2017年の4月、ヤマト運輸がドライバー不足を主な原因としてAmazonの配達から撤退したというニュースは記憶に新しいですよね。
ネット通販の配達物の量の急増に対してドライバーはあまり増えていないため、宅配業界で人手不足が問題になるのは当然かもしれませんが、そういった人手不足に悩んでいるのは宅配業界だけではないようです。
最近「人手不足」倒産が増えているとのニュースを耳にしたことはありませんか?
今回は、その「人手不足」倒産と、その現象が就活に与える影響についてみていきましょう!
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どのぐらい人手不足?特に人手不足の業界は?
帝国データバンクの2018年7月の「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員を「不足している」と回答した企業は50.9%で前年同期から5.5ポイント増加し過去最高となったそうです。
特に正社員が人手不足だと感じた企業が多かったのは「情報サービス」の71.3%で、「運輸・倉庫」(67.6%)、「建設」(66.3%)と続きます。また非正社員を最も不足していると感じたのは「飲食業」の82.9%のようです。
アルバイトの数が足りていると感じている飲食業の企業がわずかに2割弱しかないと考えると、かなり人手に苦労していることが分かります。
情報サービス業や飲食業に該当する職種は長時間労働、低賃金になることが多く、なり手が少ないため、特に人手不足となっているようですね。
人手不足でなぜ倒産してしまう?
なり手が少ないならば賃金や待遇を改善すればいいのに…と思うかもしれませんが、一部の大企業を除いて多くの中小企業は賃金を上げる余裕がありません。
実際に従業員を引き留めるために賃金を上げたところ、収支が悪化し倒産に繋がったというケースは少なくないようです。
太陽光発電システム設計・設置の「JINテクニカル」(東京都、負債額2億3000万円)は工事需要が増加したにもかかわらず人手不足で対応できなくなり、事業継続を断念した。
トラック運送の「誠梱包(こんぽう)運輸」(神奈川県、1億2200万円)は、ドライバー不足を背景に人件費が上昇し、資金繰りが逼迫(ひっぱく)した。
産経ニュースより
最近のデータでは「人手不足倒産」に至った企業の資本金は1000万円未満の零細企業が55.8%と過半数を占めており、1000万円以上1億円未満の中小企業が43.8%となっています。
こういった人件費を上げられない企業にとって、人手不足問題は非常に深刻になっています。
また、賃金不足以外にも代表者や幹部役員の死亡・入院などを受けて後継者難により倒産するというケースも中小企業ではかなり多くなっています。
日本の人口の約3割は高齢者と言われており、賃金以外の面でも人手不足の影響はかなり大きいようです。
人手不足なら就活は余裕?気を付けるべきことは?
企業の倒産が続出するほどの人手不足だからといって、今の就活は苦労しないというわけではありません。
まず極端な人手不足となっているのは上で挙げた情報サービス業や飲食業といった労働環境の面で敬遠されがちな業種であり、全ての業種が極端な人手不足であるわけではありません。
また、リクルートによる調査によると、企業規模別で見ると従業員5000人以上の企業の求人倍率は0.39倍、1000人から4999人の企業で 0.59倍となっており、大手企業では今でも売り手市場ではなく買い手市場であるというのが現実です。
とはいえ、大手企業だけを狙ってしまう「大手病」にかからなければ内定を得るのは楽になっているというのも事実です。そこで就活生が気を付けなければならないのは「企業とのミスマッチを避ける」ということです。
内定を得るだけなら苦労しなくなっているいま、とりあえず内定を得たから就活をすぐ終えるのではなく、その企業の労働条件や仕事内容をしっかり理解できるように就活に臨みましょう!
インターンに参加してミスマッチを防ごう!
就職におけるミスマッチを防ぐには、インターンに参加することがとても重要です。
数回の面接だけではその会社について理解することは難しく、職場の雰囲気や実際の業務内容をインターンで体験しておくことで就職後のミスマッチを大きく減らすことができます。
特に正社員として入社を希望する企業へのインターンに参加した際のメリットとして、「その雰囲気を肌で感じることができた」「人間関係で悩むことなく入社できた」という声も多く、早期退職の原因の一つである職場の人間関係を円滑にできるようです。
また多くの企業で正社員が不足している現状、企業によってはインターン生は正社員の業務の手伝いだけでなく、正社員と同等の業務を任されることもあります。さらに正社員が不足している業種を中心に、インターンから正社員登用というケースも増えており、就活におけるインターンの役割はどんどん大きくなっています。
人手不足の売り手市場だからといってギリギリに就活を始めるのではなく、積極的にインターンに参加していきましょう!
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