生前贈与とは?メリットや手続き・税率・非課税枠はいくらまで?


 

消費税や所得税などと違い、普段なかなか意識することのない相続税

せっかく遺していってくれた財産を税金でたくさん持っていかれてしまうのは、なんだか悔しいような申し訳ないような、。

できることなら、より多くの財産手元に収めたいと思い人がほとんどだと思います。

こうした相続税の徴収額を減らす仕組みとして、「生前贈与」という方法があります。

高齢化社会真っ只中の日本にも関わらず、それほど認知されていませんが、かなり有効な節税方法の一つです。

今回はそんな生前贈与とはどういった仕組みなのかを紹介するとともに、生前贈与がもたらすメリットも解説していきたいと思います!

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生前贈与ってどういう仕組み!?相続した場合の税金額は?

 

生前贈与とは、生きているうちに財産を他者へ譲ることを意味します。

財産相続の場合には財産の所有権の移転は所有者の死後に行われるので、「いつ財産を移転するか」が生前贈与と財産相続の分かれ目となります。

そもそもこの仕組みは、シニア世代が国民全体の資産の6割近くを保有していることから、若い人へ早めにバトンタッチをし、経済を活性化させようという目的から始まったため、政府としてもかなり前向きに捉えられている制度です。

相続税の金額はいくら!?基礎控除の範囲は!?

ではまず、生前贈与を行わずに死後に相続を行なったケースを考えます。

相続税が課税されない範囲は、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」という数式で求められます。

例えば、妻と2人の子供を持つ、ある男性Aさんがなくなった場合の基礎控除額は、

3000万円+600万円×3人=4800万円というように求められます。

正味の遺産金額が、基礎控除額以下の場合には相続税はかかりません。

 

相続税は正味の遺産金額から基礎控除を差し引いた課税遺産金に対して課せられます。

法定相続では、妻の場合は2分の1、子供も場合は4分の1の割合をもって、各自で相続税の金額を算出することとなります。

課税価格 税率 控除額
1000万円以下 10% なし
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円以上 55% 7200万円

Aさんの正味の遺産額が1億4800万円だった場合の妻の相続税の金額は、

{(1億4800万円−4800万円)×1/2}×20%-200万円=5000万円×20%-200万円=800万円となります。

相続税は相続する遺産の金額が大きくなるほど税率は高くなるので、遺産の金額が高い人ほど生前贈与を頭に入れておくメリットは大きくなります。

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生前贈与のメリット

 

高い節税効果を期待できる

これから説明していくように、生前贈与の大きな目的は節税です。

条件や用途によって最適な贈与方法は異なるので、しっかりと調べた上で自分にあった方法を見つけましょう!

遺産を渡すタイミングを自由に選択できる

死後に相続する場合には、自分の意思とは関係なく自動的に相続されてしまいます。

これに対して生前贈与を利用すると、贈与する側も自分の意思で遺産を渡すタイミングを決定できるので大きなメリットとなります。

遺産を渡す相手・配分を自由に選択できる

遺言書を残すことである程度相続も自由になりますが、本人から直接遺産の分配を行うので、当事者同士のトラブルが起こる危険性を未然に抑制できます。

これに関しても、贈与する側の意思が大きく反映できるので大きなメリットですね。

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生前贈与の方法を解説!マイホームや教育資金などでは特別控除?

 

生前贈与の主な方法としては4つあるので、数値例を交えながら紹介していきます!

一般贈与を利用する場合

これは普通の贈与税と変わらず、毎年贈与しその分だけ贈与税を納めるという方法です。

贈与税は一人当たり毎年110万円以内であれば非課税として扱われるため、長期的にコツコツと子供や孫に相続するとお得になります。

例えば、2人に対して10年間にわたって基礎控除いっぱいの110万円を贈与した場合、2200万円を生前に渡すことができますが、贈与税は0で済むことになります。

またこれによって、相続する財産も減るので必ずしも遺産の全額が生前贈与できなくとも、相続税で納める金額が減るので、大きなメリットがあります。

相続時精算課税制度を利用する場合

これは2500万円までは特別控除を受けられ、それ以上の部分に関しては一律20%の贈与税を納めるという方法です。

条件としては、「原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合」という条件つきなので、利用する場合はこの条件を満たすかどうかをしっかりと確認しましょう。

またこちらの方法の場合には、税務署への申告が必要なので注意しましょう。

具体的には、子供1人に対して5000万円を相続する際にこの制度を使った時の税金額は、

(5000万円−2500万円)×20%=500万円が贈与税となります。

マイホーム贈与の配偶者控除を利用する場合

婚姻期間が20年以上に及ぶ夫婦間で贈与をする場合には、特別に配偶者控除が受けられます。

これは住居などの不動産や不動産の購入資金に関しては、2000万円までは贈与税がかからないという仕組みです。

これは一般贈与の基礎控除分の110万円と併用できるので、2110万円までは非課税で配偶者へと贈与できることとなります。

教育資金の贈与に関する非課税措置を利用する

30歳未満の子または孫に対しては、教育資金として1500万円までの贈与が非課税となります。

孫4人に教育資金として1500万円ずつを贈与した場合には、6000万円も非課税で贈与できるためかなりの節税効果が期待できますね。

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まとめ

 

生前贈与の関して理解は深まりましたか?

一般贈与を利用する場合には十分な効果を得るには、10数年にわたって計画的に行う必要があるため、よく調べた上で長期的な活用をすることをお勧めします。

誰に対しても最適な仕組みというわけではないので、もしわからない人がいらっしゃれば、下のリンクからこの分野に強い税理士を紹介できるので、ぜひ相談してみてください。

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