賃貸住宅を契約する際には、必ず火災保険に加入しなくてはなりません。多くの人は不動産会社に提示されたものに何気なく加入している人が多いでしょう。
しかし、実は賃貸住宅契約時に加入する火災保険は、自分で選ぶことができるって知っていましたか?
本来、賃貸の火災保険は何かあった時の大事な命綱です。普通の保険は吟味するのに、賃貸の火災保険は適当に決めるなんておかしいと思いませんか?
大事な保険だからこそ、自分に必要なものを理解したうえで、自分で選ぶべきではないでしょうか?
そこで、今回は賃貸の火災保険の基礎知識から、家族構成別の補償金、妥当な火災保険料を紹介します。
是非参考にして、安心な賃貸ライフを目指しましょう!
賃貸の火災保険の内訳には3種類あり、それぞれ保障するものが違う
そもそも、一般的に賃貸契約の際に加入する火災保険の内訳は3種類に分けられます。それぞれ保障しているものが違うので、確認しておきましょう。
また、あくまでも内訳であるので、3つのうちから1つだけ選んで加入するということはできません。
①家財保険(火災保険)
賃貸の火災保険と聞いて、1番最初にイメージするのがこの家財保険ではないでしょうか?
場合によってはこの家財保険が「火災保険」といわれることもありますが、今回は混合を避けるために家財保険で統一します。
家財保険は、その名の通り、自分が所持している家具家電などの補償をしてくれるものです。
保険金が下りる場合は火災だけではなく、落雷・爆発・水害・水漏れ・盗難など様々です。
ただ、地震による火災や津波などの災害には、家財保険限らず、火災保険すべて適用されませんので、注意しましょう。
また、家財保険では、火災などの被害にあった際に、壊れた・使えなくなった家財を片付ける費用が実費で支払われます。
そのほかにも細かい保障内容がたくさんありますので、契約前に一通り目を通してみることをお勧めします。
②借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険とは、一言でいうと大家さんに対する保険です。この保険が最も大事だといわれることが多いですね。
なぜ借家人賠償責任保険が最も大事なのかというと、それは「失火責任法」という日本の法律に起因しています。
失火責任法によると、重大な過失がある場合を除いて、火事を起こして隣家に被害を与えた場合でも、賠償責任は問われません。
しかし、賃貸住宅を解約する際には原状回復義務がありますよね。火災によりそれができない場合は、賠償義務が発生します。
そのため、そういった賠償義務が発生した時に保険が下りる借家人賠償責任保険は最も大事だといわれているんです。
③個人賠償責任保険
個人賠償責任保険とは、日常生活の事故により賠償責任が発生した時に保険金が下ります。
具体的には、誰かをケガさせてしまったときや、モノを壊してしまったときなど、些細な事ですが、あると安心ですよね。
こちらも非常に細かい、些細なことまで保障してくれますので、何かわからないことがある方は、保険会社に確認してみましょう。
賃貸の火災保険は自分で選べる!指定されたものに入る必要はない!
賃貸の火災保険を契約するとき、特に何も考えずに不動産会社から提示されたものに加入していませんか?
実は、賃貸物件を契約する際に加入する火災保険は自分で選ぶことができるんです。
不動産会社会社から提示される火災保険の保険料はかなり高いことも少なくないですので、できることなら自分で火災保険を探してきて契約することをお勧めします。
ただ、賃貸契約をする条件として、不動産会社が指定する火災保険に入ること、と言われることがあります。
この条件は保険業法や独占禁止法に抵触する恐れがあり、グレーゾーンな行為です。
基本的には、火災保険を自分で選びたい旨を不動産会社の人に言えば、自由にさせてくれることがほとんどなので、次の項を参考に火災保険を選びましょう。
賃貸の火災保険料の相場はいくら?補償額はいくらが妥当?
では、火災保険料の相場はいくらぐらいなのでしょうか?
火災保険を選ぶ際に参考になるのが、家財補償額です。
火災保険で補償される家財補償額が、実際に所有している家財の合計額よりはるかに上回っていたら、その火災保険は無駄な部分があるといえますよね。
あくまで目安となりますが、家族構成別の必要な家財補償額は以下の通りです。
家族構成は、夫婦プラスαで子供、という想定です。
家族構成 | 独身 | 2名 | 3名 | 4名 | 5名 | |
---|---|---|---|---|---|---|
世帯主の年齢 | 25歳前後 | 300万円 | 490万円 | 580万円 | 670万円 | 760万円 |
30歳前後 | 700万円 | 790万円 | 880万円 | 970万円 | ||
35歳前後 | 920万円 | 1000万円 | 1090万円 | 1180万円 | ||
40歳前後 | 1130万円 | 1220万円 | 1310万円 | 1390万円 | ||
45歳前後 | 1340万円 | 1430万円 | 1520万円 | 1610万円 | ||
50歳前後 (含以上) | 1550万円 | 1640万円 | 1730万円 | 1820万円 |
例えば、単身で賃貸物件を契約するとき、家財補償額が500万円だったり1000万円だったりすると、それは明らかに過剰ですよね。
何か高額な家具や家電を所有していれば話は変わりますが、そうでない方は、そこまで高額の家財補償額を用意する必要はないでしょう。
保険料に関してですが、単身世帯であれば年間5000円ほど、というものもあります。
ですので、単身で契約するときに、不動産会社から年間1万円近いものを提示されたら、あきらかに過剰な補償であるか、特約がたくさんついていると思ってください。
引っ越し時のドタバタで何かと後回しにされがちな火災保険ですが、少し手間をかけることで保険料負担がグッと軽くなるかもしれません。
あなたに合った火災保険が見つかることを祈っています。
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