令和最初の5月、M&A件数は8ヶ月ぶりの減少!市場動向・案件データを公開

高層ビル

2019年5月のM&A動向をお伝えします。

2018年12年にはM&A案件数が過去最高を記録するなど、賑わいをみせたM&A市場ですが、令和時代に突入し、この活況が令和でも続くのかが注目されています。

今回は、令和最初の2019年5月のM&A件数や特徴、主要な買収案件等を解説していきます。

本記事はM&A仲介大手ストライク社の提供データを参考に作成しています。

2019年5月のM&A動向と過去の案件推移

M&Aセミナー(ストライク社主催)

(ストライク社が実施したM&Aセミナーの様子)

2019年5月のM&A件数は、前年同月比13件減の59件となり、8ヶ月ぶりに前年実績を下回りました。

年月M&A件数
2018年1月52
2018年2月60
2018年3月60
2018年4月51
2018年5月72
2018年6月32
2018年7月61
2018年8月86
2018年9月75
2018年10月81
2018年11月74
2018年12月77
2019年1月62
2019年2月77
2018年3月82
2018年4月67
2018年5月59

【参考】2018年〜2019年のM&A件数推移

5月には、買収金額100億円を超える大型M&A案件が4件ありましたが、いずれも国内企業同士のM&Aであり、海外企業をターゲットにする100億円超のM&Aは0件という結果になりました。

実は、海外企業ターゲットの大型M&A(100億円以上)が0件だったのは昨年6月以来ほぼ1年ぶりです。

前年実績を下回った背景には、米国と中国の貿易摩擦が影響しているとの指摘もありますが、まだ確かな判断には至っていません。

M&A仲介大手のストライク社は、

2019年1月〜5月のM&A件数の累計は347件と、前年同期を50件超上回っており、なお高水準が続いている。

との見解を示しています。

2019年5月の大型M&A案件・ニュース

2019年5月の大型M&A案件をご紹介します。

5月の大型M&Aは4つあります。

  1. ソフトバンクのヤフー子会社化
  2. インテグラルの日東エフシーに対するTOB
  3. ソニーフィナンシャルグループの合弁2社子会社化
  4. 東洋紡の帝人子会社2社買収

それぞれの詳細をご説明します。

①ソフトバンクのヤフー子会社化 4565億円

5月に最も金額が大きかった案件は、ヤフーの子会社化を発表したソフトバンクの4565億円。日本企業によるM&A案件としては2019年最大の案件となりました。

ソフトバンクはヤフーが実施する第三者割当増資を引き受け、現在12.08%の持ち株比率を44.64%に引き上げ、役員派遣などを通じて連結子会社化します。ITと金融を融合したフィンテックなど非通信分野を強化するのが狙いです。

6月末に子会社化する予定で、今年に入ってトップだった日本ペイントホールディングスの3005億円(同業の豪デュラックスを完全子会社化、4月に発表)を1500億円以上上回る大型案件となりました。

②インテグラルの日東エフシーに対するTOB 301億円

投資ファンドのインテグラルが、化学肥料メーカー中堅の日東エフシーに対する完全子会社化を目的とするTOBを発表しました。日東エフシー側もTOBに賛同しています。

買い付け金額は最大で301億円、これを機に日東エフシーは東証一部、名証の上場廃止となる見込みです。

日東エフシーの2018年9月期の業績

売上高164億円、営業利益12億5000万円、最終利益9億8600万円。

③ソニーフィナンシャルグループの合弁2社子会社化 165億円

ソニーフィナンシャルホールディングは傘下のソニー生命保険を通じて、個人年金保険専業のソニーライフ・エイゴン生命保険など合弁2社を完全子会社化します。

オランダの保険グループであるエイゴンと折半出資していましたが、年内に50%の株式を165億円で追加取得する予定です。

④東洋紡の帝人子会社2社買収 100億円

バイオ・医薬など高機能製品の開発・製造を手がける東洋紡は帝人のポリエステルフィルム事業を行う国内子会社「帝人フィルムソリューション」とインドネシア子会社「ITFS」の買収を行います。

買収金額は約100億円で、車両の電装化などに伴い需要が拡大するフィルム製品を取り込む狙いです。

令和時代に突入!今後のM&A市場の先行きは?

令和初月のM&A案件は前年比マイナスとなり、6月以降のM&A市場の動向が注目されています。

しかし、6月は全上場企業の6割以上にあたる3月決算期会社の株主総会の集中月にあたるため、例年、M&A件数が最も少ない月になります。

このため、世界経済の減速がM&A市場に悪影響を及ぼしているのかを判断するには、7月以降の市場動向の分析が重要になってきそうです。