現在、多くの企業では様々な働き方改革の取り組みがなされています。
いざ、自分が就職するとなるといわゆるブラック企業には入りたくないですよね。
どのような企業がブラック企業とみなされているのでしょうか。
そこで今回は「ブラック企業大賞企画委員会」が公表しているブラック企業大賞を見ていきましょう。
思いがけない企業がノミネートされているかもしれませんよ。
そもそもブラック企業大賞とは!?
ブラック企業大賞とは、「ブラック企業大賞企画委員会」がブラック企業の個別の事例はもちろん、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることを目指して企画したものです。
問題を明らかにして解決する糸口にしていこうという目的ですね。
ブラック企業の定義は?
「ブラック企業大賞企画委員会」は次のように定義しています。
ブラック企業とは・・・・
①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業。
②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。
ブラック企業を見極める観点は次のようになっています。
●長時間労働
●セクハラ・パワハラ
●いじめ
●長時間過密労働
●低賃金
●コンプライアンス違反
●育休・産休などの制度の不備
●労組への敵対度
●派遣差別
●派遣依存度
●残業代未払い(求人票でウソ)
※ただし多くのブラック企業が上記の問題を複合的に持っているので、判断する際も総合的に判断する。
特に長時間労働やパワハラ、残業代未払いなどが多いようです。
ノミネートされた企業は?
まずはノミネートされた企業を紹介していきます!
※ノミネートされた企業は何かの事実があってノミネートされていますのでこれらの企業がいつもブラックであるというわけではありません。
1.ゼリア新薬工業株式会社
ノミネート理由:2013年4月に入社した当時22歳の男性社員が、新人研修受講中の同年5月18日に自殺。
ゼリア新薬工業株式会社は「ヘパリーゼ」など健康食品の製造販売を行う大手製薬会社ですね。
新人研修のときに講師のきつい言動や行動を受け、精神疾患を患いました。
2.株式会社いなげや
ノミネート理由:男性社員(当時42歳)が勤務中に突然呂律が回らなくなり救急搬送され入院し、その後復帰したが脳血栓により亡くなりました。
株式会社いなげやはスーパーマーケットチェーンです。
亡くなった男性の発症前4か月前の時間外労働は96時間35分、発症前の4カ月平均で75時間53分に到達していました。
これ以外にも時間外労働があったそうです。
3.パナソニック株式会社
ノミネート理由:100時間を超える残業により当時40代の男性社員が自殺。
パナソニック株式会社は誰もが知っている大手家電メーカーですよね。
これほどまでに仕事が忙しかったことが推測されますね。
4.新潟市民病院
ノミネート理由:37歳女性研修医が、長時間勤務が続いたことで睡眠薬を服用して自殺。
この女性の月平均残業時間は187時間、もっとも長い月で251時間でした。
1日あたり約6時間の残業ということですので考えられないですよね。
5.日本放送協会(NHK)
ノミネート理由:長時間労働の過労が原因で当時、31歳だった女性記者がうっ血性心不全で死亡。
甲子園、大河ドラマ、年末は紅白歌合戦などを放送しているNHKです。
この女性の亡くなる直前の残業時間は209時間とされています。
6.株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
ノミネート理由:従業員を懲戒解雇による不当労働行為
株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西は、「アリさんマークの引越社」として全国で営業展開する引っ越し企業です。
7.大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
ノミネート理由:長時間労働による過労が原因で三信建設工業の新人男性社員(当時23歳)が自殺。
大成建設株式会社は、大手総合建設会社です。
「新国立競技場」の建設工事の元請け企業を担っており、三信建設工業株式会社その下請け企業です。
東京オリンピックの施設を無理な工程で急がせていたことが背景にあります。
8.大和ハウス工業株式会社
ノミネート理由:20代男性に違法な時間外労働をさせていた。
一定の時間になると消灯して社員を帰らせるようにしていたが、社員は隠れて残った仕事をこなしていました。
深夜まで残業していたそうです。
9.ヤマト運輸株式会社
ノミネート理由:残業代未払い、残業時間改ざん、賃金の未払い
AmazonやZOZOTOWNなどのECサイトの発展により宅配業者はとても忙しくなったと思います。
しかし、残業代が出ないとなると仕事に対するモチベーションの低下にもつながりますよね。
ブラック企業大賞を発表!
- ウェブ投票賞:日本放送協会(NHK)
- ブラック研修賞:ゼリア新薬工業株式会社
- 業界賞:新潟市民病院
- 特別賞:大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
- ブラック企業大賞: 株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
ブラック企業大賞は、株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西でした。
ほかにも4つの部門が設けられています。
NHKは、一般市民からのウェブ投票において、3855票(ウェブ投票3848票、授賞式会場での直接投票7票)と、他企業と比べ圧倒的に多い票数を得ました。
新潟市民病院の残業時間はノミネート企業中一番だったそうです。
大賞になった引越社関東は、2年前に開催された「ブラック企業大賞2015」において「ウェブ投票賞」「アリ得ないで賞」をW(ダブル)受賞しています。
まとめ
今回はブラック企業大賞を紹介しました。
人の死を招くほどの多量な仕事を社員がこなさなければいけないという企業の体制を見直す必要がありますね。
今日紹介した企業はブラックなのではなく、このような事例があったという認識で捉えると良いと思います。
そもそも過労死や自殺、賃金の未払いなどといった問題を詳らかにし、このようなことが起こらないようにより良い環境作りをしていくことが目的ですからね。
もし就職して、自分の会社が合わないと思ったら転職するのも一つの手かもしれません!
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