労災保険とは?手続きや適用範囲を紹介!アルバイトは対象となる?

握手

労災保険というものを知っている人は多いと思います。

 

その中では、ただなんとなく、仕事と関係あるケガとかに保険が下りるんだろう、という認識の人が大半なのではないですか?

その認識は間違ってこそいませんが、労災保険への理解としては不十分です。

 

労災保険は使わないことが理想ですが、もし使うことになった場合、正確に労災保険を理解していないと、問題があっても気づけないかもしれません。

 

今からでもまだ間に合いますので、この記事で労災保険について勉強しておきましょう。

 

 

POINT!

  • 労災保険の概要
  • 労災保険の対象者・対象となる事故等
  • 労災保険の補償内容
  • 労災保険の申請方法

 

労災保険とは?対象となるのはどんな人?

ヒント

では、初めに労災保険の概要と、対象となる人について解説します。

労災保険とは何?誰が加入する?

労災保険とは、労働者が仕事または通勤によって負傷したり病気になった時などに、その当人や遺族に給付金が出るという制度です。

 

労災保険には、労働者自身が加入する必要はなく、労働者を雇っている事業所側に加入義務があります。

なお、1人でも従業員を雇っていると、その事業所は労災保険に加入しなくてはいけません。

 

労災保険の保険料も、事業所側が全額負担します。ほかの社会保険のように折半ではないことが特徴ですね。

労災保険の対象となるのは?パートや役員はどうなる?

労災保険の対象となる「労働者」とは、正社員のみをさすものではありません。

正社員ももちろんですが、パートやアルバイトも含まれます。

 

労災保険における労働者とは、業務執行権を持つ人の指揮命令を受けている人、と良く表現されます。

 

また、フリーランスや会社役員は基本的に労災保険の対象者ではありません。

 

ただ、会社役員も業務執行権を持つ人から指揮命令を受けていると認められれば、労災保険の対象として認められることがあります。

 

詳細はそれぞれのケースで異なるので、所轄の監督署に問い合わせてみましょう。

 

また、決められた事業のフリーランスの方は例外的に労災保険への加入が認められます。次の候で詳しく解説します。

フリーランスでも労災保険に?時別加入とは?

労働者を雇用していなくても、労災保険に加入することができる方は、以下の通りです。

 

  1. 自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
  2. 建設の事業(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは解体又はその準備の事業)(大工、左官、とび職人など)
  3. 漁船による水産動植物の採捕の事業(7に該当する事業を除きます。)
  4. 林業の事業
  5. 医薬品の配置販売(医薬品医療機器等法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業)の事業
  6. 再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
  7. 船員法第1条に規定する船員が行う事業

労災保険の特別加入制度 – 全国労働保険事務組合連合会:より引用

 

労災保険の適用範囲は?通勤中の事故も対象となることが!

オフィスを歩くビジネスマン

労災保険の対象となる事故・事例を確認していきます。これには、大きく分けて業務災害と通勤災害があります。

業務災害

業務災害とは、業務上の事由による労働者の負傷や病気、死亡などを指します。

業務上の事由の範囲ですが、業務が原因であり、業務と事故・病気等の間に因果関係が存在していなければいけません。

 

つまり、業務と関係ない私的な行為で被害にあっても、それに労災保険は適用されません。

【具体例】

  • トラック荷台の扉を開けていたとき、後退してきたフォークリフトとトラックの間に挟まれて死亡した。
  • 交流アーク溶接機を使用中に感電した
  • 店内の調理場にて、濡れた床で足を滑らせ、転倒した
  • 食器洗浄中、シンク内の割れた食器が、手指に突き刺さった

通勤災害

通勤災害とは、労働者が通勤する際に被ったケガや病気等を指します。

 

ただ、本来の合理的な通勤ルートから寄り道をして外れたり、通勤中であっても、通勤と関係ないことをした際の事故や病気等はこれに含まれません。

 

ただ、例外的に日用品の購入のためなど、必要があったと認められれば、通勤災害として認定されることもあります。

労災保険の補償内容を早見表で紹介!

では、労災保険ではどれぐらいの補償が受けられるのでしょうか?(厚生労働省のホームページを参考)

 

種類 支給事由 保険給付の内容
  • 療養補償給付
  • 療養給付
業務災害または通勤災害による傷病により療養するとき 必要な療養の給付または必要な療養費の全額
  • 休業補償給付
  • 休業給付
業務災害または通勤災害による傷病の療養のため労働することができず、賃金を受けられないとき 休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額
  • 障害補償年金
  • 障害年金  
業務災害または通勤災害による傷病が治癒(症状固定)した後に障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残ったとき 障害の程度に応じ、給付基礎日額の313日分から131日分の年金
  • 障害補償一時金
  • 障害一時金 
業務災害または通勤災害による傷病が治癒(症状固定)した後に障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残ったとき 障害の程度に応じ、給付基礎日額の503日分から56日分の一時金
  • 遺族補償年金
  • 遺族年金      
業務災害または通勤災害により死亡したとき 遺族の数等に応じ、給付基礎日額の245日分から153日分の年金
  • 遺族補償一時金
  • 遺族一時金   
  1. 遺族(補償)年金を受け得る遺族がないとき
  2. 遺族(補償)年金を受けている方が失権し、かつ、他に遺族(補償)年金を受け得る者がない場合であって、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないとき
給付基礎日額の1000日分の一時金(ただし2の場合は、すでに支給した年金の合計を差し引いた額)
  • 葬祭料
  • 葬祭給付
業務災害または通勤災害により死亡した方の葬祭を行うとき 315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額
(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分)
  • 傷病補償年金
  • 傷病年金

