2019年10月M&A動向|日立・ホンダ傘下の部品メーカー4社合併へ

くしゃくしゃにしたドル紙幣

2019年10月のM&A(買収・合併)動向をお知らせします。

2019年8月、9月と2ヶ月連続で前年を下回る中、10月のM&A市場に注目が集まっています。第4四半期のスタートとなる10月はどのような動きだったのでしょうか。

本記事でご紹介する内容は、全上場企業に義務づけられた適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、ストライク(M&A Online)が集計したデータを参考にしています。

令和元年10月のM&A概況!件数や案件内訳は?

2019年10月のM&Aは前年同月比7件減の74件となり、2018年4月以来1年半ぶりに3カ月連続で前年を下回る結果となりました。

ただし、単月ベースでは前月比で5件増え、3月(82件)、2月(77件)に続く今年3番目でなお高水準を維持しています。

1~10月の累計では676件と前年同期46件上回っており、このままで推移すれば、2009年以来10年ぶりに年間800件台に乗せる公算が大きいと見られています。

10月のM&Aの総開示件数74件の内訳は、買収64件、売却10件(買収側と売却側の双方が開示したケースは買収側でカウント)。

このうち海外案件は19件(買収17件、売却2件)でした。海外案件を国・地域別にみると、米4件、豪3件(売却1件含む)、台湾(売却1件を含む)、シンガポール、ベトナム各2件などになっています。

2019年10月の注目M&A案件を一挙紹介!

ここでは10月のM&Aで特に注目を浴びた案件をご紹介していきます。

大日本住友、欧州創薬ベンチャー傘下の5子会社を2200億円で買収

大日本住友製薬が、英国とスイスに本社を置く創薬ベンチャー、ロイバントとの戦略提携に伴い、ロイバント本体に10%出資(約1100億円)するとともに、同社の新薬開発子会社5社を約2240億円で買収予定です

本案件は、大日本住友が取り組むM&Aとして過去最大となり、2020年3月までに買収完了を目指します。

アサヒHD、マッサージチェア最大手の子会社「フジ医療器」を台湾社に譲渡

アサヒホールディングス(HD)による譲渡案件です。

アサヒホールディングスは、子会社のマッサージチェア最大手、フジ医療器(大阪市)の株式60%を台湾のフィットネス機器メーカーであるジョンソンヘルステックに譲渡します。譲渡価額は67億円

アサヒHDは2014年にフジ医療器を傘下に収めましたが、米国や中国など海外市場の本格開拓を目的に同社を合弁運営に切り替えました。

譲渡先のジョンソンは全世界に30の販売子会社、300強の直営店を持つフィットネス機器メーカーです。

ホンダ、系列部品メーカー3社に総額3200億円超のTOB

日立とホンダによる傘下の自動車部品メーカー4社の合併が注目を浴びました

合併するのは日立の完全子会社の日立オートモティブシステムズ(茨城県ひたちなか市)、ホンダが筆頭株主のケーヒン、ショーワ、日信工業の上場3社。

統合時期は未定ですが、合併後の統合会社の売上規模は約1兆8000億円と、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の部品メーカーに浮上します。

合併に先立ち、ホンダはケーヒン、ショーワ、日信工業の3社にTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化します。買付金額は3社合計で3200億円を超え。

完全子会社化後、日立オートモティブシステムズが3社を吸収合併し、経営を統合し、統合会社への出資比率は日立66.6%、ホンダ33.4%となります。

ブシロード、女子プロレス「スターダム」買収

ブシロードによる女子プロレス団体のスターダム(東京都江東区)からの事業取得が広く関心を集めました。

ブシロードは2012年に国内最大の男子プロレス団体「新日本プロレス」を子会社化するなど、近年はキックボクシングに進出するなど、格闘技系の興行事業に力を入れています。

アシックスは、カナダのファストノースコーポレーションが運営するマラソンレース登録サイト「Race Roster(レースロースター)」事業を取得することを決めました。取得価額は約30億円。

レースロースターはランナーがレースに申し込みをする際のプラットフォームで、登録規模で北米3位の会社です。

2019年10月の大型M&Aランキング金額上位を発表!

それでは、10月のM&A金額ランキングを一挙紹介します。以下は、取引金額10億円以上の案件をまとめました。

順位M&A案件内容と金額
1大日本住友製薬、欧州の創薬ベンチャーであるロイバント・サイエンシズ(英、スイスに本社)の新薬開発子会社5社を子会社化(2240億円)
2日本製紙、豪製紙大手オローラの段ボール事業を取得(1243億円)
3ホンダ、系列自動車部品メーカーのショーワをTOBで完全子会社化(1161億円)   ※日立製作所とホンダによる傘下車部品4社の統合に伴う
4ホンダ、系列自動車部品メーカーのケーヒンをTOBで完全子会社化(1127億円)   ※日立製作所とホンダによる傘下車部品4社の統合に伴う
5ホンダ、系列自動車部品メーカーの日信工業をTOBで完全子会社化(953億円)   ※日立製作所とホンダによる傘下車部品4社の統合に伴う
6資生堂、スキンケア化粧品メーカーの米ドランク・エレファントを子会社化(910億円)
7バンダイナムコホールディングス、「ガンダム」版権管理などの創通をTOBで完全子会社化(350億円)
8SCSK、ソフト開発のMinoriソリューションズをTOBで完全子会社化(208億円)
9富士フイルムホールディングス、豪ITきぎょうCSGを子会社化(105億円)
10日信工業、スウェーデンVEONEERとの日本・中国合弁2社を子会社化(94億円)
11アサヒホールディングス、傘下のマッサージチェア最大手のフジ医療器を台湾ジョンソンヘルステックに譲渡(67億円)
12塩野義製薬、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマをTOBで完全子会社化(66.5億円)
13SBIホールディングス、カンボジアの小口金融会社LHMFI を子会社化(48億円)
14ワールド、高級バッグのシェアリングサービスを展開するラクサス・テクノロジーズ(広島市)を子会社化(43.4億円)
15ナ・デックス、レーザー・機械製作のタマリ工業(愛知県西尾市)グループを子会社化(32.6億円)
16アシックス、カナダのファストノースコーポレーションからランニングレース登録サイトを取得(30億円)
17キャリアインデックス、リブセンスから成功報酬型賃貸情報サイト「DOOR賃貸」事業を取得(17.5億円)

10年ぶりのM&A年間件数800超えはなるか!?11月の動向にも注目

以上2019年10月のM&A動向でした。

前年同月比と比べると件数は減少したものの、件数自体の水準は高い推移を維持しており、11月12月の動き次第では、2009年以来の年間800件超えが実現する可能性もあります。

第4四半期も残り2ヶ月、残り期間の動向にも注目です。

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