自動車保険の保険料を左右する等級とは?割引率はどれだけ変わる?

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自動車保険の保険料はどのように定められるかご存知ですか?車の大きさや安全システムの有無などいろいろありますが、その中でも最も大きな要素となるのが等級です。

等級が下がったり上がったり、というフレーズはよく聞きますが、正確に自動車保険の等級がどのような仕組みで、保険料にどのような影響を与えているかを知っている人は、意外と少ないのではないでしょうか?

何か事故を起こしてから等級がどうのこうの、ということを知っても遅いので、今できる範囲で自動車保険の等級の仕組みについて勉強しておくのもいいのではないでしょうか?

そういうことで、今回は自動車保険の等級の基礎知識をお伝えします。等級の仕組みから割引率、また、等級をうまく活用して自動車保険の保険料を安くする方法も紹介しますよ。

是非ご覧ください!

自動車保険のノンフリート等級制度とは?

では、最初に自動車保険の等級について、その概要を理解しておきましょう。

ノンフリート等級制度とフリート等級制度

自動車保険の等級制度は、事故歴の有無に応じて保険料の割増・割引を決めるための仕組みです。

自動車保険の等級制度には、ノンフリート等級とフリート等級制度の2種類があります。

ノンフリート等級は、契約者が所有する車の台数が9台以下の場合に適用される区分で、10台以上を所有する場合にはフリート等級が適用されます。

つまり、一般家庭の場合は、基本的に「ノンフリート等級」が適用されると考えられます。

ノンフリート等級は、1等級から20等級まであって、初めて自動車保険に加入する際は6等級からスタートします。

等級は上がる分だけ保険料が下がっていき、逆もまた同じように、等級が下がる分だけ保険料は上がっていきます。

等級の上がり下がりはどうやって決まる?

では、その自動車保険の等級はどうやったら変わるのでしょうか?

  • 等級が上がる場合(保険料が下がる場合)

等級が上がるのは、保険の期間で事故がないまま契約更新を迎えた時です。

一般的な1年契約の自動車保険なら、1年間事故がないと、次の年の契約更新では1つ等級が上がった契約をすることになります。

  • 等級が下がる場合(保険料が上がる場合)

等級が下がるのは、保険の期間に事故を起こして、保険金を請求した場合です。実際に保険料が上がるタイミングは、等級が上がる場合と同じく契約更新の時です。

ただし、事故の種類によって等級の下がり幅は異なります。

大きく分けると「3等級下がる事故」「1等級のみ下がる事故」「等級に影響がない事故」の3種類に分けられます。

それぞれの事故の内容は以下の通りです。

【等級ダウンの事故の種類】

交通事故の種類交通事故の主な内容
3等級ダウン事故
  • 当て逃げ
  • 電柱、ガードレール、車庫への衝突
  • 転落・転覆
  • 車同士の衝突・接触など
1等級ダウン事故
  • 火災・爆発
  • 落書き・いらずら・窓ガラス破損
  • 台風・竜巻・洪水・高潮
  • 飛来中・落下中の物との衝突
  • 盗難など
等級に影響がない事故支払われる保険金が以下のいずれかの保険金である場合の事故

  1. 人身傷害保険金
  2. 無保険車傷害保険金
  3. ファミリーバイク特約
  4. 弁護士費用特約
  5. 日常生活賠償特約など

(簡単にいうと自分や搭乗者の怪我や付帯保険のみ適用された場合)

上の表を見ていただければわかる通り、多くの人が頭に思い浮かべるいわゆる「自動車事故」は、基本的に3等級ダウン事故です。

また、1等級ダウン事故は、自分(の車)が何かしたわけではなく、ほかに被害者がいないような事故です。

他に付帯保険のみを使った場合や自分や家族の怪我に適用される保険金に関しては、ノーカウント事故として、保険金を請求した場合でも等級に影響はありません。

等級ごとの割引率は?保険料はどれだけ変わる?

では、自動車保険の等級の仕組みはどのようになっているのでしょうか?

また、同じ等級でも事故の有無で保険料は変わってくることがあるので要注意です。

等級が同じでも事故有りと無しで保険料が異なる

例えば、事故を一度も起こさずに地道に等級を上げてきた人と、近年事故が多い人が、同じ等級かつ同じ保険料だったらどうでしょうか?