業務災害または通勤災害による傷病が療養開始後1年6ヶ月を経過した日または同日後において次の各号のいずれにも該当することとなったとき

  1. 傷病が治癒(症状固定)していないこと
  2. 傷病による障害の程度が傷病等級に該当すること
障害の程度に応じ、給付基礎日額の313日分から245日分の年金
  • 介護補償給付
  • 介護給付
障害(補償)年金または傷病(補償)年金受給者のうち第1級の者または第2級の精神・神経の障害および胸腹部臓器の障害の者であって、現に介護を受けているとき
  • 常時介護の場合は、介護の費用として支出した額(105,130円を上限)
  • 親族等により介護を受けており介護費用を支出していない場合、または支出した額が57,110円を下回る場合は57,110円
  • 随時介護の場合は、介護の費用として支出した額(52,570円を上限)
  • 親族等により介護を受けており介護費用を支出していない場合または支出した額が28,560円を下回る場合は28,560円
  • 二次健康診断等給付
事業主が実施する定期健康診断等の結果、脳・心臓疾患に関連する一定の検査項目(血圧、血中脂質、血糖、肥満)のすべてについて異常の所見があると認められたとき
  • 二次健康診断:1年度内に1回に限る
  • 特定保健指導:二次健康診断1回につき1回に限る

 

症状固定:治療を続けても完全の見込みがない状態。労災保険においては治ったと同義で使われます。
給付基礎日額:事故が発生した日など、所定の日からの直前3か月内の、平均した1日当たりの賃金額(ボーナスは除く)

 

見ていただければわかるように、労災保険はかなり細かく保障内容が分かれています。

 

すべて覚える必要は全くありませんが、どの補償内容になるのか、大まかに確認しておくことをお勧めします。

労災保険の申請方法を3つのステップで解説

通帳と電卓

実際に労災保険に申請する手続きを見ていきましょう。

① それぞれの労災にあった請求書をダウンロードする

労災保険の申請には申請書が必要です。そして、申請書は労災の種類ごとに申請書が違います。

 

具体的には、療養補償給付の場合は「療養補償給付たる療養の給付請求書」が、休業補償給付の場合は「休業補償給付支給請求書」などです。

具体例以外にも、それぞれに請求書が存在するので、必要に応じて労働基準監督署に取りに行きましょう。

② 請求書に必要事項を記入する

次に、請求書に必要事項を記入しましょう。この際に、事業主の署名も必要となりますので、忘れないようにしましょう。

署名をしないなど、労災を隠したがる企業もあるようですが、労災隠しは違法行為ですので、その際は監督署に相談しましょう。

 

また、補償内容によっては医療機関に記載をしてもらう必要があるものも存在します。

③ 監督署に提出して調査を受ける

請求書を監督署に提出すると、監督署が調査にやってきます。それによって、労災保険の対象となると認められると、給付が決定します。

 

調査の際に、労災だと自信を持って言える証拠があると、より安心ですね。

 

給付が決定した後、実際に給付金が支給されるまでには、それなりに時間がかかります。

それまで医療機関などで支払う費用は、一時的ではありますが、自分で建て替ええておく必要があります。

 

しかし、一般の病院ではなく、労災病院を利用することで、窓口での支払いが不要となります。労災病院は全国にあります。

その際は、労災保険の申請書を労災病院に提出しましょう。そうすることで、病院と監督署間で処理をしてくれます。

 

行くことが可能なら、労災病院での受診をお勧めしますよ。

労災病院は全国に約30か所あり、労働者健康安全機構のホームページなどで確認できます。

労災保険申請には期限がある!種類ごとに期間が違うので要注意!

労災保険の申請には期限があります。

 

給付金の種類 手続期限
期限の起算日
傷病(補償)年金 期限なし
×
療養(補償)給付 2年
治療費を負担した日の翌日
休業(補償)給付 仕事を休み、給料を受けられない日
葬祭給付 死亡した日の翌日
介護(補償)給付 対処となる月の翌月1日
二次健康診断等給付 1次健康診断の結果を知りうる日の翌日
障害(補償)給付 5年
ケガや病気が治った翌日
遺族(補償)給付 死亡した日の翌日

 

なお、労災病院で診療を受けた場合は期限がありません。

労災保険は生活再建に必須!しっかりと理解しよう!

労災保険は労災後の生活再建に必須のものです。

 

本人がやること自体は少ないとはいえ、しっかり理解していないとどこで足元をすくわれるかわかりません。

 

生活に直結することだからこそ、自分で把握しておくことが大事ですね。