戒名の値段はどれくらい?ランク別の戒名料の相場まとめ

札束

葬儀を執り行う際に、お坊さんに渡すお布施。このお布施の多くを占めるのが、故人の死後の名前となる「戒名」料です。

「死後に名前なんている? 戒名は必要なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、戒名がないとお墓に入れない可能性もあるのはご存知でしょうか?

また、戒名にはランクがあり、ランクごとに金額が異なるので、葬儀の際、経済的にお金を戒名に割けない場合は、金額が低い戒名を選ぶこともできます。

今回は、納得のいく葬儀を執り行うためにも、戒名料について知っていきましょう。

戒名の相場は?宗派やランクによって金額は異なる

戒名とは、仏弟子となった証として故人に送られる名前の総称として用いられています。

また、浄土真宗系の宗派では法名、また日蓮宗系の宗派では法号といいます。宗派によって戒名の表現は異なりますが、いずれにせよ、仏教式の葬儀の場合は、供養を行うときに、戒名(法名・法号)が必要となるということですね。

戒名の金額は、戒名のランクによって異なります。大まかに戒名のランクの小さい順に相場金額を見ていきましょう。

①信士・信女:お布施の目安は20万~50万円

信士(しんじ)と信女(しんにょ)と呼び、18歳以上の男女を表します。男性と女性の戒名の最後につく位号であり、もっとも一般的な戒名です。

②居士・大姉:お布施の目安は50万~80万円

居士(こじ)と大姉(だいし)と呼び、信士と信女よりランクが上であり、大きくお寺に貢献した成人男女の戒名に着けられる位号になります。

③院号:お布施の目安は70万~100万円

院号とは、戒名の上に付け足す名前のことです。信士・信女に付ける場合は、院信士・院信女、居士・大姉に付ける場合は、院居士・院大姉、となります。

院号が戒名の敬称になったのは、一寺院を建立した貴人の敬称に用いたのが起源とされます。従って院号は本来、生前にお寺を建立するほど寺院に貢献した人、相当の地位や身分、功績のあった人にだけ与えられるものでした。

最近はお寺や宗派への貢献だけではなく、社会的に貢献した人にも院号が付けられるようになりました。

④院殿号:お布施の目安は100万円~

戒名で最もランクが高くなるのが院殿号のついたものです。

院とか殿とはそこに住む高貴な方々の名前で、元来は天皇や位の高い貴族や武士に対してのみつけられたものです。院殿号は足利尊氏が用いた後、武家や大名に多く用いられたとされています。

今日では、院殿号は内閣総理大臣経験者をはじめとする政治家、地域の名家や功労者などに対し贈られるとされており、戒名の謝礼の相場としても、院号が20万円から100万円程度といわれるが、院殿号は500万円ほどまでのぼることもあるそうです。

宗派別相場金額

紹介した戒名のランクですが、こちらの相場金額は、宗派によって異なります。

もちろんお寺によっても異なるので、宗派別の相場金額の表を参考程度に見てみてください。

宗派信士・信女居士・大姉院号院殿号
浄土宗30万~40万円50万~60万円70万円~
真言宗・天台宗30万~50万円50万~70万円80万円~100万円~
日蓮宗30万~50万円100万円~
浄土真宗20万円~(釋・釋尼)50万円~(院釋・院釋尼)
臨済宗30万~50万円50万~80万円100万円~
曹洞宗30万円~50万~70万円100万円~100万円~

浄土真宗では、信士・信女・居士・大姉といった位号は修行の経歴や社会への貢献、年齢などをあらわしているため、「浄土ではみな等しい」という考えの浄土真宗ではこれらを用いず、戒名にあたる法名、釋・釋尼(しゃく・しゃくに)を用います。

表にあるように、宗派によっては、無い位号があったりするので、事前に家族や先祖のお寺の宗派を確認しておきましょう。

戒名を決める際に気を付けたい注意点3つ

戒名には紹介したように様々なランクがありましたが、どのように決めていくのでしょうか?

戒名は原則、菩提寺への貢献度などから住職によって定められますが、戒名の有無、ランクの決め方については、条件さえ守れば、故人や遺族の希望が通ることも。

葬儀の際に、慌てないようにも事前に確認しておきましょう。

①菩提寺がある場合は、戒名がなければお墓に入れない!

菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことです。

その菩提寺に属する家を檀家(だんか)といいます。檀家である自分たちと菩提寺との関係は、宗教儀礼に関してはすべてその宗派の作法にのっとり、菩提寺の運営維持を支えるという関係になります。

菩提寺がある場合には、戒名がなければお墓に入れないといった問題が起こり得ます。

「戒名は無くても良いのでは?」とお考えの方は、まずは菩提寺ではないか、また戒名がなくても納骨ができるお寺であるかを確認することが重要になりますね。

昔からお付き合いのあるお寺がある、お寺にお墓があるといった場合は、戒名は必要と考えた方が間違いはないでしょう。

②ご先祖と同じお墓に入る場合、ご先祖よりランクの高い戒名はつけない!

戒名には先祖代々伝わる漢字や故人の特徴などを鑑みて作り上げる必要があることが分かります。

そのため、戒名を作る上で大切にしなければならないのは、先祖代々受け継がれる漢字をなるべく使うこと、そして、先祖の位を上回る漢字を使わないことです。

先祖と同じお墓に入りたいのであれば、同じような位の中で馴染むような漢字を選び、故人を表現する漢字を取り入れてアレンジしていくのが良いでしょう。

③夫婦で同じお墓に入る場合、原則、二人の戒名のランクを合わせる!

例えば夫に院号が付いているなら妻も院号を付けるように、夫婦は原則、戒名のランクを合わせます

とはいっても、必ずしも、夫婦は絶対に戒名を合わせないといけないということではありません。

特にランクの高い戒名の場合はお寺に寄付する金額も高額になりますので、今持っている経済力に合わせて戒名を決めることをおすすめします。

戒名が高すぎる!費用を抑える対処法2つ

お布施の多くを占める戒名料。戒名は、故人が死後の世界で迷わないための名前で大切ではありますが、経済面でも悩ましいところですよね。戒名を安い相場で授かる対処法2つを紹介します。

①生きているうちに自分で決める生前戒名

生前戒名とは、生きているうちに自身で戒名を付けることです。死後に戒名を付けるよりは、費用が安くおさえられます。

ただし、自身で戒名を付けるときは、葬儀を執りおこなう予定のお寺に相談することが大切です。

檀家に入っているお寺以外で戒名をいただいても、認められるとは限りません。具体的には、生前でも死後でも、菩提寺以外の場所で戒名を授かった場合は納骨を断られる場合があるからです。

せっかくの生前戒名を無駄にしないよう、まずはお世話になっている住職に相談しましょう。

また、戒名をいただいたら、家族にもきちんと伝える必要があります。自身の死後、葬儀をおこなうのは家族です。戒名があることを知らなければ、二重戒名となってしまいます。

②戒名の料金が明確なサービスを利用

いくら包めば分からないお布施ですが、お布施も含めて料金が全て明確となっている僧侶手配サービスというものもあります。

例えば、こちらは僧侶手配サービスのひとつ、「お坊さん便」の戒名授与の主な宗派の金額相場の表になります。(2020年7月1日現在)

宗派戒名金額
  • 天台宗
  • 真言宗
  • 浄土宗
  • 臨済宗
  • 曹洞宗
院居士・院大師20万円
居士・大姉6万円
信士・信女2万円

こうした料金が明確になっているサービスを利用する事で、不可解な高額請求をされる事もなくなり、初めから料金を知ることができるので安心して利用する事ができますよね。

また、先祖代々続くお墓が無い場合や、菩提寺が遠方にある場合は、こうした全国に僧侶を派遣するサービスの利用が可能なので一つの手として考えてみてはいかがでしょうか。

【補足】お布施の渡すタイミングと注意点

実際にお坊さんに戒名料を含むお布施を渡すタイミングはいつになるのでしょうか?また、渡し方にも注意点があるのでよく確認して気を付けましょう。

お布施を渡すタイミングはお坊さんへの挨拶時

戒名料を支払うタイミングとしては、葬儀が始まる前のお坊さんへの挨拶時が適切でしょう。

忙しくて時間が取れない場合は葬儀の後でも大丈夫です。葬儀の形式や、僧侶や寺院ごとの考え方によっても異なるため、事前に確認しておくと安心です。

お布施を渡すときは、手渡しNG

そして戒名料を渡す際には、直接手渡しをしないのがマナーです。

お礼は、奉書紙(ほうしょがみ)に包むか、白封筒に入れます。表書きは宗教に合わせ、筆または筆ペンを使います。ふくさなどに包み、小さな盆や菓子折りに乗せて渡します。

寺院へのお礼は戒名のお礼、通夜、葬儀を通じてお経のお礼など、そのつど渡すこともありますが、葬儀後一括して渡す場合は、まとめて包んで「御礼」もしくは「御布施」と表書きします。

熨斗や表書き、袋の選び方については、宗派や地域ごとのルールを改めて確認しておきましょう。