は、住宅ローン控除の適用は翌年からとなります。

例えば、2019年の3月まで賃貸として貸し出して、4月から再入居する、などという場合は、2019年分の住宅ローン控除は適用されません。住宅ローン控除が適用されるのは、翌年の2020年からとなります。

賃貸の利益と住宅ローン控除の節税効果を比べてみることが大事ですね。

条件③家族のうち誰かが戻ってくること

再入居の際には、家族の誰かが戻ってくる必要があります。

これは、言い換えると転勤した本人を除いて家族だけで戻ってきても、住宅ローン控除が再適用されるということです。

子供が進学したり、地元の両親の介護が必要になったりと、転勤した夫を置いてでもマイホームに戻らなくてはならないこともあると思うので、この制度はありがたいですね。

条件④転居前に手続きの一部をすること

住宅ローン控除の再適用を受けるためには、転居前と後に所定の手続きをする必要があります。

特に転居前に必要な手続きは、原則忘れたら住宅ローンの再適用を受けられません。忘れないようにしましょう。

では、詳しい手続きを次の項目で解説していきます。

住宅ローン控除を再適用する手続きを2ステップで解説

ステップ①転居前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」の提出

住宅ローンの再適用を受けようと考えたら、転勤・転居する前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を提出しなくてはなりません。

また、届出書のほかに、税務署長から

  • 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書
  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

等の交付を受けている場合には、その未使用分の証明書や申告書も併せて提出する必要があります。

提出先は、所轄の税務署です。

ステップ②再入居した年に確定申告

そして、再入居した年度には確定申告が必要です。

その際には、

  • 住宅借入金等特別控除の計算に関する明細書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

の2点の書類も共に提出しなくてはなりません。

転勤となっても、家族が残っていれば住宅ローン控除は受け続けられることがわかりました。

ただ、家族全員で行きたいという場合もあると思います。その場合は住宅ローン控除は途切れてしまいますが、帰ってきたときには住宅ローン控除を再開することができます。

住宅ローン控除は節税効果がとても大きいものですので、最大限利用するようにしましょう。

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