起業の際に利用できる補助金・助成金をまとめました。
国や自治体ごとに様々な補助金・助成金制度を実施していますが、起業を考えている人や中小企業の経営者にとっては数が多すぎてどれを利用したらいいのか分からなくなっている人も多いと思います。
この記事では起業を考えている人、起業したばかりの人が利用しやすい補助金・助成金まとめました。
補助金・助成金とはなにか?
補助金・助成金とは国や自治体が産業振興や地域支援など、社会的に支援する意義が大きいと判断された事業に対して支払われる支援金です。
共通する大きな特徴は受け取ったお金は返さなくてもいいことです。
とても大きなメリットですね!
ただし注意点もあります。
お金は基本的に事後的に振り込まれることが多いです。
資金繰りで補助金・助成金を頼るのは気を付けたほうがいいでしょう。
補助金と助成金の違いは下の表にまとめました。
補助金 | 助成金 | |
受給難易度 | 申請後審査を通過しなければならない | 条件が合えば受給できる |
申請期間 | 申請期間が設けられている(一か月ぐらい) | 長期にわたって受け付けている |
受給額 | 大きい | 少ない |
補助金は貰える金額が大きい程競争倍率も高くなることを知っておいてください。
それでは以下どういったものがあるのか見ていきましょう。
国の補助金(経済産業省・中小企業庁)
日本の経済と産業を管轄している省庁として経済産業省があります。
経済産業省と傘下の中小企業庁は起業促進、産業振興に関する補助金が充実しています。
受給するには審査を通過しなければならず、募集する時期によっても倍率が変わってくるので常に情報をチェックすることが重要です。
特に中小企業庁のホームページはよく見るようにすることをお勧めします。
1、創業・事業継承補助金
※平成28年度までの「創業・第二創業促進補助金」から名前が変わりました。
創業補助金
新たなニーズを興し、雇用の創出を促す創業プランを応援する補助金。
条件:新しく起業しようとしている人。従業員を一名以上雇う予定があること
補助率:1/2以内
補助金額
- 金融機関からお金を借りる場合:50万円以上100万円以内
- 金融機関からお金を借りない場合:50万円以上200万円以内
事業継承補助金
事業承継を契機として経営革新等や事業転換を行う中小企業に対して、その新たな取組に要する経費の一部支援する補助金。
条件:事業継承を行う中小企業。事業転換など新たな取り組みを行おうとしていること。
補助率:2/3以内
補助金額の範囲
- 事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴わない場合
100万円以上200万円以内 - 事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴う場合
100万円以上500万円以内
2、小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の事業の持続的発展を後押しするため、小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って取り組む販路開拓等の経費の一部を補助します。
引用:中小企業庁ホームページ
条件:小規模事業者
補助率:補助対象経費の3分の2以内
補助上限額:50万円
500万円(複数の事業者が連携した共同事業)
メリットとして計画の作成や販路開拓の実施の際、地元の商工会議所の指導・助言を受けることができます。
3、ものづくり補助金
経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を支援します。
引用:中小企業庁ホームページ
条件
- 中小企業
- 「革新的サービス」、「ものつくり技術」を新たに行おうとしていること
補助率:2/3以内
補助上限額:支援対象の事業の分類によって上限額は異なる。詳しくは中小企業庁ホームページで確認してください。
例)
「中⼩企業者等が第四次産業⾰命に向けて、IoT・ビッグデータ・AI・ロボットを活⽤する⾰
新的ものづくり・商業・サービス開発を⽀援。」
・・・3000万
「中⼩企業者等のうち経営⼒向上に資する⾰新的ものづくり・商業・サービス開発を⽀援。」
・・・1000万
国の助成金(厚生労働省)
日本の雇用や労働を管轄している厚生労働省は主に助成金の制度が充実しています。
雇用促進や社員の能力向上などの施策を行うと助成金を受給できます。
助成金なので条件を満たせば必ず受給できます。
社員を新しく雇用したい場合などは必ずチェックしましょう。
1、トライアル雇用奨励金
社員を新たに「トライアル雇用制度」によって雇用した場合に出る助成金。
条件
- ハローワークなどから紹介を受け雇用を行う
- 原則として3か月のトライアル雇用を行う
- 一週間の労働時間がほかの労働者と同じ程度
助成金額
月4万円(母子家庭または父子家庭の親の場合は月5万円)
2、キャリアアップ助成金
アルバイト、派遣労働者などの「非正規労働者」の企業内でのキャリアアップを促進するための助成金。
条件:すべての企業(中小企業の場合助成金額が増える)
助成金額(一例、中小企業の場合)
契約社員を正社員に転換した場合:60万円
非正規社員に対して職業訓練や実習を行った場合:一時間当たり800円
他にも非正規労働者の処遇改善に貢献した様々な場合に応じて助成金が支払われます。
3、雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、経営が悪化したときに、従業員を解雇ではなく休業、職業訓練などの雇用調整によって雇用を維持した場合に受給することができる助成金。
条件
- 直近3ヶ月の生産量・売上高等の生産指標が、前年同期と比べて10%以上減少していること
- 直近3ヶ月の従業員数(雇用保険被保険者・派遣従業員)が前年同期と比べて増加していないこと
助成金額(中小企業の場合)
休業の場合:休業手当の2/3
教育訓練:賃金負担額の2/3+一日当たり1200円
出向:負担額の2/3
地方自治体の補助金・助成金
地方自治体ごとに補助金・助成金制度を実施しています。
それぞれの自治体が地域に求める課題に対して主に地域振興の観点から補助金・助成金を設けています。
全国の補助金・助成金制度を合計すると数千件に上るともいわれています。
以下に例として3つ挙げてみました。
単なる補助金ではなく、コンテストなど様々な形があることが分かります。
新規開業賃料補助(東京都港区)
条件:港区内で創業後1年未満の方※港区内の事務所であり住居と兼用ではないこと、バーチャルオフィスではないこと
補助金額:事務所等の月額賃料の3分の1(最大5万円)の額を1年間補助
桐生市創業チャレンジ支援事業補助金(群馬県桐生市)
条件:創業前、または創業後2年未満の個人事業主。飲食業、サービス業、製造業で、独自の技術やアイデアを生かした新商品や技術の開発、新サービスを提供しようとしていること。
補助率:2/3以内
補助金額:20万円以内
SAPPOROベンチャーグランプリ(北海道札幌市)
条件:札幌市内に主たる事業所を有し、かつ事業開始後5年以内の方。事業開始前であり、将来的に札幌市内での事業化を目指している方。
賞金
大賞:50万円、準大賞:30万円、優秀賞:10万円、アイデア部門賞:10万円、及び翌年度に経営支援を実施
まとめ
今回は起業を考えているベンチャー経営者向けに補助金・助成金についてまとめました。
補助金・助成金の種類は非常に多く、とてもすべて紹介することはできません。
住んでいる地域で利用できる制度がないか是非確認してみましょう。
思わぬ好条件の助成金に巡り合えるかもしれません。
たくさんの補助金・助成金の中から自社に適しているものを探し出すのも、実際に申請するにしても書類の記入や条件に合致しているかなど細かい手続きが多く面倒に感じらるかもしれません。
そんな時は専門家に相談するのも一つの選択肢です。最適な制度を紹介してくれるはずです。
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!