ビットコインは通貨ではなく金と同じ?その理由とは?

ビットコインに代表される仮想通貨の話題が最近よくニュースになっています。

価格が急上昇して億万長者になった人もいれば、暴落に巻き込まれて大損したり預けていた仮想通貨がハッカーに盗まれた人もいたり…

でも結局仮想通貨とはなんなのでしょうか?

仮想通貨はしばしば「未来の通貨」として宣伝されたりしますが、現在多くの経済学者や金融政策に携わる人々の間ではビットコインは「通貨」というよりも「金(ゴールド)」に近いものとして議論されています。

この記事では仮想通貨が金に近いとされている理由について解説します。

ビットコインが通貨ではない理由

ビットコインが現時点で通貨にはなりえない理由を解説します。

でもそもそも通貨とは何でしょうか?

お店で商品を買うことができれば通貨だと思われるかもしれません。

でも実は通貨の機能はそれだけではありません。

経済学では通貨には大きく3つの役割があるとされています。

通貨の3つの役割

3つの役割とは何でしょうか?

それは以下の通りです。

  • 価値の尺度
  • 決済手段
  • 価値貯蔵手段

パっと見てもいまいちピンと来ない人が多いと思います。

それぞれの意味とビットコインがこれらの基準に当てはまっているのか考えてみましょう。

通貨の3つの機能

Market Business News より

価値の尺度

まず一つ目が「価値の尺度」です。

価値の尺度とはモノの価値をビットコインで測ることです。

例えば1玉50円のキャベツは安いなと感じ、1玉500円のキャベツは高いと感じますよね。この場合を価値の基準としてキャベツの価値を評価しています。

だから例えば「最近のキャベツは値上がりしてるなあ。去年だったら0.00022ビットコインで買えたものが今年は0.00055ビットコインまで値上がりしてるよ」といった会話が聞かれるようになればそれはビットコインが価値の尺度として定着したことになります。

ここまで書くとわかると思いますが、ビットコインはこの役割にあまり適していません。0.00022ビットコインが高いのか安いのか判断できる人は少ないでしょう。

小数点4桁以下でビットコインを計算してモノを考えるのは普通の人にとってはとても使いづらいものです。

また、ビットコイン自体も価値の変動が大きいため「基準」とするには難しいと考えられるでしょう。

ビットコインは2017年の1年間で1300%価格が上昇しています。

一方で日本円の2017年1年間のインフレ率は0.37%です。

通貨の場合は中央銀行が頑張ってその価値をコントロールしているため変動が少ないのです。

決済手段

次に決済手段として見た場合のビットコインの使い勝手です。

当初送金や決済手数料の安さはビットコインの大きなメリットと言われました。

例えばビックカメラなど多くのお店でビットコインでの支払いが始まっています。

しかし、近年ビットコインの保有者や決済回数が激増したことでネットワークの渋滞が引き起こされ、決済までの時間や手数料が急上昇しています。

これらの問題が解決しない限り日常の買い物にビットコインが頻繁に利用されるのはまだまだ先の話でしょう。

これらの問題を解決した送金手数料がほとんどかからない新しい仮想通貨がたくさん生まれていますが、ビットコインと比べると知名度も低くビットコイン以外での支払いに対応したお店はまだまだ少ないのが現状です。

例えば海外では電子決済が普及し現行の通貨でも支払いがとても便利になっています。

わざわざ仮想通貨で支払うメリットはあまりないかもしれません。

価値貯蔵手段

3つ目の価値貯蔵手段としての仮想通貨です。

ビットコインは価値貯蔵手段としては現状ほとんど使い物になっていません。

価値の変動が激しすぎるからです。

例えば2018年1月末で先月末と比べて31%も価格が下落しています。

ここまで書くと、でも逆に価格が上がることも多いじゃないかと思う人も多いでしょう。

確かにその通りです。

しかし、それでは「価値貯蔵手段」としては不適格です。

価値と貯蔵するということは、同じだけの価値を長期間にわたって維持できるものを指しています。

値上がりを期待する「投資商品」としてビットコインはとても魅力的かもしれませんが「通貨」として求められる性質は全く逆なものなのです。

通貨に求められるのは今の100万円が来年も100万円であることが保証されることであって、今の100万円が来年50パーセントの確率で200万円になるけど50パーセントの確率で50万円になるということではないのです。

ビットコインが金に近い理由

ビットコインが通貨になるのは現時点では非常に難しいことを見てきました。

それではビットコインがなぜ金と同じだと考えられるのでしょうか?

理由を見ていきましょう。

ビットコインは有限

まずビットコインは金と同じで有限となっています。

現在でもマイニング(採掘)が続けられていますが、最終的には2100万枚しか発行されません。

この点で有限の埋蔵量しかない金と非常に性質が似ていますね。

有限がゆえにビットコインには希少性が備わります。

これによってもしたくさんの人々がビットコインを買おうとすると価格の急騰が起こるのです。

対して通貨は無限に発行ができます。

もしモノの値段に対して日本円など通貨の価値の上昇が起こると(これをデフレと言います)国の中央銀行は大量に紙幣をすることで(金融緩和)通貨の価値を下げて通貨の価値を調整することができます。

ビットコインや金にこういったことはできません。

投資目的の人がほとんど

日本でビットコインを買いたいと思っている人のほとんどは投資目的でしょう。

もしかしたら仮想通貨の理念に感銘を受けたからという人もいると思いますが、少数派でしょう。

政情の不安な国の国民にとっては資産の逃避先としての側面もあると思います。

いずれも金の性質とかなり近いものになっています。

金(ゴールド)を買った人は使うこともなくどこかに保管したままにしておくでしょう。

ビットコインも現状同じです。

遅い送金時間、高い送金手数料、高額な税金がそうたらしめています。

日常的に支払いに使うというより、値上がりを期待して持っておくというひとが多いでしょう。

金より優れている点も

資産の逃避先としては仮想通貨は金よりも優れている点も多いのです。

例えば保管、管理するためのスペースがいらない点や世界中のどこからでもすぐに引き出せる点、持ち運びが便利な点など…

今までは「有事の金(ゴールド)」と言って経済危機が起こると金の値段は急上昇しましたが、これからはもしかすると仮想通貨の価格が急上昇するかもしれません。

まとめ

ビットコインと貨幣との違いと金(ゴールド)との共通点をまとめました。

現在仮想通貨は何百種類も存在しています。

中には大きな値上がりが期待できるものもあるでしょう。

現在の仮想通貨ブームはかつてのゴールドラッシュを彷彿とさせる熱気があります。

皆さんも有望な仮想通貨を探し出して投資してみてもいいかもしれませんね。

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