NHKの受信料支払いは義務なのか?最高裁の判決を解説


 

皆さんNHKの受信料をちゃんと支払っていますか?

2017年12月に最高裁判所はテレビを持ってる世帯が受信料を支払うことは「義務」だとの判決を下しました。

この判決の結果によってNHKの受信料を滞納すると訴訟を起こされる可能性が今までよりも増しています。

一旦裁判を起こされるとテレビを設置した時点から受信料をさかのぼって納付しなければなりません。

また世界ではこうした公共放送に料金を支払う制度は存在するのでしょうか?

この記事ではNHKの受信料支払いの義務と各国の状況についてまとめました。

NHKの受信料はいくら?

 

まず最初にNHKの受信料はいくらなのか見てみましょう。

料金は支払い方法や種類によって変わりますが、一番基本的な2か月払いの金額を下の表に示しました。

種別 支払方法 月額 2か月払額
地上波契約 口座振替・クレジット  1,260円  2,520円
振込用紙  1,310円  2,620円
衛星契約(地上波含む) 口座振替・クレジット  2,230円  4,460円
振込用紙  2,280円  4,560円
ケーブルテレビ等での契約 口座・クレジット   985円  1,970円
継続振込等  1,035円  2,070円

単純に地上波契約だけの場合、受信料は月額1260円になります。

6か月や12か月分を一括で払う場合は一月当たりの価格はもっと安くなります。

基本的にテレビを買ったらNHKと契約を結ぶ必要があり、NHKを見ても見なくても受信料を納める必要があります。

なぜ受信料の支払いは義務なのか?

受信料はテレビを買った人は必ず支払わなければいけません。

放送法という法律で定められています。

放送法第64条(受信契約及び受信料) 

第1項  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第126条第1項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

この法律をもう少し分かりやすく説明した文章をNHKのホームページから引用します。

放送受信契約とは

NHKの放送を受信できるテレビ(チューナー内蔵パソコン、ワンセグ対応端末などを含みます)を設置された方に、結んでいただくものです。
この放送受信契約に基づき、放送受信料をお支払いいただきます。

ケーブルテレビを通してNHKの放送を受信できる場合も、放送受信契約が必要です。
一方、ラジオだけ設置されている場合、放送受信契約は必要ありません。

テレビだけでなく、パソコンや携帯電話でもテレビチューナーが内蔵されている場合は受信料を支払う必要があるのですね。

テレビを持っているけどNHKなんか見ないという人も多いと思います。

それでもテレビを持っている時点で受信料を支払わなければいけないのです。

公正中立な放送を保障するため

NHKに受信料の徴収を認めている最大の理由は公共放送として報道の中立性を保障するためです。

民間の放送局の場合、収入源は企業の広告が大きな部分を占めるため、企業スポンサーの意向に逆らった報道ができない弊害があります。

その意味でNHKは特定の団体や企業に収入を依存することがないので中立な報道を行うことができるように配慮されているのです。

その理念は第二次大戦時に新聞などのメディアが政府に都合のいい情報のみを報道したため、多くの人がそれらの情報を信用し犠牲者の拡大に繋がった反省からも来ています。

受信料に見合うだけの価値はあるのか

報道の中立と一口に言ってもとても難しいものです。

ある人からしたら中立でも、違う人から見たら中立ではないと感じることも多いでしょう。

また国民全員に負担を強いるので、全くNHKを見ない人にとっては毎年1.5万円を払うのは不公平だと感じるのも事実です。

そのためNHKの受信料徴収の根拠である放送法64条は無効だと裁判に訴えた人もいました。

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最高裁が判決で受信料支払いの義務を認める

 

2017年12月の受信料支払いの義務を定めた放送法は無効だと訴えた裁判の判決が出ました。

この裁判で最高裁判所は放送法が「合憲」だとの判決を下しました。

これにより受信設備保持者の受信料の支払いは「義務」だということが確定し、今後受信料徴収をめぐり争う余地がなくなりました。

受信料についてNHKの言い分が通った形になります。

受信料を拒否する人には裁判を起こさなければならない

受信料支払いの義務を定めた放送法が「合憲」と判断されましたが、NHKの要求がすべて通ったわけではありません。

受信料の契約を拒否する人についてNHKは「NHKが契約を申し込んだ時点で自動的に成立する」と主張していましたが、最高裁では「裁判でNHK勝訴の判決が確定すれば確定する」としました。

これはNHKが未納者から受信料を徴収するには一人ずつ裁判しなければならないことを意味します。

ただNHKが勝訴すれば受信料はテレビが設置した時期からさかのぼって支払う義務が生じます

最高裁で受信料は義務という判決が下されたので、裁判を起こされるとほとんど確実に受信料を支払わないといけないことになります。

これまでNHKは個人の未契約者を対象に約280件に上る訴訟を起こしてきました。

今回最高裁のお墨付きを得たため、もしかすると今後裁判件数が急増するかもしれません。

現在の受信料支払い率は約80%

NHKの受信料の支払い率がどのぐらいか知っていますか?

2016年度の支払い率は約79%でした

支払い率は2005年に69%まで低下しましたが、2009年にNHKが未払いに対して初めて訴訟を起こすなど徴収を強化したことによって最近は約80%まで回復しました。

現在、受信契約の対象は約4600万世帯でそのうち未契約が約900万世帯、契約済みの滞納が100万世帯存在します。

特に注意すべきが契約後に受信料を滞納している人たちです。

未契約ならば裁判でNHKは過去にさかのぼってテレビが設置されていたことを立証しなければならないのですが、それを立証するのは非常に難しく過去にさかのぼって請求が発生する可能性はあまり高くありません。

しかし、契約後に滞納になった場合は過去にさかのぼって受信料を納付する必要があります。債権の時効が5年なので、最大5年間分の受信料を支払う可能性が生じます。

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他の国は公共放送の受信料をどうしている?

 

NHKの受信料制度に対して不満を持つ声は少なくありませんが他の国では受信料に似た制度はあるのでしょうか?

イギリス公共放送BBCでは「受信許可証」(2万2千円)を購入しないとテレビを買えない仕組みになっています。(徴収率93%)

イタリアや韓国では公共放送の受信料は電気料金と一緒に徴収しています。

ドイツではテレビの有無に関係なく全世帯が支払う「放送負担金」を2013年に創設。(徴収率97%)

イタリアや韓国、ドイツの場合は受信料が税金並みに強制徴収する仕組みになっているので徴収漏れがほとんどないのですね。

アメリカでは公共放送(PBS)の役割は大きくありませんが、政府や州の交付金や寄付金によって運営しており受信料は課されていません。CNNなどの主要テレビ局は民間企業で広告収入などによって運営されています。

中国の国営放送(CCTV)は100%広告で運営されていて、受信料や国からの交付金は受けていません。

アメリカや中国には受信料がないことが分かります。

こうしてみると受信料のある国とない国で分かれていて、どちらが優れているというのはないのかもしれませんね。

まとめ

 

NHKの受信料の支払い義務についてまとめました。

不満を持っている人もいるかもしれませんが、ルールで決まった限り守らなければなりません。

最高裁判所の裁判官は衆議院選挙と同時に行われる「国民審査」を受けることになるので、意見のある場合は次回の選挙時に足を運ぶようにしましょう。

 

追記:今回の判断を下した最高裁判官15人全員が既に国民審査を経験済みだそうで(最高裁判官は基本的に国民審査を一回しか受けない)、最高裁に直接意見を届けることはできないみたいです。選挙などを通じて間接的に意見を伝えましょう。

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