保険会社の側から見たら確実に後者の方がリスクが高く、保険料を多く払うべき、と考えますよね。

そういったことを考慮した結果生まれたのが、事故有係数です。

事故有係数とは、事故を起こした後の一定期間、同じ等級であっても、事故を起こしてない人より保険料が高くなるというものです。

例えば同じ15等級でも、14等級から1年間無事故で15等級に上がった人と、昨年事故を起こして18等級から15等級に下がった人では、同じ15等級でも保険料が変わってくるという仕組みです。

具体的に上記のケースでは、事故を起こしている場合の保険料の割引は33%ですが、事故を起こしていない場合だと割引率は51%となり、20%近く保険料の割引率が変わります。

また、事故有係数が適用される期間のことを事故有係数適用期間といいます。

事故有係数適用期間は、こちらも事故の種類ごとに異なり、3等級ダウン事故なら3年間。1等級ダウン事故なら1年間となります。

等級ごとの保険料の割引率は何%?

では、具体的な等級ごとの割引率を見ていきましょう。

下に挙げるのは一例ですが、保険会社が違えど割引率が大きく変わることはありません。

【自動車保険の等級ごとの割引率】

等級通常の割(増)引率事故有係数の割(増)引率
1等級64%割増
2等級28%割増
3等級12%割増
4等級2%割引
5等級13%割引
6等級(スタート)19%割引
7等級30%割引20%割引
8等級40%割引21%割引
9等級43%割引22%割引
10等級45%割引23%割引
11等級47%割引25%割引
12等級48%割引27%割引
13等級49%割引29%割引
14等級50%割引31%割引
15等級51%割引33%割引
16等級52%割引36%割引
17等級53%割引38%割引
18等級54%割引40%割引
19等級55%割引42%割引
20等級63%割引44%割引

事故有係数が適用されるのとされないのでは、10%から20%近くの差がありますね。

また、等級が下がってしまい保険料が上がったので、保険会社を変えてまた6等級から始めようと考える人がいますが、それはできません。

というのも、それぞれの保険会社は日本損害保険協会を通じて顧客の等級の情報などをやり取りしているからです。

ですので、保険会社を変えたところで適用されると等級は以前のものと同じになります。

自動車保険料を安く抑えるために知っておくべき3つのポイント

それでは自動車保険の保険料を節約したい方が知っておくべきポイントを3つ紹介します。

ポイント①:等級は家族・親族に引き継ぎができる

等級は引き継ぐことができます。

そして等級を引き継ぐ場合、自分に引き継ぐか、同居親族に引き継ぐかの2つがあります。

  • 自分で等級を引き継ぐ場合

車を買い替えたり保険会社を変えたりする場合は、自分で自分の等級を引き継ぐことができます。

その場合は保険会社に連絡を入れるだけで、手続きの手順を教えてくれるのでさほど難しいことではありません。

  • 同居親族に引き継ぐ場合

子供や孫など、同居さえしていれば親族に自分の等級を引き継ぐことができます。

例えば、お子さんが18歳になって自動車免許を取得して車に乗り始めたとします。

その際、親御さんの等級をお子さんに引き継がせたうえで、親御さんが新規で自動車保険に加入すると、トータルで自動車保険料が安くなることがあります。

ポイント②:長期間クルマに乗らなくなった時は、等級を保存できる

転勤やライフスタイルの変化によって、一時的にクルマを手放すタイミングもあるかもしれません。

そんな時任意保険を解約するとこれまで積み上げた等級は途切れてしまいますが、中断証明書というものを発行してもらえば、等級を最大10年間保存することが可能です。

とりあえず等級を引き継ぐ相手がいなくても中断証明書を発行しておけば、将来再度自動車が必要になった時に保険料を安く済ませることができる可能性があります。

ポイント③:2台目は最初から保険料を抑えることが可能

自動車保険にはセカンドカー割引というものがあります。その名の通り2台目の車の保険料が安くなるというものです。

セカンドカー割引が適用される条件はいくつかありますが、一般的なものは以下の通りです。

  1. 1台目の車の保険の等級が11等級以上であること
  2. 1台目、2台目ともに自家用8車種であること(一般的な自家用車であれば問題なし)
  3. 1台目の所有者が個人であること
  4. 2台目の所有者が個人かつ1台目の車の所有者と同じ、または所有者の同居親族や配偶者であること

他にも保険会社によって細かい条件があるところも存在します。

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もし自動車保険の保険料が少し高いなあと感じている人がいたら、今回ご紹介した等級制度を理解しておくと今後役に立つと思います。

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